□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第132号 2005.3.21. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】座談会・・・3月13日     2.【受講者募集】第3期乙女高原案内人養成講座 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@いよいよ明日は市町村合併で牧丘町がなくなる日。このメールマガジンに「乙女 高原のある町・牧丘町在住」と書けるのも,今号が最後となります。 ●A「メルマ129」で紹介した「ウサギの赤ション」の画像をアップしました。ご らんください。 http://www.otomefc.net/album/img-box/img20050220221235.jpg  ●B次回世話人会は4月6日(水),午後7時半から,牧丘町総合会館2階の会議室で 行います。どなたでも参加できます。ぜひ,のぞいてみてください。 ●C4月25日まで乙女への林道は冬季閉鎖です。そま口林道は柳平集落への生活道路 でもあるので,柳平までは車で行くことはできます。  焼山林道ももちろん通れません。しかも,焼山林道は冬季閉鎖が解除になったら, すぐに工事が始まるので,結局のところ,当分の間は通行不能なんだそうです。 ●D乙女高原案内人養成講座の申込者が急増しました。空席はあと少しだけです。申 し込みたいなあと思っている方,お早めにどうぞ。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【活動報告】・・・座談会    ●古明地登吉さんによる「牧丘の地域遺産」・・・3月13日●  毎年,総会のあと行われる座談会では,初めに,どなたかにお話をお願いするのが 恒例になっています。今回は牧丘の道の駅の隣に建てられた「牧丘郷土文化館」の館 長・古明地さんから,牧丘の地域遺産についての話をお聞きしました。古明地はとに かく物知りだし,短時間で話したいことか゛いっぱいあるので,どうしても話が多岐 に渡り,滝のような話になってしまいました。いくつかを箇条書きにして,報告とし ます。 ・私は「在華」という集落に住んでいる。今から800年くらい前,安田義定という 武将がいて,私の住まいの近くに小田野山という山があり,当時,そこには小田野城 という城があり,その武将の「在家」(領主の土地の耕作をする農民)だったのでは ないかと言われている。 ・小田野城の跡として,山の裏側に今でも「きりどおし」が残っている。てっぺんに は,井戸の跡と思われるものも残っている。 ・乙女高原のスキー場ができたのは昭和25年(1950年),「乙女高原」という名まえ がちゃんとついたのは昭和27年(1952年)。そのころからスキーをしている。 ・乙女高原では薬草も取れる。特にチョウセンゴミシ(モクレン科。落葉木質のつ る)が有名。赤い粒がなる。 ・乙女高原で,とくに大切にしてほしいなあと思っているのがヤエガワカンバ。シラ カバは残してもらえるが,ヤエガワカンバがあれだけまとまってあるところは珍しい のではないか。 ・天然記念物級だと思うが,乙女のちょっと下に採石場があり,石臼に最適な石が取 れる。渡辺さんで3年に一度くらい石を取って,石臼を作っている。 ・山信仰が昔は盛んだった。昨年,町の教育委員会で金桜神社の奥の院の発掘を行っ た。50以上の棟が建っていたといわれている。信長に焼かれてしまったという伝説 があったが,試掘したところ,焼けた跡はなかった。江戸時代くらいまで残っていた のではないか。勝沼の大善寺の近くから経筒(きょうづつ:お経を入れておいた筒) が発掘されているが,それは奥の院で写経されたのではないかと言われている。奥の 院跡から経筒が見つかれば国宝級だろう。 ・さらに林道を進むと,サワラ(ヒノキの仲間の木)の天然林がある。山梨県にはサ ワラの天然林はここにしかない。石だらけのあの山にサワラが育っているのも珍しい と思う。そこに小さな小川が流れているが,そこを少し歩くと,なんか恐竜でも出て きそうな感じのところがある。 ・柳平のお宮のちょっと上に,人工的に石が崩されているところがある。そこは武田 信玄の金山と言われている。 ・柳平は開拓集落で,入植当時は非常に苦労していた。当時,寒かったし,思うよう に生活できなかった。山菜を作ったり,肉牛を飼ったりしたが,結局,乳牛の畜産業 に落ち着いた。当時は道路事情が悪く,私も役場に入る前は農業共済組合に勤めてい て,獣医さんのかばん持ちをして,いっしょに柳平に行ったことがある。焼山しか道 がなくて,せっせと歩いていった。 ・そんなところだから,十分なえさが確保できない。それで,春,新しい草が出てく ると,牛が腹いっぱい食べてしまう。そうなると,牛の腹が張ってしまう。そのまま 放っておけば死んでしまうので,獣医の先生が「竹を斜めに切って,胃に向かって刺 しなさい。そうして,ガス抜きをしなさい。その間に私が登っていくから大丈夫。そ れから,コールタールを牛の鼻先につけなさい。そうすれば,ゲップが出て,やはり ガス抜きになる」とアドバイスした。今,見ればのどかな風景が広がっているが,そ れは苦労の結果である。 ・柳平は日本でもっとも高い開拓集落である。標高1600メートル。 ・柳平の上に行くと,千貫岩があり,県の天然記念物に指定されている。 ・さらに上ると,六本楢がある。そこを左に曲がると乙女鉱山がある。ここは明治8 年に世界に紹介されている。紹介したのはドイツ人のドクトル・ライン。ラインさん が見つけたので,当時,ライン鉱と呼ばれた。乙女鉱山と呼ばれるようになったのは 昭和になってから。江戸時代に水晶の試掘が行われているが,水晶を掘って,かます に入れて,江戸に運んだという記録が残っている。ライン鉱(乙女高山)に川が流れ ている。荒川。荒川を下ると昇仙峡。昇仙峡は水晶で有名だがルーツは牧丘にあるわ けだ。ここの水晶は量的にも質的にも日本一だろうといわれている。 ・なぜドイツ人が明治8年にこんなところに来て鉱山を見つけたかということだが, これは個人的な推測だが,六本楢周辺の天然カラマツを見ようと思ってきたのではな いか。学術的に非常に有名な天然カラマツ林はドイツにあるそうだが,そこに匹敵す る天然カラマツが六本楢にあるとにらんできたのではないかと思う。荒川沿いに上っ てくると,川原にケイ石がいっぱいあるので,気づいたのではないか。 ・倉沢山には倉沢鉱山があり,塩化鉄やタングステンをとった。とくにタングステン は第2次世界大戦中に掘られている。倉沢鉱山と乙女鉱山を合わせて鳳(ほう)鉱山 と呼んでいる。 ・六本楢から右に行くと,シラベ平があり,その途中に今でも少し天然カラマツが 残っている。黙っていても1本100万円はする。 ・剣ガ峰鉱山というのもあったが,事故があり閉鎖された。ここもケイ石を掘ってい る。牧丘には鉱山が3つもあった。 ・地下資源として,温泉(鉱泉)もたくさんある。pH2.1という強酸性の鉱泉が 金峰泉。今は使われていないが,塩平にpH7.3という中性の鉱泉がある。さら に,pH10.0という強アルカリの温泉が鼓川温泉。こんなに狭い場所に,いろん なタイプの温泉があるというのは珍しい。 ・牧丘に養蚕を普及させたのは柳沢吉保(よしやす)だが,明治になって,藤村県令 が賞金まで出して奨励した。その当時,そま口の山の中に,風穴があった。人工的に 作られたもので,会議室くらいの部屋が2つあって,屋根は木造。壁の石垣は残って いる。ここでかいこの種(卵)を眠らせた。 ・山信仰の町なので,石仏が多い。 ・道祖神の祭りなどもおもしろい。山の自然もいいが,風俗もおもしろい。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【受講者募集】   ●第3期乙女高原案内人養成講座● 詳しい内容と申し込みのフォーマットは乙女高原メールマガジンの128号に載って います。ご利用ください。 ■養成講座の概要 ・開催期日と会場 計3回。雨天決行   @4月17日(日)牧丘町総合会館,   A5月22日(日),B6月5日(日) 乙女高原グリーンロッジ ・受講対象者 満18歳以上。30名。先着順  (詳しい規定は要項をお読みください) ・費用 受講費1,000円,登録料2,000円。   計3,000円 ・講師 今井信五さん(日本自然保護協会参与・しろうま自然の会事務局長),      北垣憲仁さん(都留文科大学非常勤講師),      時田 恵さん(身延高校教諭・南アルプスクラブ代表),      小松澤靖さん(森林インストラクター) ほか ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  uehara@kougen.otomefc.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,421人にBCCでお送りしています。  「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。  なお,ウイルスが心配ですので週に最低1回はウイルスソフトのアップデートを 行っています。 以上。