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 乙女高原メールマガジン

第11号(2001. 3. 1)発行者:植原 彰(乙女高原のある町・牧丘町在住)

      Eメールアドレス  xxxxxx@j-gate.net

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        続・草刈り論争

   神奈川のKさんからのお便り

            第11号(2001.3.1)

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 ここ数年、年末になると近所の植木屋さんに頼まれて原っぱの草刈りをしています。
(目的は、不審火などからの防災が主目的です。) 数年間で、毎年やるところ、
初めてやるところなど数カ所の草刈りを経験してみて気付いたことがあります。

当たり前のことなのですが、草刈りして翌年の結果が場所によって全然違う、
ということです。

 

 草刈りは、いつも頼まれるのは年末だけ。(もっとも近所なので冬以外に草刈りしている
場所も把握しています)草刈りは、草刈り後に「きれいさっぱり」という風にしておかないと、
植木屋さんの看板にどろを塗ることになるので高くて地上数センチくらいしか残さずに刈り取ります。
刈り取りには、自慢の30CCの刈り払い機でブインブインと騒々しく刈ります。
毎年、空き缶とかをはねとばしてヒヤっとします。目的が防災ですから、刈った後の草はすべて
軽トラ(時に僕の「カッコイイ」ダットラ)で運び出します。

 

という風に草刈りに関する条件はほぼ一緒(若しくは把握できている条件)なのに、

・毎年毎年、背が高く育つ場所

・一年前にやっているとすごく楽になる場所

・全然刈っていないのに、安定した高さの場所

・すでに原っぱからヤブになりつつある場所

・刈っているのにヤブみたいな場所

と様々です。植木屋手伝い としてでなく、自然観察の目で見ても

A.ススキなど在来が優占している場所

B.帰化種がすごい勢いで優占しつつある場所

C.すっかり帰化種に負けている場所

D.在来だけど遷移がすすんでる場所

E.鳴く虫が沢山いる場所

F.鳴く虫が全然いない場所

と色々です。

B,CかつEという場所も予想外に沢山あります。

 

 原っぱが隣接している所もあれば、車で移動する場所もあるし、日当たり、傾斜、

子どもたちなどの利用圧などなどなどの「草刈り以外の条件」がバラバラなので、草刈りして
その後が「場所によって全然違う」当たり前なのですが…。

 

 今年、ちょっと楽をしました。例年12月頭には植木屋さんに声をかけるのですが、
今年はちょっと忙しくて「手伝いましょかぁ」と連絡するのが20日頃になってしまったのです。
そのおかげで、毎年毎年、ぶっとい株のススキ、硬い硬いセイタカアワダチソウ,
やたらと絡まるクズの蔦…おまけに広い という毎年苦労していた場所を、
別の方がやりおえていて下さったのです。

 代わりに刈ったのが、60坪ほどのきれいなススキばかり(ちょっぴりセイタカアワダチソウ)
の原っぱでした。ススキばっかりだと楽です。ここは数年刈られていないよなぁと思いながら刈っていたら、
近所の方が「ありがとう! わたしんちの方もそろそろからなきゃいけないんだけど、やっといてくれないかしら」
などと声をかけて下さいました。

 けっ! 自分でやれ!! と思いながら、「そろそろ」って?…どうやら、その方は新住民なので、
刈ったことがないけど。大家さんが元気なころは、3年にいっぺん位は刈っていたらしい
 ということでした。(もう高齢でできなくなった)

 まわりじゅう原っぱだった頃は当然「草刈り」の目的は防災なんかじゃなくて草(萱、茅、薄)を畑だの、
牛飼うだの、屋根噴くだの…といった草の利用のために刈っていたのだと思うのです。

 

 となると、

・やっぱり刈った後は運び出していたんだなぁ

 ということにまず気がつきました。それから、バラバラに見えていたものも

・もしかしたら微地形などの細かい条件で「刈る周期」が決まっていて

 それに従えば、遷移とか他の植物が入り込むのに強い条件が揃っていたのかなぁ

 と思うのと、同時に、

・今の帰化種の生育周期や、周辺からの在来の種子飛散の状況、動物(鳴く虫とか)

 移動可能な状況 は随分変わってしまっているしなぁ

 と気がつきました。

 

 これは大変です。

 10年にいっぺんしか刈ってはいけないところ、なんていうのがあるとすれば今のうちに
近所のお爺さんを片っ端から捕まえてよくよく話を聞いておかなければ情報がなくなってしまいます。

 さらに、今刈っている場所が昔と草刈り条件が違うのかどうか を聞いておかなければ帰化種や
鳴く虫のモニタリングなんて、あんまり意味がなくなっちゃうじゃん…

と思いました。

 これはお正月も毎日、一升瓶をもってウロウロしなければならないのか…と思うと

楽しみだったり、大変だったり…。

 「草刈り」といっても難しいんですね。乙女高原メルマを見てて、急にそんなことを考えてしまいました。
乙女高原の場合は、「かつて」はどのように草刈りをしていたんですか?
 「かつて」をご存知の方はまだたくさんいらっしゃいますか?

 

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