□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第133号 2005.3.30. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】座談会・・・3月13日(続き) NEW! 2.【観察報告】3月21日の乙女高原     2.【受講者募集】第3期乙女高原案内人養成講座 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@年度末です。異動等にともないメールアドレスが換わる方,新メールアドレスを お知らせください。そちらのほうに配信できるよう手配します。 ●A次回世話人会は4月6日(水),午後7時半から,山梨市牧丘町総合会館(名称が 変わっただけです)2階の会議室で行います。どなたでも参加できます。ぜひ,のぞ いてみてください。 ●B4月25日まで乙女への林道は冬季閉鎖です。そま口林道は柳平集落への生活道路 でもあるので,柳平までは車で行くことはできます。  焼山林道ももちろん通れません。しかも,焼山林道は冬季閉鎖が解除になったら, すぐに工事が始まるので,結局のところ,当分の間は通行不能なんだそうです。 ●C乙女高原案内人養成講座の申込者が急増しました。空席はあと少しだけです。申 し込みたいなあと思っている方,お早めにどうぞ。 ●D乙女高原案内人養成講座のスタッフ(お手伝い)をしていただける方,ぜひ立候 補してください。4月17日(日)とその前日準備16日(土),5月22日(日),6月5日 (日)の4日間ですが,このうちの1日だけでも結構です。講師のお話を受講生に混 じって聞けるという特典つきです。 ●Eロープを張ったりする遊歩道作りですが,新山梨市と相談した結果,予定通り5 月8日(日)に行うことになりました。今から予定に入れておいてください。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【活動報告】・・・座談会・・・前号の続き    ●古明地登吉さんによる「牧丘の地域遺産」・・・3月13日● ・小田野城に向かって,山梨市から野背坂という峠を越えてくる道がある。そこがメ インの道だったとすると,城古寺は一番果てにある城,つまり,出城だったというこ とだ。 ・その城下の曲田からは,発掘によってたくさんの瓦の破片が出てきているので,出 城であったことは間違いないだろう。 ・放光寺裏のがけっぷちは,武将がそこで鎧を捨てたことから,鎧淵という名前がつ いている。 ・牧丘には3つ城があった。小田野城,琵琶城,そして城古寺(中牧城)である。城 の形態は城古寺(中牧城)が一番よく残っている。ただ,西側の内堀は行政によって ふさがれてしまった。 ・天然記念物はカモシカ,ヤマネ(乙女高原のロッジでも見られる)がいる。珍しい ものとして,ヤマセミがいる。土手に巣を作るので,巣が作れるような土手がなく なっている。最近は見ていない。郷土資料館にはオオムラサキが飛んできた。牧丘第 一小学校に大きなエノキがあるので,そこから飛んできたのではないか。私の集落に も大きなエノキがあるし,古屋さんのお宅には大きなアラカシの木がある。 ・石臼用に使える石も天然記念物級。御影石も質のいいものだ。車道がないので, 残っている。また,3つのタイプの違った温泉(酸性・中性・アルカリ性)が,こん なに狭い地域に混在しているというのも世界的にも珍しい。     以上。  そのあと,会場から質問が出され,それに答えていただきました。古明地さん,あ りがとうございました。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【観察報告】    ●雪がまだ72センチ!・・・3月21日の乙女高原●  春分の日の振替休日に乙女高原へ登ってきました。乙女高原はまだまだ雪の中で す。林道も雪かきがしてあるところは通行できそうですが,してないところは深い 雪。日差しは暖かく感じますが,この日の午前中は風が強かったので,とても寒く感 じ,真冬と同じかっこうで自然観察をしてきました。  それでも真冬とは違い,雪がだいぶ締まっていたので,とても歩きやすかったで す。もちろんスノーシューのやっかいにはなりましたが。 ●モミの枝のおじぎ  高原一番北にある森のコースを登っていきました。ここにはウラジロモミの赤ちゃ んがたくさん生えているのですが,多くの赤ちゃんの下側の枝が下を向いていて,そ の先が雪に埋もれています。まるでおじぎをしているように見えます。  どうしてこんなことになるかわかりますか?  雪は降った直後はさらさらと柔らかいのですが,そのうち,上の雪の重さや,表面 が解けて再度凍ることからだんだん締まって(=体積が減って)きます。そうなる と,雪全体が沈んでくるので,雪の中に埋もれてしまったモミの枝がいっしょに下 がってしまうというわけです。  雪深い長野北部へ夏,旅行に行ったときのこと。森の中でおもしろいモミの木がた くさんあるのを見ました。上から木を見ると,途中までは枝が斜め上に向かっている のに,ある高さから下では,枝が下を向いているのです。「あの高さがこの地方の雪 の深さです」という地元の方の説明を聞いて「なるほど!」と思いました。 ●雪解け前線  ブナの森まで行きました。「ブナじい」の南斜面は,もう相当雪解けが進んでいま す。地面(落ち葉)が見えているところと白い雪の境界線がなだらかにカーブして, 入り組んでいます。その様子がまるで「等高線」や「桜前線」のようです。一人で勝 手に「これを雪解け前線と呼ぼう」と名づけちゃいました。  スノーシューを脱いで,雪解け前線後の地面を歩いてみました。見た目は落ち葉で すから柔らかそうですが,カチンコチンです。まさに氷の上を歩いている感じ。だか ら,地面より雪のほうが,ずっと歩きやすかったです。地面を掘ろうとしたけど, 凍っていて,掘れませんでした。「雪解け前線」が通過しても,春はまだまだです。 ●これがほんとのジくそーパズル  雪解け前線後の斜面で,イノシシの糞を見つけました。太さはフルイムケースほ ど。「もともと人と同じようなバナナ型の糞だったのに,輪切り状に亀裂が入ってい て,そこからポロッととれて,バラバラになった」 といった感じの糞のかたまりが 5個ほど,まとまってありました。まわりを探してみると,そこからコロコロと転 がってしまったらしいかたまりが,あと5個ありました。  「これらはもともとひとつのかたまりだったに違いない」 形や大きさ,はがれた 面の形状などから,「このかたまりと,このかたまりが,こんなふうにくっついてい たんじゃないか?」と推理を始めました。まるでジグソーパズルのようです。  「これぞ,まさしくジくそーパズルだ!」というオヤジ・ギャグを思いつき,一人 で笑ってしまいました。(分からない人のために,念のため・・・ジ糞ーパズルで す)  ひとつひとつのかたまりが,思ったよりずっと軽くてびっくりしました。軽いわり にはとてもしっかりしています。模型飛行機の翼のリブなどに使われるラワン材とい う材木がありますが,そんな感触でした。  糞をスケッチしたり,メモをとったりして,また歩き出しました。雪解けの進んだ 緩斜面では,イノシシが餌を探して地面を掘り返しただろう跡がたくさん見つかりま した。 ●いろんなシカ糞  シカの糞もたくさん見つかりました。「またシカの糞か」なんてバカにしないで, いちいちちゃんと観察すると,いろいろオモシロイことが見えてきます。 小さな小さな糞がかたまってありました。普通サイズの半分以下です。きっと子ジ カの糞でしょう。無事に冬が越せたんだなあと思いました。  普通,シカの糞は黒々していますが,材木の色をした糞が見つかりました。しか も,長さが普通サイズの2倍はありそうです。糞は食べ物の履歴です。いったい何を 食べたというのでしょう。 ●雪の深さは・・・  いろいろなものを観察しながら草原コースのてっぺんまで来ました。気温が上昇し てきたのか,雪が柔らかく感じるようになりました。できたてほやほやのふわふわカ キ氷といった感じです。  何箇所かで雪の深さを測ろうとストックを突き刺してきたのですが,雪が締まって いて,なかなか下までいきませんでしたが,いよいよ下までつきさせるようになりま した。  草原のど真中あたりで測ってみたところ,50−70センチ。一番深いところで7 2センチもの深さがありました。日当たりのいい,草原のド真中ですよ。 ●ハタネズミのトイレ  一面真っ白な草原ですが,一箇所だけ地面が見えているところがあります。前回, (たぶん)ハタネズミの巣を(たぶん)キツネが荒らしていた場所です。近づいてみ ると,ハタネズミらしいトンネルや地面がテラス状になっているところ,糞のかたま り(水分を吸収して,だいぶふやけていました)が見られました。それらの写真を 撮ったり,スケッチして歩き出したところ,おや?・・・  雪面に「ソフトボールをそのままめり込ませた」といった感じの穴があいていま す。深さは30センチ。下はきれいな球状です。そこに糞がかたまって置いてありま す。まさに「置いてある」って感じ。 「あ,ここはハタネズミのトイレだ」と直感しました。「でも,ネズミはどこからト イレに入るの? 入り口は?」  上から見ると,穴がポツンとあいているだけで,そのまわりには足跡ひとつついて いません。「えっ? 密室のトリック? どこからネズミがやっていて,用を足し て,どこへ消えたのか?」  この疑問はすぐに解けてしまいました。よーくみると,穴の底に横穴がついてい て,そこから行き来していたことがわかりました。  疑問は解けたものの,雪のトンネルを通って冷たい雪のトイレで用を足しているネ ズミ・・・そのとき,どんな顔で用を足しているのか,見てみたいものだと思いまし た。  それにしても,ネズミってきれい好きなんですね。居住空間とトイレを分けている なんて。しかも,雪だけに,天然水洗トイレです。  なお,トイレの様子はホームページにて画像をアップしています。 http://www.otomefc.net/album/img-box/img20050321222410.jpg ●湿地にて  湿地も一面雪。でも,水の流れは見えます。ヤマアカガエルのたまごも,ヒキガエ ルのたまごも見つかりませんでした。ここで大きな発見がありました。  歩いていたら,急に足元から鳥が飛び立ち,ちょっと先に降りました。 「かなり大きな鳥だなあ。ハトかシロハラぐらいの大きさだったなあ」と思いなが ら,鳥が降り立ったあたりまで進んだら,また,その鳥が飛び立ちました。  今度はかなり近かったので,鳥のシルエットがはっきり見えました。くちばしが細 長かく,体型はずんぐりしていて,尾は短くて,飛んだとき,扇子のように広げてい ました。そこに白い筋があるのが見えました。大きさはキジバトほどでしょうか。バ タバタと大きな羽音がしました。  シギの仲間に違いありません。乙女でシギなんて,初めて見ました。  これを読んでいる方,なにシギか推測できませんか? 「乙女にいたんなら,○○ シギではないか?」と推測できる方は,ぜひ,教えてください。  それにしても,乙女でシギなんて,なんとも不思議・・・なーんて2こめの親父 ギャグを思いつきながら,帰路につきました。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     3.【受講者募集】   ●第3期乙女高原案内人養成講座● 詳しい内容と申し込みのフォーマットは乙女高原メールマガジンの128号に載って います。ご利用ください。 ■養成講座の概要 ・開催期日と会場 計3回。雨天決行   @4月17日(日)牧丘町総合会館,   A5月22日(日),B6月5日(日) 乙女高原グリーンロッジ ・受講対象者 満18歳以上。30名。先着順  (詳しい規定は要項をお読みください) ・費用 受講費1,000円,登録料2,000円。   計3,000円 ・講師 今井信五さん(日本自然保護協会参与・しろうま自然の会事務局長),      北垣憲仁さん(都留文科大学非常勤講師),      時田 恵さん(身延高校教諭・南アルプスクラブ代表),      小松澤靖さん(森林インストラクター) ほか ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  uehara@kougen.otomefc.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,423人にBCCでお送りしています。  「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。  なお,ウイルスが心配ですので週に最低1回はウイルスソフトのアップデートを 行っています。 以上。