□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第101号 2004.5.4. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ●●特集 乙女高原ファンクラブ●●  100号を記念して…というわけではないのですが,これを機会に,乙女高原ファン クラブのプロフィールを改めて紹介しようと思います。   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 1.乙女高原ファンクラブのルーツ NEW! 2.乙女高原ファンクラブの活動内容 NEW! 3.乙女高原ファンクラブに入るには NEW! 4.インターネットを使った乙女高原ファンクラブのツールは  ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■  ●1.乙女高原ファンクラブのルーツ● ■乙女高原の森  1999年,山梨県は森林文化の森事業をスタートさせました。県内12箇所の県有林を 森林文化の森に指定し,そこで「森の体験プログラム」を実施し,森に親しんでもら おうという事業です。  乙女高原はその第1号に指定され,その運営方針を話し合う「森林文化の森連絡会 議」が組織されました。行政主導の委員会といえば,行政が用意した原案をそのまま 通すか,よくて微調整するくらいが普通だと思いますが,「乙女高原の森連絡会議」 では,事業の本質に関わる重要な二つの修正が委員発議で行われました。  一つは事業の目的です。簡単に言うと,文化の森は「森の自然や文化に親しむ」こ とが目的でした。乙女高原の森では,そうではなく,「乙女高原の自然や文化を守 る」ことを目的とし,その目的を達成できるような事業の枠組みを作り,それに沿っ て体験プログラムも実施しようということになりました。  だって,「守る」という明確な目的をもたない限り,いくら自然に親しんだところ で,自然を守れる人も社会も作れません。ぼくらよりずっと自然に親しむ体験をして きた世代の人たちが日本の自然をズタズタにしてきた…という事実が明確にそれを教 えてくれます。  二つ目は体験プログラムの受け皿です。当初はプログラムを他所の人にお願いする (外注する)予定でした。もちろん「プロ」に任せれば上手に楽しくやることができ るでしょう。でも,本当にその地の自然を生かして,その地でないとできないような プログラムが組めるでしょうか? それに「自然を守る」を目的とするならば,「自 然を守る」に向けてがんばっている人の後姿を見せることが一番大切なのではないで しょうか。そう考え,体験プログラムを自分たちで行うことにしました。  以上の二点が大きな修正案でした。じつは,ぼくはこの二つが受け入れられなかっ たら,連絡会議の委員を辞するつもりでしたが,多くの委員さんも賛同してくれ,ま た,行政の担当者も受け入れてくれました。  「よし,森林文化の森は,乙女高原の自然を守るために使えるぞ!」  ぼくはこの事業に本気で取り組むことを決めました。 ■乙女高原の保全策の策定  「乙女高原の森」の事業の目的が「乙女高原の自然を守る」に決まったのですか ら,どうすることが「乙女高原の自然を守る」ことになるのか,その(自然の)姿を 決めなければなりません。  乙女高原にはどんな自然が今あって,それはどんな成り立ちなのか,今までどんな 人との関わりがあり(歴史ですね),今,乙女を訪れる人は乙女に何を求めているの か,乙女の自然の質が落ちている事実はないか,それは何が原因か…といった,本当 にいろいろな要素を大きな釜の中にいれ,じっくりと熟成させ,案を練ります。  でも,そうやって案を練っただけではダメです。自然は公共物・みんなのものなの で,多くの人と議論して決めなければなりません。特に大地主である山梨県や地元自 治体の牧丘町を「引き込んで」議論することは最重要課題です。幸い,乙女高原の森 連絡会議がうまく機能しました。2000年10月には「『乙女高原の森』の保全および活 用に関する提言」としてまとめ,県に提出しました。 ■乙女高原の草原を守る! 草刈りボランティア  提言書の中には「乙女高原の草原は,草原の景観を保つ」という保全目標が掲げら れています。ところが,2000年3月には乙女高原をスキー場として使わないことが決 められ,毎年行われていた草刈りの費用が打ち切られました。このまま放置すれば, 確実に乙女の草原は森林に遷移します。  そこで,乙女高原の森体験プログラムとして,ボランティアで乙女高原の草刈りを 行うことを企画しました。初めての試みだったので,たいへんでした。カラーのちら しを作り,大々的にピーアールしたり,現地の測量をしたり,切る木と切らないで残 す木を決めカラースプレーで印をしたり・・・。どの区域をどんな人たちに任せるか など企画立案もたいへんでした。  でも,その甲斐あって,2000年11月23日には県内外から200人もの乙女高原ファン が集まり,まさに和気あいあいと草刈り・若木切りをすることができました。  この日以来,毎年11月23日・勤労感謝の日は乙女の草刈りの日です。  また,このメールマガジンを出し始めたのもちょうどこのころです。準備号を出し たのは「『乙女高原の森』の保全および活用に関する提言」を県に提出した10月24 日,創刊号は11月23日,草刈りボランティアの日です。提言が提出できたり,草刈り ができたりして嬉しくて始めたのではありません。このメールマガジンも,「乙女高 原の自然や文化を守る」ための一つのパーツとして始めたのです。 ■乙女高原ファンクラブの創設  乙女の草原を守るために200人もの人が集まってくれたという事実は,ぼくらをす ごく励ましてくれました。そして,乙女高原を守るための市民団体を立ち上げるため の大きなバネになりました。「乙女高原の森があるんだから,いいじゃないか」と思 われるかもしれませんが,「乙女高原の森連絡会議」はあくまで行政主導の会。行政 から委嘱された人しかメンバーにはなれません。そうではなく,誰でもメンバーにな れ,だれでもその運営に口や手を出すことができる,本当の意味での市民団体が欲し かったのです。しかも,「乙女高原の森連絡会議」の血を引く組織にすれば,生まれ た時から行政と太いパイプを持った会にすることができます。イマ風に言えば,パー トナーシップとかコラボレーションです。  何回かの設立準備会を経て,2001年4月22日。21世紀を迎えて初めてのアースディ に,乙女高原ファンクラブは産声を上げました。  この日は,ファンクラブ設立記念として,西保や焼山峠がロケ地となった昭和40年 公開の映画『明日は咲こう花咲こう』の上映も行われました。主演は吉永小百合さ ん。吉永さんは自然や環境についての発言も多く,このように牧丘との接点もあるこ とから,ファンクラブの名誉会長をお願いしたいと考えているのですが…こんな有名 人にコネがあるわけはなく,計画はストップしたままです。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐  ●2.乙女高原ファンクラブの活動内容● ■ファンクラブの目的  ファンクラブの目的を,ぼくは暗唱することができます。それくらい気に入ってい る文章です。 「乙女高原の自然を次の世代に確実に譲り渡すために,その自然と, 人と自然との関わりを育む」  「乙女高原の自然を次の世代に確実に譲り渡す」…これが究極の目的です。環境倫 理の一つ「世代間倫理」を入れました。  この目的達成のためには,自然を守るだけではだめで,乙女の自然を守ろうという 人の心も育てなければなりません。だから,「自然」だけでなく,「自然と,人と自 然との関わり」なのです。そして,今までの伝統にのっとって「守る」だけではな く,現代社会にも受け入れられるように,イマ風にアレンジして,みんなで考え,取 り組んでいきたいという願いを込めて,「育む」という言葉を使いました。 ■活動の柱  乙女高原ファンクラブの活動の柱は,@調査研究活動,A環境教育活動,Bボラン ティア活動,C情報交換活動の4つです。ひとつひとつについて,その意義と具体的 な活動を紹介しますね。  なお,「ひとつの活動が調査研究としても機能しているし,見方によっては環境教 育とも言える」というように,多くの活動は複数の機能を持っているので,できるだ けたくさんの機能が発揮できるよう工夫しています。 @調査研究活動  【理由】乙女高原の自然や,その自然と関わってきた人の暮らしぶり,そして,乙 女高原を訪れる人の行動や思いを知らなければ,乙女高原の自然や文化遺産は守れな いよね。  【具体的活動】植生調査(どんな植物があるの?),自然環境調査,生態調査(生 き物たちのどんな暮らし?・・・マルハナバチ調べ隊など),(古老からの)聞き取り 調査,(訪問者への)アンケート調査など A環境教育活動  【理由】乙女高原の自然や,その自然とのかかわりの中で育まれてきた歴史や文化 を多くの人に知らせ,そのかけがえのなさに気付いてもらわなければ,乙女高原の自 然や文化遺産は守れないよね。  【具体的活動】学校との連携(自然教室,総合学習),自然講座(自然観察会)の 開催,乙女高原フォーラムの開催,乙女高原案内人の養成など Bボランティア活動  【理由】「乙女高原の自然を守るためには,○○をしないとダメだよ」と,言って るだけでは自然は守れないよね。実際に汗を流して働かないと。そして,そんなオヤ ジやオフクロのうしろ姿を子どもに見せなきゃ。  【具体的活動】遊歩道の整備(ロープ張,メンテ),ごみ拾い,草刈りボランティ ア(11月23日),乙女高原案内人の活動など C情報交換活動  【理由】多くの人に乙女高原や乙女高原での取り組みのことを知ってもらい,関 わってもらわないと,乙女高原の自然や文化遺産は守れないよね。それに,ぼくらの 知らない「乙女のヒミツ」を知ってる人がいるかも・・・。  【具体的活動】世話人会の開催(基本的に毎月第3水曜日の夜),座談会の開催, ホームページの開設,メールマガジンの配信(購読無料),メーリングリスト(電脳 談話室)の運営など -------------------------------------------  ●3.乙女高原ファンクラブに入るには● ■入会金も年会費もありません!  乙女高原ファンクラブには入会金も年会費もありません。ですから,「乙女高原 ファンクラブに入会します!」と宣言さえすれば誰でも会員になれます(とはいえ, ニュースレターを送ったりする都合上,住所・氏名・電話番号くらいは教えてくださ い)。  どうして入会金も年会費もないのか?  第1に,それらがあると事務局の仕事が膨大になってしまうからです。ファンクラ ブは同好会ではありません。存在することに意義があるのではありません。「乙女高 原の自然や人と自然との関わりが育まれて」初めて存在意義があるのです。ですか ら,時間やエネルギーをできるだけその「本来的なもの」のために使って,組織の運 営は極力省エネで行こうと考えたのです。  第2に,補助金や助成金,それから皆さんからの寄付金で十分やっていけるだろう と計算したからです。町・県との共催事業については,経済的な負担はできるだけ町 と県にお願いすることも可能でした。  それに,入会金や年会費がないことでファンクラブ入会を友人等にお勧めやすいと いうオマケも付いてきました。中には乙女高原がどこにあるかさえ知らないけど,会 員である友人が熱心に勧誘したので入会してくださった方もいらっしゃいます。そう いう方に乙女高原や乙女高原での取り組みについて知っていただくいい機会にもなり ました。 ■会員制度の見直し案  実際,すでに300人以上の方々がファンクラブの会員になってくださいました。こ れはとても嬉しい状況なのですが,思わぬ落とし穴がありました。あまりにも多くの 方に入会をお勧めしたせいか,総会への参加者・委任状の提出者を合わせて過半数ギ リギリなのです。このペースだと,来年の総会は出席者(委任状も含めて)が過半数 を超えず,成立しない可能性があります。また,事務局が個人宅に移ったことによる 状況の厳しさは「人的状況」ばかりでなく「経済的状況」もです(たとえば,一回会 報を送ると,2万4千円もかかります)。  そこで会員制度を見直し,来年度から普通会員とサポーター会員の2本立てにした らどうかと考えています。 ●普通会員は総会参加の義務があり(委任状による参加も認める),年に何度か会報を 送ってもらえる。年に一度は寄付(一口1,000円。口数随意)をお願いしたい。 ●サポーター会員は総会参加の義務はない(もちろん,参加はかまわない)。年に一 度,前年の活動報告とその年の活動計画を送ってもらえる。 という2本立てです。この案に対するご意見をお願いします。  誤解をなさらないように・・・。今年いっぱいは「入る!」と宣言しさえすれば,乙 女高原ファンクラブ会員です。 ----------------------------------------------  ●4.インターネットを使った乙女高原ファンクラブのツールは●  ホームページ,メーリングリスト,メールマガジンが「3種の神器」です。 ホー ムページとメーリングリストは八王子の小林さんが管理してくださっています。メー ルマガジンは植原が編集・配信しています。  ホームページについては以下にお知らせしているアドレスのとおりです。ここから いろいろなページにとんでください。  個人的にぜひ見てもらいたいのは「ウエちゃんの自然観察記」と「乙女高原の成り 立ち」です。前者は乙女でぼくが見つけた自然の営みを文章と写真でまとめたもので す。02年からはじめていて,今のところ19タイトルがアップされています。後者は草 刈りによる遷移停滞が起こり,乙女の草原が保たれているという,乙女の自然の一番 の特徴をビジュアルに説明したものです。  メーリングリストは,乙女高原ファンの情報交換の場です。「メーリングリストに 入ります!」という手続きをした人にしか,この場には入れません。入り方は,トッ プページの「メーリングリスト」のボタンを押して,説明を読んでください。  メールマガジンについては,今後もできるだけ読者を増やし,多くの方に乙女高原 や乙女高原での取り組みについて知ってもらおうと考えています。  ただ,ぼくはパソコンしろうとなので,あまりよくわかりませんが,やっぱりメー ルマガジンというと,マグマグなど無料のメールマガジン・サイトを経由したほうが (ウイルスなどの)心配がないのでしょうかねえ。どなたかご意見をお聞かせくださ い。 ----------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 牧丘町窪平1110-3 電話とファックス 0553(35)3682 ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,398人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。  なお,ウイルスが心配ですので毎週ウイルスソフトのアップデートを行っていま す。 以上。