□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第147号 2005.9.19. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】マルハナバチ調べ隊2005 第3回…9月11日 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@いよいよ今年(今年度ではなく)の活動は,11月23日(勤労感謝の日。今年 は水曜日)の『草刈りボランティア』を残すのみとなりました。今年4月,市町村合 併があり,牧丘町は新しい山梨市の一部となりましたが,新生山梨市も乙女高原の保 全活動について共催(協働)してくれることになりました。昨年は221人が参加し てくださいました。子どもたちもたくさん参加して,ブナ爺の根元に落ち葉をかけて くれる活動を一生懸命やってくれました。今年はどんな一日になるか,楽しみです。 いまから予定していてくださいね。 ●A夏の間に遊歩道のロープに植物のカードをせっせとつけました。少しでも,乙女 高原を訪れた方の便宜を図ることができたらと考えたからです。花も終わり,用済み になったカードが出てきました。「このカードはもう必要ないな」と思ったら,金具 とともにはずしておいていただけますか? はずしたカードはロッジにでも預けてお いていただければありがたいです。 ●B今年最後のマルハナバチ調べ隊(9月11日)では,1時間のラインセンサスでなん と134頭ものマルハナバチを観察することができました。たぶん,今までの最高記録 ではないかと思います。すごい!!(→1)。 ●C秋の連休を利用して,長野県の北部,小谷村の栂(つが)池自然園に行ってきま した。ここで乙女高原案内人のような活動をしている人たちがいるというので,ぜ ひ,行ってみたいと,ずっと前から思っていたのです。ゴンドラ→ロープウェーと乗 り継いで標高約1900メートルまであっという間です。この間,外来種対策ということ で,玄関マットがゴンドラ乗り場や降り場などにおいてあり,靴についた泥(に含ま れたたね)を落とすようになっていました。遊歩道には乙女のようにロープが張って ありましたが,植物のカードはなく,見知らぬ植物にいっぱい出会いましたが,仲良 くなる前にその地を後にしてしまった感があります。遊歩道のほとんどが木道でし た。白馬の大雪渓も眺めてきましたよ。双眼鏡で見たら,雪の上を歩いている人が見 えました。 ●D9月13日づけの山梨日々新聞に,「風力発電所建設にデータ測定 山梨・牧丘に 機器設置」という記事が出ていました。乙女高原のすぐ近く,柳平に風力発電所を作 る計画があるという話は以前,このメルマでも取り上げたことがありますが,今後, 1年間,採算が取れるほど風が吹くかどうか調べ,採算が取れるようだったら,7基 の風力発電所を作る計画だそうです。1基の高さが100メートルもあるような巨大 な風車です! 一番心配しているのは,風に乗って飛ぶ猛禽類たちへの影響です。 ちょうど9月下旬から10月上旬にかけては,渡りをする猛禽(サシバ,ハチク マ,・・・)たちが南へと旅を始める時期です。乙女や柳平で猛禽を見かけた方,ぜ ひ,情報をください!  ●E次回世話人会は10月12日(水),午後7時半から,山梨市牧丘町総合会館(文化 ホールや花かげの湯の東下)2階の会議室。どなたでも参加できます。ぜひ,のぞい てみてください。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【活動報告】 ●マルハナバチ調べ隊2005 第3回●…9月11日  今年最後のマルハナバチ調べ隊も天気に恵まれました。午前も午後もパラパラッと くることはあっても,調査が終わった後。マルハナバチ調査には影響はありませんで した。  今年の調査では皆勤賞が3組。1組目は甲府から毎回来てくれた辻さんファミ リー。小学校5年生のまりなちゃんは,じつはぼくの教え子です。2組目は峡東CAT Vのクルー。3回のマルハナバチ調べをていねいに取材し,それをまとめて一本の作 品にし,放映してくれるそうです。で,もう一組(一人)は,ぼくです。今回は息子 の学園祭の日でしたが,そっちに行かないで乙女高原へ。もちろん(!)息子には悪 いと思いましたが・・・,ま,主催者だし仕方ありません。  参加者は,一般参加者7人,案内人7人,マスコミ2人でした。地元中学校の学園 祭はあるし,衆議院「郵政」選挙の日だったので,ほとんど参加者はいないんじゃな いかと心配していましたが,結構集まり,ほっとしました。  まずは,いつも通りの紙芝居からスタートです。とはいえ,3回の紙芝居,少しず つ,重点を変えて上演しました。1回目はマルハナバチの1年間を中心に,2回目は見 分け方をていねいに,そして,3回目の今回は花とマルハナバチの関係についてに重 点をおいて行いました。 ●ラインセンサス調査  ラインセンサスとは,同じルートを同じスピードで歩きながら,見られたマルハナ バチをすべて記録するという調査です。鳥の調査でよく行われる手法です。  ロッジ前から入り,草原のコースを途中から左折。レンゲツツジのコースを下り, 「島」の東側を通ってスタート地点に戻るといういつものコースをほぼ1時間かけて 進みました。  そうしたら,なんと1時間歩く中で134頭ものマルハナバチに出会うことができ ました。これは今までの最高記録です。  ちなみに去年・今年の調べ隊の記録と比べてみると・・・ ・去年の春 11頭 (2004.6.27) ・今年の春 14頭 (2005.6.26) ・去年の夏 47頭 (2004.8.8) ・今年の夏 64頭 (2005.8.7) ・去年の秋 20頭 (2004.9.12) ・今年の秋 134頭(今回 2005.9.11) ・・・となります。  去年の20頭と比べて格段に多くて,びっくりしました。ただし,変温動物である マルハナバチはその日の気温によって活性がだいぶちがってくる可能性があります。 マルハナバチを調査する時には,そのときの気温も記録しておく必要があるなあと思 いました。  辻さん(お母さん)がおもしろいことに気がつきました。夏はたくさんのハチが足 に花粉団子を付けていたのに,今回は花粉団子を付けているマルハナバチはほとんど 見られないというのです。確かに,ぼくも花粉団子を付けたマルハナバチは一頭だけ だったと記憶しています。もうこの時期には子育てが終わっており,幼虫の餌として 必要な花粉は集めていないのかもしれません。春に女王一匹で始めた巣が,夏まで盛 んに幼虫を育て上げ,大きくなり,秋になると巣の規模が極大になるということで しょうか。  特徴的だったのは,ダントツ人気があったのがタムラソウとノハラアザミだったこ と,ハバヤマボクチの大きな下向きの花にはトラだけがいたことです。 ●待ち伏せ調査  なんとなく雨がパラパラときていましたが,午後の調査が始まるころには,まった く止んでいました。そこで,手分けして待ち伏せ調査をすることにしました。参加者 の一人一人に花を決めてもらい,その前で15分じっと待ち伏せして,やってくるマル ハナバチの種類や行動を記録してもらうのです。15分を2回やってもらい,終わった 人から集合場所に帰ってきてもらい,記録を報告してもらいました。  その結果は以下の通りです。 ◆タムラソウ のべ観察時間75分 トラ18,オオ25,ミヤマ25, 計68   (1時簡あたり トラ15,オオ20,ミヤマ20,計55) ◆ノハラアザミ のべ観察時間30分 トラ0,オオ6,ミヤマ16, 計22   (1時簡あたり トラ0,オオ12,ミヤマ32,計44)  ◆ハバヤマボクチ のべ観察時間60分 トラ28,オオ3,ミヤマ1, 計32   (1時簡あたり トラ28,オオ3,ミヤマ1,計32) ◆モリアザミ のべ観察時間15分 トラ0,オオ2,ミヤマ6, 計8  (1時簡あたり トラ0,オオ8,ミヤマ24,計32) ◆マツムシソウ のべ観察時間15分 トラ0,オオ2,ミヤマ2, 計4  (1時簡あたり トラ0,オオ8,ミヤマ8,計16) ◆トリカブト のべ観察時間45分 トラ9,オオ0,ミヤマ0, 計9  (1時簡あたり トラ12,オオ0,ミヤマ0,計12) ◆タチフウロ のべ観察時間15分 トラ0,オオ0,ミヤマ1, 計1  (1時簡あたり トラ0,オオ0,ミヤマ4,計4) (  )内は1時間あたりに換算した数字です。それぞれの花を観察した時間(人 数)が違うので,直接,数字が比べられません。そこで,わざわざ1時間あたりのマ ルハナバチ訪花数を出したわけです。  一番多いタムラソウで,なんと1時間あたり55頭も来ていました。ほぼ1分に1頭 の割合です。すごい人気ですね。 ●マルハナバチ調べは,乙女高原の健康診断  乙女高原にはたくさんの花が咲き乱れます。その中の多くは,マルハナバチによっ て花粉を運ばれ,次の世代に命をつないできました。草原に花が少ない時期には,お そらくマルハナバチたちは森の木々の花によって,命をつないでいます。また,マル ハナバチたちは野ネズミの古巣を再利用して巣を作ります。つまり,草原にたくさん の花が咲くのはマルハナバチたちのおかげですが,そのマルハナバチが生きていける のは,森にも花が咲くからだし,野ネズミたちも豊富にいるからだし,なにより,多 くの花々が時期を少しずつずらして花を咲かせるからです。このように乙女高原の自 然にべったりと寄り添って生きているのがマルハナバチたちだといえるのです。まさ に共生です。  ですから,マルハナバチたちの動向を調べることが,そのまま乙女高原の自然の状 態を知ることにつながるのではないかと考えています。マルハナバチを調べること は,乙女高原のトータルな健康診断になるということです。  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ xxxxxx@kougen.otomefc.net   (このメールに直接返信でもいいです) バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したい ので,あえて自動配信のメールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。   以上。