□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第122号 2004.12.19. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【全文掲載】グリーンロッジの屋根の色に関する要望書 NEW! 2.【観察報告】12月19日の乙女高原・・・動物たちの気配     3.【参加者募集】 第4回乙女高原フォーラム・・・2005年1月30日(日)     4.【告知開始】 第3期乙女高原案内人養成講座・・・2005年 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@12月11日に行われた2004年度の乙女高原案内人意見交換会ならびに交流会,今年 も盛り上がりました。この話し合いに参加するためだけにわざわざ東京から来てくだ さった方が3人。もうほんとにありがたいです。会場は築100年以上になる県指定の名 勝「夢遊苑」の民宿。庭園がとっても綺麗なんですよ。泊まった建物は離れなのです が,移築・改築されたお蔵で,2階は天井がなく,「はり」や「屋根裏」が見えま す。その「はり」の太いこと太いこと。 ●A12月の世話人会で,「まっ赤っ赤になってしまった乙女高原グリーンロッジの屋 根」に対する町と町教育委員会への要望書がまとまりました。文書にはカラーの写真 を添付しますが,本文とその理由書の文章だけをメルマガに載せました。ご意見等が ある方,ぜひ,お寄せください。12月27日に町長と教育長に渡す予定です。→「1」 ●B次回世話人会は2005年1月19日(水),午後7時半から,牧丘町総合会館です(牧 丘に文化ホール「花かげホール」や温泉「花かげの湯」があるのですが,その坂を 下ったところの建物)。乙女高原フォーラムや来年度の活動計画についての話し合い をします。ぜひ,おいでください。 ●C第4回乙女高原フォーラムは2005年1月30日(日)です。テーマはマルハナバチ。 乙女高原案内人の皆さんがマルハナバチの紹介してしてくださったり,乙女高原大好 き少女のかなちゃん(小6)が作文を読んでくれたり,若き女性生態学者・国武さん が講演してくれたり・・・と,盛りだくさんです。ぜひ,おいでください・・・とい うのはもちろんですが,できればスタッフとして,もっと身近にフォーラムやフォー ラムの出演者・仕掛け人の皆さんを感じてみませんか? ●D来年4月25日まで乙女への林道は冬季閉鎖です。そま口林道は柳平集落への生活 道路でもあるので,柳平までは車で行くことはできます。焼山林道は塩平以北は通れ ません。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【全文掲載】   ●グリーンロッジの屋根の色に関する要望書●・・・12月27日提出予定 牧 丘 町 長 広瀬義一様 牧丘町教育委員会教育長 荻原昌郎様  乙女高原ファンクラブ代表世話人 古屋 利雄  ■乙女高原グリーンロッジについての要望書  平素より,「乙女高原の自然を守り,次の世代に確実に譲り渡そう」という私たち の活動にご支援ご協力いただきまして,ありがとうございます。  さて,ご存知のように,乙女高原は秩父多摩甲斐国立公園に隣接し,また,県の自 然環境保全地区(自然活用地区)に指定されております。このような場所に建てられ る施設は,当然,周囲の自然環境への配慮が求められます。  乙女高原グリーンロッジは「青少年のための野外活動施設」として建設されまし た。直線的ではなく,まわりの森になじむデザインといい,周囲の森よりも低く設計 された屋根の高さといい,木という暖かみのある材質といい,周囲の環境に溶け込む ような壁や屋根の色合いといい,乙女高原の豊かな自然に調和する,非常に優れた建 築物であると評価しておりました。  ところが,今年の秋,グリーンロッジの屋根が明るい赤に塗り替えられてしまい, 私たちは非常に驚き,また,残念に思っています。せっかくまわりの自然に調和した 建物でしたのに,まわりの景観から浮き立ち,違和感のある建物になってしまいまし た。  そこで,グリーンロッジの屋根の色について,乙女高原ファンクラブから町と教育 委員会に要望書を出すことになりました。貴職におかれましては,私たちの要望をぜ ひ,前向きに検討していただけるようお願いします。 ●1.乙女高原グリーンロッジの屋根の色を,まわりの自然環境に調和していた元の 色(焦茶系)にしてください。 ●2.早急の塗り直しが無理であるならば,できるだけ早く元の色に塗り直すよう, ご努力をお願いします。 ●3.乙女高原でなんらかの事業を行う際には,ぜひ,乙女高原を利用している市民 の声を聞いてから行ってください。  ■理由書 ●1.グリーンロッジがまわりの自然に溶け込む優れた施設であったことは,以前の 写真を見ていただければ,一目瞭然です。右の@からCの4枚の写真は,在りし日の グリーンロッジの春夏秋冬のたたずまいを撮ったものです。不思議なことに,季節に よって周囲の山や森,草原の色は変わっているのに,グリーンロッジのこげ茶色は, そのどれとも溶け合い,あまり目立っていません。みごとにまわりの景観とマッチし ています。Dをご覧いただければ,まっ白な雪景色の中でさえ,景観と調和している ことがわかります。  このように,乙女高原グリーンロッジは自然に溶け込んだ優れた建築物であったの に,この秋のペンキ塗り替えで,屋根が派手な赤になってしまいました(次ページの 写真E)。  確かにファンクラブの中でも,「この赤は霧の中で一番目立つ色であり,山小屋が この色で塗られていれば,遭難者を救うことにもなりうる」という意見もありまし た。しかし,要望書の中でも触れたように,乙女高原グリーンロッジは山小屋ではな く青少年のための野外活動施設です。教育施設です。であれば,なおさら周囲の自然 に調和する配慮が必要だと考えます。  なお,参考までに,乙女高原に隣接している秩父多摩甲斐国立公園の「管理計画」 を読んでみますと「1工作物 (1)建築物 Bデザイン,色彩および材料」の「屋 根」の項に「形状は切妻,寄棟,入母屋,方形等の勾配屋根とし,勾配を10分の2以 上とする。色彩は,茶色系,焦茶色系,暗灰色系または黒色とする。ただし,自然材 料(銅板を含む)を使用する場合は,素材色も可とする」(下線:ファンクラブ)と ありました。さらに調べてみると,多くの国立公園の管理計画で,建築物の屋根の色 は茶色系または焦茶色系を指定していることがわかりました。国としても,豊かな自 然の景観になじむ建物の屋根の色は茶色系または焦茶色系であると考えているという ことです。  また,次ページFの写真にもありますように,グリーンロッジのすぐ前の電柱は, 景観に配慮して茶色に塗られています。電柱でさえ,このような色彩への配慮をして いる地域で,こんな派手な色の屋根はそぐわないと思います。 ●2.地方自治における大きな課題の一つとして住民参加があります。地方自治の主 人公として一般市民が,まちづくりや問題解決に,行政とともにかかわっていくこと です。そのためには,市民の側に,自分の要求を実現させようとするだけでなく,利 害等の調整能力や事務処理能力が求められます。また,行政には,何か事業等を行う 場合の情報公開や市民の声を吸い上げるしくみ(たとえばパブリック・コメント)が 求められます。   乙女高原で事業を行う場合については,乙女高原を頻繁に利用している団体等に 事前に情報提供し,その意見を聞く機会を作っていただきたいと思います。   今回のケースも,事前にそのような機会があれば,お互いの意見を出し合い,調 整することができたのではないかと思います。            以 上。 -------------------------------------------    2.【観察報告】 ●12月19日の乙女高原● ●自動カメラ  いよいよ乙女高原に通じる林道の冬季閉鎖期間となりました。乙女高原は静かな冬 を迎えています。例年だと日陰に雪が残っているのですが,それもなく,おだやかな 冬です。  今日,12月19日,1週間前にセットした「自動カメラ(赤外線センサーによって動 物の発する熱を感知し,自動的にシャッターが降りる・・・という文明の利器)」を回 収してきました。フィルムは全部使われていました。どんな写真が撮れたのか楽しみ です。  ぼくが何を狙っていたかというと草原に住むハタネズミです。草刈りの一週間前, 下見をしたのですが,そのとき,草原の中にハタネズミの巣穴をたくさん見ました。 中から掘り出したと見られる土がこんもり盛り上がっていたり,その中に糞が見られ たりしました。メインのゲレンデは草刈りされてしまいましたが,草刈りしてないス スキ草原に新しい巣穴を見つけたので,先週,その前にカメラをセットしたのです。  今日,見たら,黒々とした新しい土が掘り出されていました。ここにハタネズミの 住人がいるのは間違いないでしょう。ただ,この小さな生き物にカメラがうまく反応 してくれたかどうか・・・。 ●動物たちが残したメッセージ  「ロード・オブ・ザ・リング(2作目)」という映画の中に,「ここに二人とも寝て いた。這って進んでいった。ここで,縛られていたロープをほどき,・・・,ここで 馬に襲われたが逃げ回り,・・・向こうの森に逃げ込んだ」と,地面に残された痕跡 から,敵の捕虜になっていた二人の子どもの昨夜の行動を,騎士が「読み取ってい く」シーンがあります。自然の中には動物たちのいろいろな痕跡が見られます。いっ てみれば,これらは動物が残してくれたメッセージ。映画の騎士のように読み取っ て,メッセージを解読したいものです。  ハタネズミの巣穴を探しながら草原をうろうろ歩いていると,シカの糞が落ちてい るのを見つけました。ポロポロしている,黒々としたうんちです。うんちが落ちてい たところにしゃがんで,ゴルフで芝生のラインを読むように地面をじっと見ている と,なんとなく草原の中にラインが見えてきます。それが「シカ道」。シカ道を追跡 して歩いてみました。途中でまたシカの糞が見つかると,「あ,自分の読みは当たっ ていたんだ」とうれしくなります。  シカ道は裏の森に続いていました。ぼくは追跡を続けました。また,糞がありまし た。でも,今度のはとても小さくて,かわいい糞です。今年生まれの子どもでしょう か。  さらに追跡を続けると,ウラジロモミに大きな斧で切りつけたようなあとが見られ ました。幹に付けられた傷は深さが1センチくらい。途中で枝分かれしています。オ スジカが角でつけた傷でしょうか。  シカ道は,谷を横断してみました。その通りに行ってみると,そこだけ地面が黒々 しています。狭いけど,ここから水が湧き,湿地になっています。そして,シカが一 頭だけ座る分ぐらいがへこんでいて,まさに湯船のようでした。まわりを注意深く探 しましたが,足跡は一箇所しか見つけられませんでした。ここで泥浴びをしたのがシ カかどうかは確信が持てませんでした。  ふと,顔を上げ,谷の上の方を見てみると,幹がやけに白い木が数本。地面から地 上1メートル半くらいにわたって皮がはがされています。数えてみると8本。すべてが マユミでした。皮をはがされたところをよく見ると,模様が見えます。歯の跡でしょ うか。シカ道がちょうど通っているところなので,シカに剥がされたに違いありませ ん。  ためしにぼくも白い部分をかじってみました。噛み始めは「割り箸を噛んだときの 味」しかしませんでしたが,そのうち,苦味を感じるようになりました。もしかした ら,シカたちは「食べ物」というより「薬」としてマユミの幹をかじっているかもし れないなと思いました。 ●道路の糞  帰りは林道を歩いたのですが,おもしろかったのは,ところどころで糞が見つかる ことです。必ず道路のはしっこ。50メートルくらいの間で3こも見つかることもあり ました。大きさとしては中型犬のものくらいのと,もっと小さいのと2種類ありそう な気がします。大きめのものは,たぶんキツネだと思います。  一つ一つの糞に個性があります。まず色。茶色っぽいのやら黒っぽいのやらがあり ます。食べたもので糞の色が違うんでしょうね。黒っぽいのが多かったです。中に種 が見えるものもありました。中には,ぼくが知ってる種もありました。ブドウとサル ナシです。でも・・・ブドウとはいえ,ヤマブドウにしては大きいんだよね。ブドウ の皮が入っていたのもあるけど,それもヤマブドウにしては大きかった。もっと里で 見つけたなら,間違いなく「これは巨峰だ」と思うんだけど・・・と思いました。  途中から雲行きがあやしくなり,寒くなってきました。見られた鳥はホオジロ,ベ ニマシコのメス,ハシブトガラス,ヒヨドリです。ホオジロとヒヨドリはペアでいま した。日陰には大きな霜柱が見られました。大きいといっても,まだ5センチほどで す。  冬も乙女は,とってもいいです。 -------------------------------------------    3.【参加者募集】 ●第4回 乙女高原フォーラム● ―マルハナバチって知ってる?―  マルハナバチはずんぐりむっくりで毛むくじゃら。まるで「空飛ぶクマのぷーさ ん」です。  乙女高原にきれいなお花がいっぱい咲くヒミツはマルハナバチ。マルハナバチとま るで花粉と蜜の契約をしているように見えるお花がたくさんあります。  マルハナバチは乙女高原にいっぱいいるし,しかも,めったなことでは刺さないの で観察するにも最適。そこで,乙女高原ファンクラブではマルハナバチ・ストーカー 調査やマルハナバチ待ち伏せ調査,ラインセンサス調査などを行っています。  今回のフォーラムでは乙女高原をフィールドにマルハナバチとオオバギボウシとい う花の関係を調査・研究している若き生態学者・国武さんのお話を中心に,マルハナ バチの魅力に迫ります。第4回乙女高原フォーラム スペシャルゲスト:国武陽子さん(東京大学大学院生物多様性科学研究室) ●日時 2005年1月30日(日) 午後1:30から午後3:30までの予定 ●会場 牧丘町総合会館大ホール  牧丘町窪平(電話0553-35-3612) ●主催 牧丘町・山梨県 乙女高原ファンクラブ ●参加費 無 料 ●問い合わせ・申し込みは・・・  ・乙女高原ファンクラブ事務局 植原 彰(ウエハラ アキラ)  ファックス 0553-35-3682  電子メール xxxxxx@kougen.otomefc.net ・牧丘町地域活性課乙女高原係 電話 0553-35-3111  ファックス 0553-35-3733  電子メール kanko@.makioka.yamanashi.jp ・・・このメールに返信でもいいです・・・ -------------------------------------------    4.【告知開始】 ※まだ受講者の募集はしていません。でも,資料や要項請求の受け付けはしていま す。 ※2005年度の案内人養成講座は「3年計画の3年目」。2005年以降の養成講座の計画 はありません。乙女高原案内人養成の最後の機会であるこの講座をぜひ,お見逃しな く! ●第3期乙女高原案内人養成講座●       ■開 催 の 趣 旨  乙女高原ファンクラブは「乙女高原の自然と,人と自然との関わりを育む」ことを目 的に自然観察会,草刈りボランティア,マルハナバチ調べ隊,乙女高原フォーラムな ど様々な活動を展開しています。その一環として乙女高原案内人を養成し,2004年11 月現在,50名もの方が案内人として登録し,活動しています。  案内人は,乙女高原等でインタープリテーション(※)活動を行い,人びとが乙女高 原の自然や地域の文化に親しみ,学ぶきっかけを与えたり,その手助けをします。そ して,乙女高原を守ろうという乙女高原ファンの底辺を広げ,保全活動の発展をめざ します。  案内人を目指す方に,乙女高原についての知識や自然解説の技能,自然保護の哲学 を身につけていただくために,養成講座を開催します。 ※インタープリテーションとは「自然の発するメッセージやその地域地域の人と自然 との関わりによって育まれてきた歴史・文化遺産を,訪れた人に分かりやすく伝える ことを通して,地域の自然や文化を守る活動」のことです。そして,その担い手をイ ンタープリターと言います。     ■期 日 と 会 場 (予定) 第1回 2005年4月17日(日) 牧丘町総合会館     牧丘町窪平 第2回 2005年5月22日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原) 第3回 2005年6月5日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原) ※3回とも雨天決行。原則として3回すべてを受講すれば修了です。  問い合わせ・資料や募集要項のご請求は・・・  乙女高原ファンクラブ事務局 植原 彰(ウエハラ アキラ)方 ファックス 0553-35-3682  電子メール xxxxxx@kougen.otomefc.net -------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682 ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  uehara@kougen.otomefc.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,435人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は希 望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら,ア ドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の 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