□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第139号 2005.5.24. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】乙女高原案内人養成講座2005 第二日目     2.【参加者募集】イタドリ刈り・・・6月11日     3.【参加者募集】マルハナバチ調べ隊2005 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@22日に「乙女高原案内人養成講座2005 第二日目」を,いよいよ乙女高原で行い ました。この講座の中で,またまた新しい乙女高原の魅力が見つかりました。なん と,乙女の森にモモンガが住んでいるのです!→1 ●A「乙女高原案内人養成講座2005」の次回(最終回)は6月5日(日)です。泣い ても笑っても,これが2005の最終回だけではなく,3年間の全講座のまさに最終回で す。スタッフをやりませんか? アルバイト代はもちろん交通費の支給もありません が,講師のお話を受講生に混じって聞けるという特典つきです。午前9:30,乙女高原 グリーンロッジ集合です。 ●B(再録)今年も猛威をふるうイタドリの個体数を管理するため,イタドリ刈りを 実施します。6月11日(土)午後3時から1時間の予定です。かまを持って,お集まり ください。→2 ●C(再録)次回世話人会は6月15日(水),午後7時半から,山梨市牧丘町総合会館 (文化ホールや花かげの湯の東下)2階の会議室。どなたでも参加できます。ぜひ, のぞいてみてください。 ●D林道の冬季閉鎖が解除になりました。とはいえ,焼山林道のほうは基本的に平日 の昼間は工事のため通行止めです。ご注意を(日曜日と祝日は通れます。土曜日は閉 鎖です)。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【活動報告】   ●乙女高原案内人養成講座2005 第二日目●・・・5月22日(日)  いよいよ乙女高原を会場に行われた第二日目。甲府盆地では夏日になることもある 季節なのに,標高1700メートルの乙女高原では,まだストーブが必要でした。  今回,ぼくがすごーく感動したことは,スタッフがなんと16人も集まったこと。第 1期,2期の案内人の有志の皆さんがボランティア・スタッフを買って出てくださいま した。この講座の1年目には,こんなスタッフはいませんでしたから,第二日目なん て,ぼくと町事務局の久保川さんの二人だけで運営した・・・なんてこともあったん ですよ。たった2年の違いですが,本当にすごい違いだなあと思いました。 ●講義:自然の保護(講師:植原)  今日の第1講目は「自然の保護」です。乙女高原案内人の活動は,「乙女高原の自然 を守る」という枠組みの中での活動です。ですから,活動する上で,「自然保護」に ついての基礎的な知識や考え方は必須条件です。  しかも,「自然保護」の概念や方法については,高校どころか大学でさえきちんと 教えられていません。したがって,どうしても自己流に解釈してしまうので,人によ る「ぶれ」が非常に大きくなってしまいます。同じ「自然保護」という言葉でも,人 によって,意味がまったく違ってしまうのです。自然保護について案内人の間で共通 理解が持てるようにすることも,この講義の目標です。  講義の中身は,大きく,「なぜ,自然保護なのか?」「自然の何を守るのか?」 「自然をどうやって守るのか?(方法)」「自然を守るときの手順は?」の4つ。 で,それぞれの答えの骨子は・・・ ・なぜ,自然保護なのか?・・・環境倫理(世代内倫理,世代間倫理,生物間倫理) ・自然の何を守るのか?・・・生態系,生物の多様性,人と自然との豊かなふれあ い。 ・自然をどうやって守るのか?(方法)・・・保存・保全・復元 ・自然を守るときの手順は?・・・エリア指定→現状分析→保全目標→保全戦略→保 全計画→実行→評価 ●実習1:乙女高原の動物(講師:北垣憲仁さん)  次はいよいよ自然の中での実習です。受講者を二つのグループに分け,少人数で体 験してもらいました。Aグループはまず,北垣さんの実習を体験です。  北垣さんの肩書きは都留文科大学講師。大学で動物のことを教えながら,都留市内 にいくつかの「フィールド」を持ち,「フィールド」に動物の観察小屋を手作りで建 て,動物の観察をしています。 まず森の中で,ミズナラの紹介をし,動物の痕跡探し。ミズナラのどんぐりを食べ た跡がたくさん見つかりました。どんぐりに穴があいていたり,皮が落ちていたり。 ネズミの食べあとだそうです。北垣さんのインタープリテーションの特徴は,参加者 に宿題を持って帰ってもらうことです。  ネズミがドングリ(の中身)を食べることはわかりましたが,じゃあ,どうして, どんぐりの「実」ばかりでなく「はかま」にもかじり跡がついていたのでしょうか?  動物が食事をする場所は,よっぽど安全な場所。それにしても,なんで森の中の広 い範囲で食べたあとが見つかるのか? 森の地面全体が安全なのか? 北垣さんの観 察フィールドでは,こんなことはありえないそうです。  「これはミヤマザクラです。世界で一番小さな食べあとを探しましょう」  目がなれてくると,小さなサクランボの種の中身を食べたあとがたくさん見つかり ます。二つに割れたのや穴があいているのや。「これらはヒメネズミのしわざです」  もうここまで来ると,受講した皆さんは完全に「動物の目」になり,歩きながら, 地面になにかないかジロジロ見ているようになってしまいました。  次はツノハシバミの食べ跡探しでした。このように,北垣さんのインタープリテー ションはテーマが動物なんですが,必ず植物(樹木)との関連で動物が登場する「し かけ」になっていました。生き物たちのつながりあいが実感できるような構成になっ ていたんですね。  最後に,とっておきの食べ跡を見せてくださいました。今度の木はダケカンバで す。地面にダケカンバの小枝が落ちているのですが,中には,ダケカンバの花のつぼ みをつけている小枝があります。そして,そのつぼみの先っぽがかじられているもの も見つかったのです!  こんな枝先についているものを食べられるなんて,よっぽど軽い生き物です。かと いって,重みで落ちてしまうかもしれませんから,枝先まで歩いていくわけにはいき ません。枝先をたぐりよせて食べているのです。で,その動物はなんと,モモンガ!  そうです。空を飛べる(滑空する)動物です! イメージとして,リスに皮膜がつ いたのがムササビ,ネズミに皮膜がついたのがモモンガって感じです。ムササビより ずっと小型で,灰色で,目がクリクリッと大きくて・・・。ぼくもテレビや写真でし か見たことがないので,ぜひ,見てみたいと思います。  ロッジに帰ってきて,剥製や骨も見せてくださいました。 ●実習2:乙女高原の地形地質(講師:時田 恵さん)  時田さんは高校の理科の先生ですが,ご自分の観察会(南アルプス自然クラブ)を 持っていて,ボランティアで観察会を開催しています。「やまなしナチュラリストの 会」の時からの,ぼくの古い観察会友達でもあります。  まず,乙女高原周辺の地形の確認をし,そして成り立ちを説明。いくつか標本の石 を用意してくださり,「こんな感じの石の上に,後から出てきたこんな石が積み重 なったんです」といった感じで,とても分かりやすく説明してくださいました。  次に,土の観察。言われてみれば,大人になってから,土をじっくり見たり,土を さわったり・・・ということ,あまりしませんよね。  時田さんがシャベルで取ってくれた土をさわったり,匂いをかいだり,「色見本」 を使って色を確認したり,地面を足でドンドンと踏んで,その感触を確かめたりしま した。  まずはロッジ前の土を観察しました。色は「こび茶」でした。  次に草原に入ってすぐのところの土の観察をしました。すえた匂いというか,干草 の下のほうの匂いというか・・・そんな感じのにおいがしました。色は黒に近かった です。「有機物(栄養)が多くて,空気にいっぱいふれているところの土は黒っぽく なります」など,土の色についていろいろ説明してくださいました。色は「憲法 色」。気になったので,家で『色の手帳』(小学館)で調べたところ,「ヤマモモの 樹皮で染めた黒茶色。憲法染めは,この地に小紋を染めたもの。室町時代末期の剣術 家・吉岡憲法の創案」とありました。  足でドンドンと踏むと,響きます。多少反動を感じました。  森の土も同じように五感で観察です。匂いは,かびの匂い。色は「けしづみ色」で した。踏むと,草原以上に響きます。なんかベットの上みたいでした。ここなら,寝 ても背中があんまり痛くならないだろうなあ。  このように,時田さんの実習は「同じ方法」で「いろんな違う(環境の)場所」の 土を観察しようというもの。「同じ方法」ですから,この方法を家に持ち帰れば,そ のまま,家のまわりの土の観察ができます。  しかも,それぞれの場所でプラスアルファとして,「土の色について」「土のでき 方について」といったミニレクチャーが配置されていて,とても上手に構成されたイ ンタープリテーションだなあと思いました。  三角点では石の観察もしたんですよ。ここでは,30倍の携帯顕微鏡ライトスコープ も大活躍。石には小さなつぶつぶが見えますが,それを拡大して見ると,キラキラ光 る白い鉱物(石英)や光らない白い鉱物(長石),黒く光る鉱物(雲母だったりしま した。  巨大霜柱の写真も見せてくれたりして,あっという間に実習が終わってしまいまし た。  受講生の皆さん,講師のお二人,そして,スタッフの皆さん,ほんとうにご苦労様 でした。お疲れさんです! ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐    2.【参加者募集】   ●イタドリ刈り●・・・6月11日   乙女の草原の中にはイタドリばかりが元気がよくて,他の植物がほとんど姿を消 してしまったところがあります。イタドリは「子だくさん」(たねをたくさんつくる) で,「財産持ち」(根茎に栄養を蓄える)。増える力はものすごく,このままでは乙女高 原は「イタドリだけの草原」になりそうです。  イタドリを根絶やしにするつもりはありませんが,勢力を弱めることはできないか と,2002年から実験をしています。今回はその4回目(4年目)です。 なお,作業後の草原の様子についての継続観察をしっかり行い,作業が本当に草原の ためになっているかどうかも検証します。 ■主 催:山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ ■日 時:6月11日(土)午後3:00〜4:00の予定     集合は乙女高原グリーンロッジ(電話0553−35−3866)     少雨決行。荒天の場合は翌12日(日)同時刻に延期します ■持ち物と服装:軍手とかま(ある方のみ)。作業のできる服装。 ■作業内容:草原内の実験区でイタドリだけを刈り取る。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐    3.【参加者募集】 ●乙女高原マルハナバチ調べ隊2005●   ○調査日:6月26日(日)…女王バチが飛んでいる姿が見られるかも。      8月7日(日)…働きバチがたくさん見られる。      9月11日(日)…オスバチ(超レアもん)が見られるかも。 ○午前10時から昼食をはさんで午後2時ころまでを予定  集合は乙女高原グリーンロッジ。雨の場合は中止します。 ○ボランティアの調査隊員・・・募集定員は20人  小学校4年生以上。ただし,それより小さいお子さん連れの隊員も認めます。 ○日当・交通費は支給されませんが,ファンクラブから保険加入の費用を出します。 (参加費は必要ありません) ○持ち物は筆記用具,弁当,ぼうし,飲み物,防寒具。(もっている方は)うで時計,双眼 鏡。 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ xxxxxx@kougen.otomefc.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,437人にBCCでお送りしています。  「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。  なお,ウイルスが心配ですので週に最低1回はウイルスソフトのアップデートを 行っています。 以上。