杣口林道案内

乙女高原を訪れる人はたくさんいますが,ほとんどの人は自家用車で来ます。車だとわき見をするわけにはいかないし,途中,面白いものが あっても通り過ぎてしまいます。たとえば,林道のすぐわきには,こんなお花が咲いているのに・・・(だいだい色はフシグロセンノウ, 白いのはヤマユリです)

せっかくの林道ぞいの自然をなんとか紹介できないか?と考えていたら,このようなポストが目に付きました。杣口林道にはなんと 0.1キロ=100メートルおきに起点からの距離をあらわすポストが設置されています(注:柳平に近くなり,道幅が広がると, ポスト間の距離は長くなります)。まるで,高速道路みたいです。
そこで,このポストを利用して,しかもウェブ上で,皆さんに林道ぞいの自然を紹介することにしました。

キロポスト 写 真 案内
0.3〜0.4 あり塚
林道のわきをみると,木っかすが盛り上がっているように見えます。近づいてよく見ると,赤っぽいアリがたくさんうごめいています。 これはエゾヤマアカアリのあり塚。間違っても踏んづけたりしたらいけません。このアリはけっこう性格がきつくて,巣を攻撃して くる者には容赦なく反撃してきます。
1.1
金桜神社奥の院跡
金桜神社は杣口林道入り口より1キロほど手前にある神社です。その「奥の院」がここ。信仰の山・金峰山への幾つかの修験道のひとつが ここを通っていたそうです。その昔,ここは修験者たちが修行をする場所だったらしく,2004年には発掘調査も行われています。
3.6〜3.7

サワラの学術参考林
このあたりにヒノキに似た巨木がたくさん見られます。これがサワラ。ここのサワラ天然林は県から「学術参考林」 「やまなしの森林100選」に選ばれています。森の中を歩いていると,なんだか古代の森の中にいるような錯覚を覚えます。
ちなみに「山梨の巨木・名木100選」に選ばれたサワラの巨木は3.6キロ・ポストのちょっと先にあります。白い小さな看板が 木の前に立っています。
4.4
大烏(おおがらす)・雛岩(ひないわ)登山道入り口
林道が左カーブしながら沢を渡っていますが,その手前です。杣口林道からは大烏の山頂はのぞめませんが,所々でごつごつした 雛岩を見ることができます。とくに,「姥栃」のあたりからよく見えます。
4.6〜4.7
原石山がよく見える
ここから「原石山」がよく見えます。大規模な工事をしているように見えます。ここから石を切り出して琴川ダムの工事現場に 運んでいます。石をこなごなに砕いてコンクリートの原料としているそうです。ダムを作るということは,ダムが作られる場所だけ でなく,原石山,土捨て場,そして取り付け道路と,たくさんの自然が失われてしまうことがわかりました。
4.7キロ・ポスト付近に,その日の発破予定が書いてある看板がありますので,見落とさないように。ぼくは一度,乙女からの帰りに ちょうど発破時刻が重なってしまい,20分ほど足止めをくったことがあります。
5.1 原石山入り口
これは柳平側から撮った写真です。下から来ると,左ではなく右側に見えます。この「コンクリートの壁」はかなり巨大なものですし, 崖の上にそそり立っているので,遠くからもよく見えます。ぼくのウチからも見えます。ここから林道は2車線になり,ポストは まばらになります。
6.5

姥栃
このあたりには巨大なトチノキが何本かあります。特にこの沢には集中しているような気がします。巨大トチノキの一本が姥栃です。 ハリーポッターのホグワーツ魔法学校の庭にあるオバケヤナギ(でしたっけ?)に似ているような気がします。根元からはこんこんと 清水が湧き出しています。ぼくはいつも空のペットボトルを持っていき,ここで清水を汲んでから乙女に登ります。
注目していただきたいのは,姥栃の,道路をはさんで反対側にあるトチノキの巨木です。どうも林道の拡張工事をする際に, この木を切らないように配慮してくれたようなのですが,でも,どうも元気がないように見受けられます。
8.5
鳥居峠
この峠を越えると,柳平という開拓集落です。左下を見下ろすと琴川ダムが建設中。「堤」がだいぶ高くなりました。春先, この沢では,よくノスリを見かけます。天気がいいと,ここから金峰山の山頂がよく見えます。ぽこっと乳頭のように見えて いるのが五丈岩。3から4階建てのビルくらい高いんですよ。すごく怖い思いをして上まで登ると,そのながめのいいこと・・・。


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