□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第156号 2006.1.23. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】第5回乙女高原フォーラム    2.【観察報告】1月23日の乙女高原 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@すみません!! 先週の金曜(1月20日),「宛先」に「乙女高原ファンクラブ 世話人」を指定するところを「乙女高原メールマガジン」ボタンを押してしまい,そ のまま知らずに「送信」。昨日大成功のうち終了した「第5回乙女高原フォーラム」 のスタッフ用の資料を,メールマガジンの読者の皆さんにも送付してしまいました。  うっかりミスに気づいて,あわててお詫びのメールを出しましたが,じつは,意外 と好評で(!?),「皆さんの盛り上がりぶりがよくわかりました」「舞台裏をのぞ くことができました」中には「イベントをするときの参考にさせていただきます」と いった励ましやちゃっかりした(失礼!)メールをたくさんいただきました。すみま せん,そして,ありがとうございました。  スタッフのお名前がフルネームではなかったので,ちょっぴりホッとしています。 「個人情報の扱いには注意しなきゃ」と,改めて思いました。 ●A昨日,第5回乙女高原フォーラムが無事終了しました。すごいですよ。11時のス タッフ集合時刻に集まった人,25人!!! 当日の参加者はまだ集計中ですが,150 人近かったと思います。乙女高原ファンの熱意が,会場に集まった大勢の方に伝わっ たのではないでしょうか →1 ●Bファンクラブの活動が山梨日々新聞の「風林火山」欄で取り上げられました。山 日の「風林火山」と言えば,朝日の「天声人語」や読売の「編集手帳」と同じく,一 面の下にある横長のコラムです。新聞の中で「視聴率」が非常に高く,まさに「新聞 の顔」と言える欄です。その新聞社で一番筆の力がある編集部員が書いていると言わ れています。2006年1月19日,まさにフォーラムの開催に合わせたようなタイミング のよさでした。 ●C次回世話人会は2005年2月8日(水),午後7時半から,山梨市牧丘町総合会館 (文化ホールや花かげの湯の東下)2階の会議室にて行います。来年度の事業計画を 考える大事な会議です。ぜひご出席を。 ●Dこのメールマガジンの読者の1人,佐久間さんから「こんなホームページをやっ ています」というメールをいただきました。嫌われ者(ぼくは嫌っていませんが)の 蛾たちの美しい写真や西表の映像が見所です。 http://mtgongen.web.infoseek.co.jp --------------------------------------------------     1.【活動報告】 ●第5回乙女高原フォーラム● 開催日 2006年1月22日(日) 開催場所 山梨市民会館大ホール 主催者 山梨市・山梨県・乙女高原ファンクラブ ■準 備 会場である大ホールは,午前中,別団体が使っており(小さな子どもたち向けのコン サートが行われていたようです),準備ができません。 スタッフは11時に集合することになっていたのですが,なんと集まった人,25人!こ の「人の輪」こそ,乙女高原の何にも代え難い財産です。シロートが行うイベントに とって一番大切なことは「スタッフ全員が,全体の流れを理解していること」。プロ なら分業すれば十分ですが,シロートだとそうはいきません。そこで,(皆さんにも 配信した)資料を使いながら,全体の流れを全員で確認しました。 その後,まだ会場が空いてないので,各係ごとに打ち合わせをし,簡単な昼食を取り ました。「すぐに準備作業に入らずに,各係ごとに十分,打ち合わせができた」こと は,今回のフォーラムにとって,とてもプラスだったのではないかと思います。 12時半から開場。受付を開始しました。と同時に,リレートークのリハーサルやマイ クテスト,スライド試写などをあわただしく行いました。  ロビーはもう乙女高原一色でしたよ。十日ほど前から展示してあったパネルに加 え,原さんの「木のクラフト」や県で編集した草刈りボランティアのビデオ上映,加 藤さんの活動紹介パネルやぼくの母の乙女高原の花々を題材にしたキルト(縦横2 メートルくらいの大きなもの)など。ところ狭しと飾られました。 ■「乙女高原百名花」スライドショー 午後1時,定刻にフォーラムが始まりました。市長さん,峡東林務環境部長さんのあ いさつに続いて,いよいよ「乙女高原百名花」スライドショーです。  まず,鈴木さん創作の詩をご本人に朗読していただきながら,その詩に出てくる植 物を画面いっぱいに,次々と上映しました。鈴木さん,読み始めこそ緊張しているよ うに見えましたが,だんだん調子が上がっていったようでした。鈴木さんの詩には5 1種類の花が出てくるのですが,残りの49種類は,ぼくが皆さんからいただいた メッセージとともに紹介しました。ちょっと話が長くなったかなあと反省。最後に劇 作家である故・田中澄江さんの『花と歴史の10山』という山岳エッセイ集の中か ら,乙女高原の項を,小笠原さんが朗読してくださり,それに合わせて,様々な写真 を上映しました。 百種類というと多そうに聞こえますが,乙女高原の花々は,これでも紹介しきれませ ん。それに,やっぱり写真ではなく,自分の目で実物を見て欲しい,一緒の空気を吸 いながら観てほしいという気持ちがあります。 ■「乙女高原のここが好き!」リレートーク 「1人30秒×30人=15分」というのがぼくの計算だったのですが,皆さん,話 しているうちに熱くなっししまい,時間が倍かかってしまいました。出演者が29人 もいらっしゃったというのも,うれしい誤算です。それだけ乙女高原ファンが確実に 増えているということですよね。  また,かなちゃん(中1)が乙女の魅力について語ってくれたり,たくやくん(小 6)が遊歩道づくりのロープ張りのテクニックを披露してくれたのが,とってもうれ しかったです。いくら「今」の乙女高原の自然を守ったとしても,それを,引き継い でくれる人がいなければ,本当の意味で自然を守ったことにはなりません。まさに環 境教育の目的はここにあると思います。子どもたちがファンクラブの活動に積極的に 参加してくれるよう願ってやみませんし,また,それなりの「しかけ」も必要だと 思っています。 ■北垣憲仁さんの話 北垣さんには乙女高原案内人養成講座でお世話になっています。『動物の目』で乙女 高原を観ると,どんな自然が見えてくるのか・・・そんな視点で実習を組み立ててく れました。 今日は,それをスライドを使いながら,バーチャルに組み立ててくれました。 動物たちはそう簡単にその姿を見せてはくれません。では,動物観察では何が大切な のか・・・ということで,一つ目に「小さなものを見逃さない」というお話。リスが クルミを食べた跡,アカネズミがどんぐりを食べた跡,ヒメネズミがヤマザクラの実 の中身を食べた跡,モモンガがカバの木の花芽を食べた跡・・・と「食べた跡」オン ステージです。食べた跡と同じように糞も,野生動物と違って「逃げません」。シカ の仲間の糞,ノウサギの糞,テンの糞,キツネの糞・・・と,同じく乙女高原にいる 動物たちの糞を紹介してくださいました。 「乙女高原には動物たちの暮らしのナゾ解きをするためのヒントがいっぱいあるんで すよ」と北垣さん。「それらは,乙女高原の宝物とも言えますよね」 木の幹に空いた「穴」・・・洞。そこに動物たちの食べ跡がたくさん。「動物たちに とって,食事をするときが一番無防備ですから,一番安心できる場所で食事をしま す。ですから,動物たちがどんな場所で食事をしているかを丹念に観察していくと, その動物たちが安心できる場所がどんな場所であるかがわかります」 すごいなと思ったのは,観察して分かってきた「動物にとって安心できる空間」を, 今度はヒトが用意して,そこに,その動物に自分の意志で来てもらって,暮らしぶり を見せてもらおうという,その後の展開です。動物を捕まえて,檻に入れて見せると いう動物園とは,まるっきり発想が違います。 その他にも,ハタネズミやヒミズ(ヒミズの鼻がゾウのように曲がって,ものをつか めるって知ってました?),モグラ(モグラの足って六本指なの,知ってます?), ヤマネ(ヤマネの背中にある一本の黒い筋は何?),コウモリ,カワネズミ,ムササ ビといった動物も紹介してくださいました。ああん,話なんてどうでもいいから (!)北垣さんと一緒に乙女高原にすっ飛んでいきたい衝動に駆られました。 「世界的に見ると,百種類ものほ乳類が暮らしている日本というのは,とても動物た ちに恵まれている地域です。また,乙女高原は高い山に住む動物たちと標高の低いと ころに住んでいる動物たちの出会う場所でもあります」 「乙女高原は,ヒトの心や感性を育ててくれます。また,反対に,ヒトが草刈りした りして,その乙女高原を育てているんですよね」 「乙女高原は世界一の野外博物館です。ここで,生き物たちが大切にしている場所を よく知ってください」 乙女高原と,乙女高原ファンへのメッセージをいただきました。 ■終わってからも 片付け終了後,北垣さんを囲んで茶話会を行いました。この席にも,なんと25人も の方が出席してくださいました。一通り「自己紹介+一言」を言っていただいた後, フォーラムの中では聞けなかった北垣さんへの質問をたくさん出して,和やかに歓談 しました。 皆さん,本当にお疲れ様でした。 なお,当日の様子を菊地さんがスナップ写真に撮り,ホームページにアップしてくだ さいましたので,ぜひ,こちらもご覧ください。 http://photo.www.infoseek.co.jp/AlbumPage.asp?un=122281&key=1498269&m=0 --------------------------------------------------    2.【観察報告】 ●1月23日の乙女高原●  植原 彰  フォーラムがあんまり気持ちよかったもんで,翌日,その気持ちのまま乙女高原に 行って来ました。もちろん,眠かったし,疲れてたし,風も強かったですけどね。  草原に近づくと,遠くからボーと腹に響く音が聞こえてきます。なんて形容すれば いいでしょうか。空のビール瓶の口に唇を当てて横から吹くと「ボーッ」というよう な音がしますが,それを高くしたような音です。どうも,高圧線かその鉄塔が風に 鳴っているようです。乙女の近く柳平には風力発電の計画がありますが,巨大な建造 物ですから,風の強い日には,きっとこんな音がするんだろうなと思いました。  山梨では土曜日に雪が降りましたから,銀世界の乙女高原を期待したのですが,2 週間前に来たときよりも,さらに雪が少なくなっていました。風が強くて吹き飛ばさ れているということもあるでしょうが,それにしても少ないと思いました。午前11 時の気温マイナス9度。寒いです。  歩き始めると,雪の中に足がもぐってしまうことはありません。固く締まっていま す。きっと,一度解けて,それがまた凍ったんだろうなあと思います。アトリの10 0羽ほどの群が上空を通り過ぎました。  木の幹がこすれ合う不気味な音が響きます。考えてみると,木々はあの重たい体を よく支えているもんです。だって,ひとかけらの丸太だけだって,すごい重さです よ。おまけにこんな強風で,よく倒れないでいるもんです。  風が強い日によく観られるという彩雲(虹色に光る雲)も観られました。風が強 く,雲もどんどん流れていくので,赤くなったとおもったら,緑になって,あっとい う間にその色も消えてしまいます。それにしても,頭上の青空の,なんと濃い青で しょう。  雲を見上げていると,風が直接ほっぺに当たります。まるで,氷の針をぶつけ続け られているような感じです。チクチクします。寒いというより痛いと感じました。  寒さのせいでしょうか。ボールペンのインクのうつりがひどく悪くなりました。  雪のない枯れ草の草原を歩きましたが,地面がとても固く感じました。いつもの年 だと,雪の下で安心して暮らしているハタネズミたちは無事に冬を過ごしているだろ うか心配になりました。  大雪の年は乙女のレンゲツツジの花付きもいいと言われています。積もった雪にレ ンゲツツジの芽が守られるからです。今年のレンゲツツジの開花はどうでしょうか?  遊歩道にそって動物の足跡が点々と続いています。遊歩道は人間ばかりでなく,野 生動物にとっても歩きやすいんでしょうね。そんな動物の暮らしぶりが雪の上にしっ かり残っています。  ブナじいさんに会いに行き,新しいシカの角研ぎ跡をウラジロモミの木に観なが ら,いったんロッジまで戻ってきて,昼食にしました。昼食後は,今度は草原の南側 を重点に歩き回りました。  そして,「下の駐車場」南の湿地のところ(橋がかけてあるところです)で,すご いものを見つけてしまいました。なんか地面がやけにでこぼこしているなあ,イノシ シが掘り返した跡かなあと近づいてみると・・・巨大霜柱でした。次々と継ぎ足され た氷の柱によって,地面がものすごく盛り上がっていました。メジャーを取り出して 測ってみると,一番高い(深い?)ところで,霜柱の高さは38センチもありまし た。こんなの,踏み抜いたら,それこそ足をねんざしてしまいます。  よし,今度はこの霜柱を取り出して写真に撮ってみようと試みたのですが,固く締 まっていて,なかなか取れません。やっとのことで取り出して(下の部分が欠けて, 地面の中に残ってしまいましたが)写真を撮りました。  駐車場に登るところで,アレチマツヨイグサのロゼットを見つけました。ロゼット とは,草花たちが地面に張り付くように,放射状に葉を広げて冬越ししている様子で す。アレチマツヨイグサのロゼットの外側の葉が枯れていました。きっと、葉の中ま で凍ってしまい,組織が壊疽してしまったんでしょうね。  この草はもともと乙女高原になかった花どころか,外国から連れて来られた草では ありますが,この寒い乙女高原で懸命に冬を過ごしている姿を観て,なんか感動しま した。 他所からやって来る(連れて来られる)のも,大変なことです。 --------------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ●ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  xxxxx@kougen.otomefc.net  (このメールに直接返信でもいいです) ●バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ ●乙女高原ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ ●「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したい ので,あえて自動配信のメールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。ウ イルスが怖いので,最低週に1回はウイルスソフトの更新をしています。   以上。