□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第116号 2004.9.30. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【観察報告】 9月26日の乙女高原 NEW! 2.【意見交換】 川原のニセアカシアは悪者か?     3.【参加者募集】 第5回草刈りボランティア・・・11月23日(火・ 祝) ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@焼山林道の通行止めは10月22日まで。乙女高原へは杣口林道(杣口−柳平)を経由 して来てください。 ●A乙女高原ファンクラブのホームページでは,久しぶりに「ウエちゃんの自然観察 記」の新作がアップです。ひとつは,乙女高原で見られたいもむしやけむしたちのコ レクション「いもむし・けむしのファッションショー」。それにしても,よくもま あ,素顔があんなにカラフルなもんです↓。 http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0402/0402.htm  もうひとつは,イタドリにいた虫をはじからレポートしたもの。「イタドリにいた 虫図鑑」「イタドリの食み跡図鑑」ができないかなあと思っています↓。 http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0403/0403.htm いつもながら,お忙しい中,ぼくの原稿と写真をホームページに加工してくれてる小 林さんに感謝です。 ●B乙女高原ファンクラブの次回世話人会は,10月20日(水)午後7時半から, 牧丘町総合会館です(牧丘に文化ホール「花かげホール」や温泉「花かげの湯」があ るのですが,その坂を下ったところの建物)。ファンクラブ会員であれば,どなたで も参加できます。どうぞ,おいでください。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【観察報告】   ●9月26日の乙女高原● ●オーちゃんの蜜泥棒  9月は仕事がめいっぱい忙しかったので,久しぶりの乙女高原でした。  杣口林道の途中,アザミの仲間やセキヤノアキチョウジがきれいに咲いているとこ ろがあり,思わず車を止めてしまいました。しばらく見とれていたら,セキヤノアキ チョウジの細長い花にマルハナバチが来ていたので,車を降りて,じっくり観察しま した。オオマルハナバチでした。  彼女の行動を見てて,びっくり。確かにオーちゃんの体格ではセキヤノアキチョウ ジの筒型の花の中に入っていくことは物理的に不可能です。で,彼女はどうしたかと いうと,花の根元に近い部分に穴をあけて,そこから蜜を吸っていたのです。蜜泥棒 の現行犯。そんな現場を押さえることができました。 ●キシャヤスデ?  焼山峠近くで,路上にごみがちらかっていました。観光客が捨てたコンビニ袋を野 生動物が食い散らかしたのでしょう。車を降りて,証拠写真を撮りました。ふと,側 溝を見ると,たくさんのヤスデ。数えてみたら,側溝1メートルの範囲に10匹もい ました。  いつも目にしているものより大きくて,立派です。長さ4センチ,幅が5ミリあり ました。しかも,一節ごとに,こげ茶色のラインが入っていて,デザイン的にもイイ 感じです。 何年かに一度大発生して,山の中を走る汽車を止めてしまったというキシャヤスデ (汽車がヤスデを轢いてしまうので,ヤスデの油分が線路にこびりついてしまうらし い)ではないかと思うのですが・・・。ホームページに写真をアップしましたので, 見てみてください。 http://www.otomefc.net/album/imgbd.cgi ●秋の草原でマルハナバチ  マツムシソウ,ヤマラッキョウ,ノハラアザミ(この花は,花の時期が長いね え),アキノキリンソウ,オヤマボクチ,シラヤマギク,モリアザミなどが咲いてい ました。天気が悪かったせいか,リンドウは蕾を硬く閉じていました。  マルハナバチも少ないながらも観察できました(ラインセンサス調査で)。 ・ミヤママルハナバチ→ノハラアザミ,ヤマラッキョウ,モリアザミ,マツムシソウ (2),タムラソウ・・・計6頭 ・オオマルハナバチ→マツムシソウ(2),タムラソウ(2)・・・計4頭 ・トラマルハナバチ→マツムシソウ,オヤマボクチ・・・計2党  ちょっと気になったのが,「やけに大きくて黄色味の強いミヤママルハナバチ」や 「やけに大きいオオマルハナバチ」がいたこと。女王ではないかと思うのですが・・ ・。 ●どっちが好みですか?  びっくりしたのは,グリーンロッジの屋根のペンキが塗り替えられていたことで す。ペンキがだいぶはげていたので,ペンキの塗り替えについては異論がありませ ん。問題はその色です。  以前は非常に渋い茶色でした。この茶色は日本の「わびさび」の森にマッチしてい て,草原の頂上から見ても,ほとんど目立ちませんでした。  今度の屋根は真っ赤です。森の中で非常に目立ちます。  ぼくは,自然の中で青少年が活動の拠点とするところなので,自然にマッチしてい た以前の色のほうがいいと感じますが,皆さんはどうですか? 乙女高原に来て,グ リーンロッジの屋根の色を見た方は,ぜひ,ご感想をお寄せください。 -------------------------------------------      2.【意見交換】 ●川原のニセアカシアは悪者か?●  メルマガ前号で「川原のニセアカシア林に関する生態学的な研究等がありました ら,ぜひ,教えてください。また,川原のニセアカシアを切ることについての,皆さ んのご意見を広く募集したいと思います」と呼びかけたところ,さっそく,たくさん の意見が寄せられました。ご紹介します。 ●川原になぜニセアカシアが増えたのか?・・・牧丘のKさん  ニセアカシヤは根が横に広がり、土壌を選ばない強い繁茂力(この表現でいいのか な)をもっています。初期の段階は特に比較的早く成長します。他にもいくつか特徴 があるのですが、、、、  この特徴を生かして、公共事業などで法面(特に山間部の治山事業や道路法面に植 生材として利用されてきました(現在は不明)。焼山林道沿いの斜面(原生林以外) にも多く見受けられますよ。道路などの法面材には様々な特性を持った植物を種子と して吹き付けるのが一般的です。根が広く張るもの、深くはるもの、成長が早いも の、成長が遅くても寿命が長いもの、気候にあったものです。牧草(ウイーピンググ ラスやケンタッキーグラス)が一般的なのですが、山地の治山事業などは樹木も種子 として吹き付けます。  川原に繁茂しているものはこれらの種子や木が流され下流の土砂にたどり着き、生 育したものではないでしょうか? 植原君が言っているのは、中道町の河川敷の問題 ではないかと思います(他にも類した問題がありますが) 外来種の繁茂の原因はこうしたものに原因があるのではないでしょうか? ●治水という視点から切りたいのでは?・・・三富のYさん  たぶん切れという意見の多くは災害を考えているのではないかと思います。 河道に木があると災害時流されて橋にかかったり、流路を妨害したりして被害を大き くすると考えているのではないかと思います。  外来種だからとか生態系がどうなっていると言うよりそんな意見が有るような気が しますよ。今までの河川行政の方向性から見ればできるだけまっすぐ水が流れるよう にしてきています。だから河道の中の障害物はできるだけ除きたいと考えていると思 います。 (ウエハラより)確かに国土交通省の皆さんの本音としてはYさんの言うとおりだと 思います。しかし,河川法が改正されて,河川管理の原則に「治水」「利水」に「河 川環境(の整備と保全)」という項目が加わった以上,国交省としても,簡単に「邪 魔だから切れ」と言えなくなっている状況があります。だからこそ,ぼくらのように 「自然観察からはじまる自然保護」を標榜している人間にとっては,すごいチャンス だと思っています。 ●ニセアカシアは「世界100大危険外来種」のひとつ・・・埼玉のTさん  先日県内の自然観察会でニセアカシアの説明を受けたばかりなので、「切ってしま え!」の大合唱の記事興味をもって読みました。彼の木の根っこからは毒性のあるも のを出し、けしからん植物だそうです。観察会で見たコイ、ホテイソウとともに「世 界100大危険外来種」のひとつだそうです。  以前,蓼科山北麓で養蜂業の取材をした時、ニセアカシアは大切な木であったのを 思い出します(減反などでレンゲ畑が激減。他の蜜源が必要…)。外国ではどうなん でしょう?白い花に虫達が飛んでくるのを見ると幸せな気分になっていたのです が…。  小生も関心を持ったところなので、少し自分の目で見て行きます。 ●伐採すべき・・・東京のNさん  河原の外来種については、深刻な問題になっています。私は、ニセアカシアを伐採 すべきだと考えています。  もともと日本の河川生態系に存在しなかった種です。長期的に、河川特有の生物相 に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、河川の樹林化は、ダム等の影響によ り河床の固定、陸地化が進み、全国の川で見られている重大な問題です。このため に、河原特有の植物が駆逐されていくことが懸念されています。  樹林化すれば確かにある程度鳥が集まってきて,それを利用する生物も出てきま す。特に鳥類は新しい環境にすぐ順応し、適したすみかをどんどん利用する適応力が あります。しかし、洪水など常に攪乱のある筈の河川の生態系にはもともと森のよう な鬱蒼とした樹林は成立しません。本来の河川生態系が失われていることを問題視し なければなりません。  また、ニセアカシアは、ご存じかもしれませんが、アレロパシーと言って,他の植 物や生物を排除する化学物質を出して、他種の植物が侵入できなくして、単一の群落 を作る性質があります。オオブタクサなどの外来種にはこのような性質を持つものが 結構あります。  また、ニセアカシアの林には、ミツバチこそたくさん来ますがほかの昆虫相は非常 に貧弱です。日本の風土で長い時間をかけて共進化してきた在来の植物と昆虫との関 係が、すぐにニセアカシアについてもできあがるとは思えません。  鳥が利用しているからニセアカシアを伐らないで、というのは、野鳥の会の方々が よくおっしゃることですが、限られた種の鳥にとって一時的にいい住処になっていて も、河川の他の生物群集を含めた生態系全体のことを考えると、決していいことだと は考えられません。東京の多摩川でもそのあたりの論議があります。  本来の河川の樹種はヤナギ類であり、洪水のような攪乱のサイクルと合った生活史 を持っています。最近どの川に行ってもヤナギではなく、ハリエンジュが猛威を振 るっており、日本古来の河川の風景が消えつつあるのが残念に思えてなりません。  河原が樹林化すると、河川特有の河原やヨシ原が少なくなり、河原に営巣するイカ ルチドリなどやヨシ原のオオヨシキリ、セッカなどの住処が減少してしまうことにな るのです。そもそも上流にダムができて、かつてのような川特有の洪水が無くなって いる現在、樹林化するのをくい止めることは非常に困難ではありますが。  保全生態学などの専門家は、このような河川の陸地化・樹林化と外来種の 問題の重大さについて指摘しており、最近は国もそれをよく認識するようになりまし た。 (ウエハラより)確かに日本の川らしさが失われるのは望ましい事態でありません が,ニセアカシアが猛威を振るっているというは「結果」であって,「原因」ではあ りません。川はもともと何年かに一度氾濫するものなのに,そんな災害を押さえ込め ば込むほど,川は川らしさを失い,ニセカアシアをはじめ,外来種が多くなります。 このジレンマをどうするのか? つまりは,河川の管理目的や管理計画をどうするの か?という,たいへん根深い問題であると思います。 -------------------------------------------    3.【参加者募集】 ●第5回 草刈りボランティア●   乙女高原の草刈りは,「ふもと集落の人たちによるなりわいとして(刈り取って牛 馬の冬の飼料にまぜたり,燃やして灰にして畑の肥料にしたり)」から,「戦後,ス キー場として利用するため」へと変わり,そして,「乙女高原の草原そのものを次の 世代に引き継ぐために,ボランティアで」という形に再度変わりました。今年はボラ ンティアによる草刈りの第5回目です。 ○日時・・・11月23日(火・祝)少雨結構 午前9時半から午後2時       集合は乙女高原グリーンロッジ   ○主催・・・乙女高原ファンクラブ,牧丘町,山梨県 ○持ち物・・・弁当,飲み物,軍手,雨具,帽子 ・乙女高原は標高1700メートル。日が差さないとすごく寒いです。 ・「かま」「エンジン付刈り払い器」「なた」など,道具を持っている方は持ってき てください。草を運び出すために一輪車(俗名「ねこ」)を持ってきてくださる方は ありませんか? ○参加費 どなたでも一人100円(保険料 ほか) ○仕事内容 ・遊歩道のロープ回収・整理 ・草の刈り取り・持ち出し ・湿地のごみ揚げ ・ブナ爺さんを守る!キッズ・ボランティア(子ども向けプログラム) ・豚汁作り  などなど ○問い合わせ・申し込み先 ・・・このメールに返信でもいいですが,正式には・・・ 牧丘町地域活性課「乙女高原の草刈りイベント係」  でんわ0553−35−3111(代表)  ファックス0553−35−3733  メール kanko@town.makioka.yamanashi.jp -------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682 ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ xxxxxx@kougen.otomefc.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,423人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。  なお,ウイルスが心配ですので週に最低1回はウイルスソフトのアップデートを 行っています。 以上。