□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第107号 2004.6.13. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】 古明地さんと巡る牧丘の遺産・・6月5日 NEW! 2.【活動報告】 乙女高原案内人養成講座 3回目・・6月6日     3.【参加者募集】 マルハナバチ調べ隊04・・1回目は6月27日 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@乙女高原は,キビタキ,コルリ,ヒガラ,コガラといった鳥の鳴き声やエゾハル ゼミの蝉時雨でとてもにぎやかです。1年間,「音」に注目して観察するのもおもし ろいかも。くれぐれも乙女高原へは杣口林道(杣口−柳平)を経由して来てください ね。焼山林道(塩平−焼山峠)は工事中で通れません。工期は8月10日までです。 ●A6月27日(日),今年第1回目のマルハナバチ調べ隊を実施します。奥山隊長のも と,「マルハナバチ・ファン(=確実にマルハナバチの調査ができる人)を増やそ う」を目標に,マルハナバチ三昧な1日を送ります。なんとこの日は,ぼくらをマル ハナバチ・ファンに導いた張本人(!)東京大学大学院の国武陽子さんも駆けつけて くださることになりました。10時にロッジ前です。(→「3」) ●B乙女高原ファンクラブの次回世話人会は,7月7日(水)午後7時半から,牧丘 町総合会館です。ファンクラブ会員であれば,どなたでも参加できます。どうぞ,お いでください。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【活動報告】  ●古明地さんと巡る牧丘の遺産・・6月5日●  牧丘郷土文化館(牧丘の道の駅の隣にある,明治時代の小学校の校舎を移築した建 物)館長の古明地登吉さんは,言ってみれば牧丘の自然遺産・文化遺産に関するイン タープリターの第一人者です。教育委員会に永く勤められたこともあり,物知りだ し,とても経験豊富です。  今回のツアーの企画のため,何回か文化館にお邪魔し,いろいろお話をお聞きしま した。好奇心を駆り立てられる話がたくさんありました。  たとえば,去年できたばかりの遊歩道がある大窪山(乙女高原と焼山峠のちょうど 中間にある,すり鉢を逆さにしたような形をした山)は,その昔,乙女高原のような 草地で,レンゲツツジの大群落があったそうです。想像できますか? つまりは,焼 山峠から乙女高原までが全部レンゲツツジの群生地だったということですよ!  そこで,当時の教育長さんと一緒に,県の林務事務所に行って,「このレンゲツツ ジの大群落を天然記念物に指定してくれ」と要請したそうです。当時の成城大学の教 授が研究者として,これを強力にバックアップしてくださったそうです。  ところが,県としては大窪山に植林計画がすでにあり,「頼むから,取り下げてく れ」と頭を下げられ,仕方なく,取り下げたんだそうです。  「乙女高原がスキー場だった」というような実際にあった話はもちろんちゃんと語 り継がれてきていますが,「天然記念物指定を要請したが,指定されなかった」とい うような話については,知っている人も限られているし,資料も残りにくいだろうか ら,今のうちにいろいろな人から話を聞き,記録しておかないと,本当に霧散してし まうだろうなあと思いました。  また,先輩たちのこのような努力があったからこそ,乙女高原は守られてきたのだ し,そのような先輩たちの意思を自分たちが確実に引き継いでいるなあという思いも 強くなりました。    さて,前置きが長くなりました。6月5日,その古明地さんに無理を言ってお願い し,1日で牧丘の自然・文化遺産を駆け巡るという,ある意味,とても贅沢なツアー を計画しました。多くの参加者になる予定でしたが,翌日が乙女高原案内人養成講座 最終日ということもあり,ぼくも含め,3名のみの参加者でした。古明地さんを「3人 占め」するのですから,本当に贅沢なツアーとなりました。天気は最高によかった し。  車は,牧丘町内で唯一の国指定文化財(重要文化財・・・建造物)がある中牧神社 を左手に見ながらどんどん北上し,杣口林道ニ入りました。  1.1キロポスト付近で車を止め(杣口林道には,まるで高速道路のように0.1キロ メートルおきにポストが立ててあるので,場所を特定するのが楽です),右手の森の 中に入っていきました。昔は神仏混合といって,神社と寺院がいっしょの場所にある ことが多かったのですが,ここに金桜神社の奥の院があったのだそうです。金峰山へ の9筋の修験道のうち,一番栄えたのが,この金桜神社を経由する道だったと考えら れているそうです。  次に止まったのは,3.7キロポストです。ここは学術参考林にもなっているサワラ 林で,説明板も設置されています。もちろん天然林です。ぼくも車窓から見るばかり で,車を降り,じっくり見るのは初めてです。  すごい景観ですよ。サワラってヒノキによく似ている木だな・・・くらいの印象し かなかったのですが,ここのサワラはすごい! 判で押したように地上3メートルく らいまで龍がのた打ち回っているように太い幹が曲がったり,ねじれたり,二股に なっていたりするのですが,そこから天に突き刺さるようにスッと幹が伸びているの です。いったいどうして,こんな格好になったのか? 木の人生(・・・だから,木 生?)をじっくり聞いてやりたくなります。 前から見ると,大きな岩の上にでんと 座っているように見える木もありました。  すぐ横には沢もあるので,もともと地面から生えていたのに,土が削られてしまっ て,こんな形になったのかな?と思いました。  乙女高原で弁当を食べた後,以前,ホームページで紹介した「石の谷」に行きまし た。 ここで採れる石から,最高級の石臼が作られるのだそうです。どうも採石された残り の石を捨てた跡が「石の谷」だったようです。   http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0209/0209.htm  そのすぐ近くの母母峠の絶景ポイントにも行きました。天気がよかったこともあ り,富士山がはっきり見えていました。悲しかったのは大岩のすぐ近くに生えていた 木が切られていたことです。その大岩に登ってみると,ちょうどその木が富士山を撮 影するときに邪魔になっていたことがわかります。おそらく,カメラマンが富士山の 写真を撮りたいばっかりに木を切ってしまったのでしょう。ゆるせないと思いまし た。   http://www.otomefc.net/album/img-box/img20040605224322.jpg  「ここで孔雀石が取れるんだよ」と教えられたところで車を降りました。孔雀石は 地方名です。「孔雀のようにきれいな石だよ」古明地さんに言われたとき,ピンとき ませんでした。孔雀のようにきれいといったって,どういうふうに???  結局,典型的な孔雀石は見つかりませんでしたが,孔雀石がどんなものかは,なん となくわかりました。クジャクよりもマガモのオスの方がたとえとして分かりやすい と思うのですが・・・マガモのオスの頭って,「青首」と言われるように,濃い青色 をしていますが,光線の加減で紫色に見えたり,緑色に輝いているように見えたりし ますよね? そんな感じに見える石なんだそうです。  古明地さんの頭脳の「引き出し」の中には,まだまだたくさんの自然・文化遺産に 関する知識や経験が詰まっていそうです。また,こういう機会をぜひ,作りたいと思 いました。古明地さん,お忙しいのに,快く引き受けてくださり,ありがとうござい ました。 ※古明地さんには,牧丘の道の駅隣の「郷土文化館」に行けばお会いできます。ぜ ひ,お邪魔して,お話を聞いてください。また,この館の2階に展示してある牧丘の 地図はものすごくいいです。なんていうのかなあ,インタープリターにとって,とっ ても使い勝手がよくて,痒いところに手が届く感じの地図です。町教育委員会の温井 係長さんの手作りとお聞きし,2度びっくり。業者が作ったものより何十倍もいいん ですよ! これもぜひ,見て行ってください。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【活動報告】  ●乙女高原案内人養成講座 3回目(最終日)・・6月6日●  今年の案内人養成講座は,1日目だけ快晴で,前回(二日目)は雨だったし,今回 もあいにくの空模様でした。ですが,受講生とスタッフが集まったグリーンロッジの ホールは熱気でいっぱい。本当に今後が楽しみです。  まずは講義「乙女高原の歴史」。担当はファンクラブ代表世話人の古屋利雄さんで す。去年も同じタイトルで話をしていただいたのですが,去年よりも話がずっと整理 されていて,わかりやすく,しかも,新しい話題も入っていて,とても興味深く聞か せていただきました。年齢的にはぼくらよりずっと先輩ですが,真摯に勉強を続けて いらっしゃることがよく分かりました。話をするためのメモも,何ページにもわたっ ていました。自分もあんなふうに歳を重ねたいなあと思いました。  去年にはなかった話だけ,ここで紹介したいと思います。それは,「1」の古明地 さんとのツアーにも出てきた話題なのですが,大窪山についてです。古屋さんのお話 によると,大窪も乙女と同じような採草地だったそうです。(だから,レンゲツツジ の大群落だったんですね)  ところが,昭和30年代から急速に燃料革命が進み,それまで唯一といっていいほ どのエネルギー資源だった炭を社会が必要としなくなってきました。炭を焼いての生 活が成り立たなくなり,都市に人口が流失するようになりました。一方,化学肥料の 登場等により,採草地の草も利用されなくなってきました。これらの問題に対処する ため,県では採草地に植林する計画を立てました。これなら,職が生まれますから人 口流失を防げますし,使われなくなった採草地の有効利用にもなります。この時期, 県内の多くの採草地が植林の対象地になったそうです。  実習のひとつは乙女高原ファンクラブ代表世話人の奥山永雄さんのインタープリ テーションB。外が雨だったので,屋内での実習となりました。  イントロは昨年と同じ「いろいろな菜の花」。今年はバージョンアップし,「いろ いろなリンゴの枝」もありました! 似たような植物がいっぱいあってたいへんです が,とりあえず,何の仲間か分かるようにすること,分からないときは,分からない とはっきり言うことが大事だそうです。  案内人の資料集を使ってのレクチャーもありました。乙女う周辺に降った雨はどこ に行くのか? 山の向こう側とこちら側では違うわけです。そんな「乙女高原を訪れ た人から尋ねられそうな」話題をいくつか取り上げていただきました。  吉永小百合主演映画「あしたは咲こう花咲こう」のテープまで聞かせてくださいま した。この映画は乙女高原周辺でロケされたものなんですよ。もう40年も前のこと ですけどね(だから,吉永小百合さんをファンクラブの名誉会長に・・・と思ってい るのですが,なにぶん,なんにもコネやツテがありません)。  お花のパンフレットについての説明もありました。どのようにすれば,このパンフ レットを100%生かすことができるのか?・・・という視点の話は,とても分かり やすかったです。では,パンフレットの話をクイズ調にしてみましょう。  第1問 ひとつひとつの花の写真の横についているイラストは何でしょう?  第2問 花に番号がついていますが,番号の色は何を意味しているでしょう?  第3問 どうして花に番号がついているのでしょう?  正解は,メルマの最後に。  もうひとつの実習は森林インストラクターの小松沢靖さんの「乙女高原の植物」で す。野外で熟語を「聞く」だけだと意味がわかりにくい・・・という経験をしたこと はありませんか? さすがインタープリター。小松沢さんは熟語を大きな紙に紙芝居 のように書いてきてくださり,それを見せながら説明してくださいました。スタッフ の一人が,そんな小松沢さんにさりげなく傘をさして下さったことを,受講生の皆さ んにはぜひ,見逃してほしくないなあと思いました。  シラカバ,ダケカンバ,ヤマナラシなど,乙女高原の代表的な樹木を教えてくださ いました。  これで乙女高原案内人養成講座の全課程が終了です。修了した受講生の皆さんに修 了証書と案内人のワッペンをお渡ししました。  新しい案内人の皆さん,養成講座は「終わり」ましたが,ここからが皆さんの活動 の「始まり」ですよ。  こんなこと,私に「できる」かしら,いや「できない」わ・・・と「できる・でき ない」というモノサシで計るのはやめてください。「できる」のを待っていたら, きっと一生何もできないと思います。「実践」しながら「勉強」すればいいじゃない ですか。それに,知識や技能は,後からついてくるものだと思いますよ。  一人では大変かもしれませんが,皆さんにはステキな先輩や仲間がいるじゃないで すか。支えあって,助け合って,「乙女高原の自然を守る」という共通の目的のため にがんばりましょう!  -------------------------------------------    3.【参加者募集】 ●乙女高原マルハナバチ調べ隊2004●   ○調査日:6月27日(日)…女王バチが飛んでいる姿が見られるかも。      8月 8日(日)…働きバチがたくさん見られる。      9月12日(日)…オスバチ(超レアもん)が見られるかも。 ○午前10時から昼食をはさんで午後2時ころまでを予定  集合は乙女高原グリーンロッジ。雨の場合は中止します。 ○ボランティアの調査隊員・・・募集定員は20人  小学校4年生以上。ただし,それより小さいお子さん連れの隊員も認めます。 ○日当・交通費は支給されませんが,ファンクラブから保険加入の費用を出します。 ○持ち物は筆記用具,弁当,ぼうし,飲み物,防寒具。(もっている方は)うで時計,双眼 鏡。 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局 -------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682 ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,410人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。  なお,ウイルスが心配ですので週に最低1回はウイルスソフトのアップデートを 行っています。 以上。