□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第143号 2005.7.22. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【観察報告】いよいよ夏本番の乙女高原・・・7月21日    2.【参加者募集】今年も夏はやっぱり乙女高原でしょう! ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@図書館で『オトシブミ』という写真絵本(佐藤有恒・写真,沢田佳久・文,誠文 堂新光社,1994)を見つけ,パラパラと見ていたら,乙女高原でも見かけたことのあ るオトシブミがたくさん登場してきました。  イタドリの葉を巻いた大きな落とし文を作るヒゲナガオトシブミ(ホームページ 『ウエちゃんの自然観察記(乙女高原ファンクラブのトップページからリンク)』 0203参照),同じくイタドリの葉を使うのですが,はじっこのちょっぴりだけ使うカ シルリオトシブミ(ほんとに小さな小さな落とし文を作るんですよ。同0201),イタ ドリの枝先をしならせておいてから豪快に巻いているドロハマキチョッキリ(同 0201),それから,木の種類が違うので,たぶん種類も違うとは思うんだけど,巻き 方はまったく同じであるカバイクビチョッキリ(シラカバの葉をSの字に切る)。  この絵本は,乙女高原での観察会でとっても「使える」なあと思いました。 ●A県の情報プラザ(甲府市・元の西武デパート)で,8月いっぱいまで『やまなし 山の日』の展示をしているそうです。乙女高原ファンクラブがいただいた環境大臣表 彰の賞状(の写し)も展示されています。また,山の日写真コンクールの入選作品も 展示されています。ファンクラブの専属カメラマン(?)鈴木さんの,乙女高原案内 人が案内をしているほのぼのとした写真も飾られていますので,ぜひ,のぞいてみて ください。 ●Bファンクラブの普通会員の方には乙女高原ニュースレター『乙女高原が好き!』 の0502号をお送りしましたが,もう着きましたか? これは,植原が文章を執筆し, 鈴木さんの写真をスキャナーで取り込んで編集し,山梨市社会福祉協議会の印刷機を お借りして印刷し,竹居さんに封筒詰めの作業をしていただいて,そして,皆さんの お宅に届いているものです。  サポーター会員の方にはお送りしない約束です。読みたい方は、ぜひ,普通会員と して登録してください。登録の仕方は簡単です。ファンクラブ事務局(植原方)に住 所・氏名・電話番号を知らせ,「普通会員として登録します」と言っていただくだけ です。普通会員としての義務は総会への出席のみです(委任状の提出でもオッケーで す)。  ファンクラブ事務局としましても,できるだけ多くの方に乙女高原での取り組みを 知っていただきたいので,普通会員としての登録を希望します。 ●C富士吉田歴史民族博物館に行きました。富士登山の歴史について知りたかったと いうのが動機です。案内人養成講座で今井さんが「富士の御師」の話をしてください ましたが,それにも興味がありました。  で,それとはまったく関係ないのですが,一つの展示に釘付けになってしまいまし た。「吉田口」といった「口」が付く地名の由来として『登拝拠点の集落は,近世は 『口』をつけてよぶのが一般的…』という説明があったのです。すぐにぴーんと来た のが,牧丘の「杣(そま)口」集落です。「杣」はきこりさんのこと,「口」が山岳信 仰(もちろんここでは金峰山でしょうね)の登拝拠点をあらわすとなれば,それはそ れは由緒正しい地名だなと思いました。 ●D7月19日,焼山峠付近でツキノワグマが目撃されました。ぼくはクマを観るこ とができたなんてラッキーな人だなあと思いますが,それでもクマは猛獣なので,乙 女高原に来られる方は気をつけてくださいね。特に朝早くと夕方遅くなど,人気のな い時間帯です。 ●E山梨県でもようやくレッドデータブックが発行されました。全国の都道府県でビ リから2番目という遅さです。それでもやっと発行されたので,担当のみどり自然課 に「乙女高原の保全活動で活用したので,一冊,ほしいのですが」とメールしたら, 「配ったり,売ったりする分はありません」ということでした。「県立図書館か国会 図書館に行って,見てください」ともありました。活用するからこそ価値が生まれる 本なのに,せめて,市町村の図書館くらいにはほしいよなと思いました。  もっとも,ホームページに本と同程度の情報がアップされているなら購入する必要 もないと思いますが,山梨県のホームページに載っているのはリスト(一覧表)だ け。たとえば京都府のホームページでは,1画面で1種類の生物ずつが扱われている ほどの充実ぶりです。なんか,山梨ではほんとにお役所仕事で,いやいやながら,仕 方なく作っているなあという印象を受けました。  ちなみに,一番ビリの奈良県では,「あなたが見つけた生きものを教えてくださ い」という呼びかけをし,県民の関心を引き出し,県民に参画してもらいながらレッ ドデータブックを作っていますし,ビリから3番目の栃木県では,2000円くらいで 売っています。つまり,県民一人ひとりに手に入れるチャンスがあるということで す。 ●F京都府のレッドデータブックを見ていてびっくりしたのはクロマルハナバチが絶 滅危惧種に,トラマルハナバチが準絶滅危惧種になっていたことです。とらちゃんな んて,乙女高原にはいっぱいいるし,うちの庭のハーブにも飛んでくるのにね。 ●Gいよいよ乙女の夏。3週連続で日曜にイベントがあります。 第1弾は24日で,乙女高原案内人フォローアップ研修会と次週の観察会の下見。 第2弾は31日で,夏の自然観察会(ちなみに,ファンクラブ有志で30日から泊り込ん でいます) 第3弾は8月7日のマルハナバチ観察会です。詳しくは「2」を ●H次回世話人会は8月17日(水),午後7時半から,山梨市牧丘町総合会館(文化 ホールや花かげの湯の東下)2階の会議室。どなたでも参加できます。ぜひ,のぞい てみてください。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【観察報告】   ●いよいよ夏本番の乙女高原●・・・7月21日  明日・7月23日から,いよいよ「乙女高原案内人・夏の自主活動」が始まりま す。案内人の皆さんが週末,交替で乙女高原へ行って,来ている人に無料でインター プリテーションをしようという企画です。  インタープリテーションをするためには,いろいろな「小道具」が必要です。ルー ペ,双眼鏡,救急セット,インタープリテーション用の紙しばいなどなど。昨年,こ れらを衣装ケース3箱に保管するようにしました。その衣装ケースを運び上げたり, 事前に乙女高原グリーンロッジ管理人の宮原さんと打ち合わせをするために,昨日 (21日)の午後,仕事を休んで乙女高原へ行きました。 ●白いアジサイ3兄弟  もう林道を走っているときからワクワクしっぱなしです。お,オカトラノオが咲い てるな,ヤマホタルブクロもきれいだな,・・・。  今回は特に『白いアジサイ3兄弟』が目立っていました。  林の中,暗いところでしっとりと咲いている白いアジサイはヤマアジサイ。車を止 めてじっくり見ようと思ったら,ちょうどトラカミキリが来ていて,夢中になって花 粉を食べていました。  ヤマアジサイの花は全体的に平べったい感じがしますが,ヤマアジサイの花の鼻を 長くしたような感じのアジサイがノリウツギです。林道ぞいにたくさん咲いていまし た。日当たりのいいところに,木全体が花になってしまったような見事な株があった ので,じっくり見ようと車を止めて近づいたら,すごい数の羽音が聞こえてきます。  オオマルハナバチがさかんに花の上を駆け回っています。そう,まさに駆け回って いるように見えます。口(舌)を伸ばして蜜を吸っているわけではありません。これ は,花粉集めをしているマルハナバチ独特の行動なんだそうです。10匹,20匹な んていう数ではありません。全部を数えきれたわけではないのですが,少なくとも1 00匹を越えるマルハナバチがノリウツギ1株に来ていて,盛んに花粉集めをしてい ました。こんなにたくさんのマルハナバチが集まっているのは初めて見ました。  アジサイ3兄弟の最後はツルアジサイです。柳平のトンネルから焼山の間に見られ ます。名前の通りツルになって,他の木を這い上がっているアジサイです。這い上 がっているとはいえ,針葉樹に取り付いて,まるでその木の『飾り』のように白い花 を咲かせている様子は,それはそれは美しいものです。  やっぱり車を止めてじっくり見ようと思ったら,近くでガサガサッという音がし て,シカの7頭の群が斜面を登っていきました。アカハラやホトトギスのさえずりを バックに,ときおり,シカの鋭いキョッという大きな声が聞こえてきました。 ●草原のチョウ  草原にはいよいよ夏がやってきていました。キンバイソウ,ヤナギラン,クガイソ ウ,ヒヨドリバナ,カラマツソウ,ノアザミ・・・。乙女高原を代表する草花たちの 競い咲きが,いよいよ始まった!って感じです。 いつもの『マルハナバチ・センサス調査』コースを歩いてみました。  途中,ヤエガワカンバの大木の近くで,今年初のアサギマダラを見ました。オスで す。咲いたばかりのヒヨドリバナの蜜を吸っていました。まだ蕾が多いので,咲いた 花を探すようにヒラヒラ舞っては止まり,盛んに蜜を吸っていました。蜜を吸うのに 夢中になっていたからか,カメラを近づけても逃げる様子が見られません。カメラが チョウの羽根に触れてしまうほど近づくことができました。  アサギマダラは海を越える旅をすることで有名です。きっと長旅に疲れたんでしょ うね。家に帰ってからパソコンで画像を確かめたら,アサギマダラの羽根が透けてい て,その向こうにあるヒヨドリバナの花がうっすら見えていました。こんな写真が取 りたかったんだ・・・チョウはボケてるけど。  もう一頭,気になるチョウがいました。やはりヒヨドリバナの花に止まって蜜を 吸っていたのですが,ツマグロヒョウモン(メス)です。このチョウ,7月17日付 けの朝日新聞にも載っていましたが,もともともっと暖かい地方のチョウで,つい最 近まで山梨では「迷蝶」としてしか記録がなかったのに(山日カラーブックス『山梨 の蝶』),このごろ見かけることの多くなったチョウです。「温暖化の影響か!?」 とささやかれています。  話が長くなりますが,どうして,ツマグロヒョウモンにピーンときちゃったかとい うと,なんとぼくの家の庭で,以前,このチョウが卵を産み,幼虫が大きくなって, さなぎになり,そして,成虫(チョウ)になって巣立っていったんです。  そんな経験があったので,このチョウが,夏のこんなに早い時期の,乙女高原なん ていう標高が高いところにいたことにびっくりしたわけです。しかも,このチョウ, 羽根の先につまみ取られたような傷があり,羽根の色もくすんでいました。だいぶ 『歳をとった』個体だったように思います。 ●マルハナバチ・センサス調査の結果  さて,それでは調査の結果です。 ・オオマルハナバチ,シモツケ,花粉集め,14頭 ・オオマルハナバチ,キンバイソウ,花粉集め,7頭 ・トラマルハナバチ,シモツケ,花粉集め,5頭 ・トラマルハナバチ,ノアザミ,吸蜜,6頭 ・トラマルハナバチ,クガイソウ,吸蜜,1頭 ・トラマルハナバチ,ウツボグサ,吸蜜,1頭 ・ミヤママルハナバチ,クガイソウ,吸蜜,4頭  ということで,合計,おーちゃん21頭,とらちゃん13頭,みーちゃん4頭でし た。特に,花粉集めを行っている個体が多く観察されましたが,それは,育ち盛りの 幼虫を抱えているからかなあと思いました。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐    2.【参加者募集】 ●今年も夏はやっぱり乙女高原でしょう!●   今年の夏も,乙女高原案内人の皆さんを中心にいろいろな活動が目白押しです。 ぜひ標高1700メートルの涼しさを味わいに,乙女高原へおいでください。 ■夏の乙女高原 第1弾■ 乙女高原案内人フォローアップ研修会  7月24日(日)午前9:30〜午後3:30 弁当,飲み水,観察用具を持って集合。 翌週31日の観察会の下見を兼ねたフォローアップ研修会です。案内人でなくても参加 できます。 7月下旬といえば,いろいろなお花たちが咲き始めるシーズン。ヤマオダマキ,ノアザ ミ,ニガナ,オオバギボウシなどの花が咲き,そこにマルハナバチたちの姿も見られる ことでしょう。 ■夏の乙女高原 第2弾■ 乙女高原・夏の自然観察会  7月31日(日)午前9:30〜12:00 参加費だれでも100円。飲み物,帽子,雨具,筆記用 具を持って集合。午前中に終わりますが,せっかくですから弁当持参をお勧めしま す。 5つのコースに分かれて歩きます→ @虫!虫!虫!虫と友だちになろう,Aきれいな花に うっとり,Bこの木なんの木乙女高原の木,C乙女高原で「絵手紙」をかこう,D風に ふかれて歩こう。 ■夏の乙女高原 第3弾■ マルハナバチ調べ隊2005 その2  8月7日(日)午前10:00〜午後2:30 参加費無料。飲み物,弁当,帽子,雨具,筆記用具 を持って集合。マルハナバチの働きバチたちが活発に働き回るシーズンです。年に3 回行っているマルハナバチ調べ隊の中で,最も多数のマルハナバチが見られる回にな ると思います。 ■夏の乙女高原 スペシャル■ 乙女高原案内人の自主活動  7月23日(土)から8月28日(日)までの全土曜・日曜(全部で12日),乙女高原 案内人が交代で乙女高原に行き,自主的にインタープリテーション活動を行う予定で す。案内人が駐在している日には,駐車場と乙女高原入り口に看板をかけておきま す。乙女高原に行って,レンゲツツジとマルハナバチのワッペンをつけた乙女高原案 内人に出会ったら,ぜひ,お気軽に声をおかけください。案内人がいる時間帯は,お おむね午前10時から午後3時までです。 いずれも,問い合わせや申し込みは,乙女高原ファンクラブ事務局まで ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ xxxxxx@kougen.otomefc.net   (このメールに直接返信でもいいです) バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したい ので,あえて自動配信のメールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。   以上。