□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第158号 2006.3.9. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【観察報告】3月5日の乙女高原 NEW! 2.【観察報告】3月6日の乙女高原    3.【参加者募集】総会と座談会 3月19日 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@3月8日の読売新聞に,乙女高原案内人の内藤さんの写真が大きく載っていたの でご紹介します。「通学路を守れ! スクールガードの導入進む」という記事の中 で,スクールガードである内藤さんが子どもたちと一緒に下校している写真です。 ●A「乙女高原自然講座」でお世話になった遠山若枝さんのボタニカルアート「花の 季節」展が3月28日から5月13日まで,桔梗屋「花菓亭美術館通り店ギャラリー」で行 われます(毎日午前9時から午後6時)。野に咲くお花たちのステキな細密画,ぜひ, お楽しみください。 ●B乙女高原ファンクラブ普通会員の方,総会への出欠ハガキはもうお出しになった でしょうか? まだの方,ぜひ,お忘れなくご投函ください。特に,総会に欠席され る方は,出欠ハガキが委任状も兼ねていますので,ぜひ,「無断欠席」のないよう, お願いします。 ●C3月11日(土)午前11時から,山梨市牧丘町の鼓川温泉にて,乙女高原ファンク ラブの来年度の計画を乙女高原案内人の皆さんで考えようという会が開かれます。よ ろしければ,ぜひ,のぞいてください。 ●D3月19日(日)午後2時から,牧丘の総合会館で,乙女高原ファンクラブの2005年 度1年間を振り返り,今年4月から来年3月までの活動計画をたてる大切な総会が行わ れます。また,総会終了後,座談会を開催します。話題提供者は,ファンクラブ産み の親の1人でもある塩平の宮原孝男さん。山とともに生きてきた方です。乞うご期 待!!! --------------------------------------------------     1.【観察報告】   ●3月5日の乙女高原●  植原 彰  乙女高原案内人の加藤さんから「乙女に行きたい!」という熱烈リクエストがあ り,それに同じく案内人の多田さんが「乗った!」と名乗りをあげ,3月5日の乙女 高原ツアーが実行されました。メンバーは加藤さん夫妻と多田さんと植原。とても暖 かく,いい天気でした。林道の途中で,鳴きながら失速飛行をしているノスリが観察 できました。今年も恋のシーズンがやってきたんですね。  草原は大部分が枯れ草。雪はほとんどありません。ロッジ前の10時40分の気温 がプラス2.5℃。  さっそく草原の中を歩き始めました。ところどころ黒々とした土が固まっているよ うに見えるところがあります。ハタネズミの巣かなあと思って,一つ一つを観察して いたら,そのうちの一つに小さな長細い糞がかたまって見つかりました。  おもしろかったのは,ちょうどハタネズミの巣?の上にシカの糞がいくつか落ちて いたこと。そのうち2個の糞には何かにかじられたような跡があります。「シカの糞 は繊維質」「ハタネズミは草食」となると,成立する推理は?・・・でも,そんなこ とが実際にあるのでしょうか? そんな話をしながら歩いて登りました。この「見つ けたものについて話し合いながら歩ける」というのが複数の人数で自然観察する,つ まりは自然観察会の醍醐味です。  草原の中,ところどころ,雪が残っていますが,そこにタイヤのわだちがあり, びっくりするやら,頭に来るやら。人が見ていないのをいいことに,この草原をバイ クで走り回っていた人がいたんですね。  ブナの森まで行きました。北斜面にはまだ雪がかなりありますが,南斜面には残っ ていませんでした。  みんなでお昼を食べ,午後からは草原の南側を中心に歩き回りました。  湿地で,谷地坊主を観察しました。乙女の湿地にはたくさんの谷地坊主がいま す。,乙女高原の自然の大きな特徴の一つであり,乙女高原のインタープリテーショ ンにとっても大切な項目になると感じています。でも,谷地坊主の成り立ち,乙女高 原の自然にとっての存在価値,乙女の谷地坊主と他の地域の谷地坊主の違い(=乙女 高原の谷地坊主の特徴)など,分からないことだらけです。とりあえず,谷地坊主を 形成しているスゲは,ヤマアゼスゲという種類のスゲなんだそうです。  「谷地坊主をめくってみよう」と加藤さんから提案がありました。コロンブスの卵 とはこのことです。まるでスカートめくりのように,谷地坊主の「ゲゲゲの鬼太郎の 髪の毛」みたいなのをめくってみようという発想は,今までのぼくにはありませんで した。おもしろそうだったので,かたっ端から「谷地坊主のスカートめくり」をしま した。めくってみると,中は意外と貧弱。やせ細っていて,土はほとんどなく,根と 根の枯れたものの塊のように見えました。  帰りがけ,「ここはぼくのヒミツの場所なんですけど・・・」と,道路のすぐ脇に 自然にできた池を紹介しました。「去年はここに,おたまじゃくしがいたんですよ ねー」と言いながら,「まあ,こんな時期には,まだいないと思いますが,それで も・・・」と念のため降りて見たら・・・なんと,あるじゃないですか,カエルの 卵!!びっくりしました。ヤマアカガエルの卵です。くっつき合っているので,何腹 分かわかりづらいのですが,おそらく4〜5腹分はあると思います。あわてて卵塊に 温度計のセンサーを差し込んで温度を測ったら,水温は14.4度もありました。気 温は8度でした。圧倒的に水温の方が高いんですね。ちなみに,GPSで標高を測る と1072メートルでした。 --------------------------------------------------     2.【観察報告】   ●3月6日の乙女高原●  植原 彰  昨日,ヤマアカガエルの卵を見つけてしまったことで,どうしても,乙女高原では どうなのか,確かめたくなりました。人と会う約束があったのですが,キャンセルし て,二日連続で乙女へ行くことにしました。  乙女に着くと,風花が舞っていました。さっそく湿地に行きましたが,カエルの卵 はありませんでした。「無かった」という情報も大切なんですよ。去年,かえる合戦 が見られた場所は,落ち葉がたくさん積もっていて,水面が見えなくなっていまし た。今年は雪が少なかったので,当然雪解け水も少ないことが予想されます。カエル たちが産卵できる場所があるかどうか心配になりました。気温はプラス1.9度。水 温は,水面直下が4.9度,水面下5センチが3.9度でした。  本格的に雪が降ってきましたが,鳥たちがすごくにぎやかです。ちょうどねぐらに 入ったスズメたちのおしゃべりのようです。全体が雑音のように聞こえてくるので, どんな鳥が鳴いているのかわかりません。おそらくはアトリだろうと目星をつけまし た。そんな雑音に乗って,シジュウカラやコガラ,ホオジロやイカル,アカゲラやゴ ジュウカラの声が聞こえてきました。鳥たちが盛んに鳴いているのを聞くと,ああ, 春が近いんだなあと思います。  鳥たちにうながされるように,自然観察ハイキングを続けました。乙女高原から焼 山峠に遊歩道の「はしご」をしながら行き,帰りは林道を歩きました。  春の訪れを感じさせるものがいろいろ見られましたよ。例えば,ハンノキの仲間 の,枝先から垂れた雄花の穂。ケヤマハンノキやツノハシバミで見られました。校庭 や家の庭にシラカバがあったら,見てみてください。同じようなものが見られます。 それから,ヤナギの仲間の,銀色のうぶ毛に包まれた,見るからにあったかそうな 芽。赤っぽいカバーによって守られていた冬芽が少しずつ大きくなり,カバーがつん つるてんになって,中の銀色の本体が,いよいよその姿を現したという感じです。 もっとも,ねこやなぎみたいに巨大ではありませんが。もうすぐ花が咲くでしょう。 花が咲いたら,きっとコガラたちが,口のまわりをまっ黄色にしながら,花粉を食べ に(蜜を飲みに?)来るでしょうね。楽しみです。 立ち止まってヤナギの枝先を見ていたら,鳥たちの声が大きくなってきました。シ ジュウカラ,コガラ,ヒガラの姿が見えます。体を動かないで視線(双眼鏡)だけ動 かして見ていると,鳥たちがだんだん近づいてきました。小さな羽音もくっきりと聞 こえてきます。もう双眼鏡がなくても十分肉眼で見えます。後ろを振り向くと飛び 去ってしまいそうなので,ずっと体を動かさないままでいました。そのうち,この群 に遅れて,エナガの群がやってきました。なんか鳥たちに囲まれているような気がし ます。恐怖感はまったくありません。むしろ,森の仲間として認められたような,幸 福感を感じました。 お昼を食べてから,今度は道なき道を歩きまわりました。  森の中からモールス信号が聞こえてきます。きつつきが木をコンコンとたたきなが ら,樹皮の下にいる虫たちを探している音です。立ち止まって,じっと聞き耳を立て ていましたが,本当にモールス信号に聞こえてきます。「じつは,きつつきたちは モールス信号で会話をしているとか・・・」なんか想像力がかきたてられます。時々 「ビー」という声も聞こえるので,コゲラだと思いますが,ちょっと離れたところか らアカゲラの声も聞こえます。今日はいろいろなところでアカゲラの声を聞きまし た。乙女の草原のまわりにはたくさんのアカゲラがいるような気がします。乙女はア カゲラ密度の高い場所なのかしら?  さーて,そろそろ帰ろうと湿地の橋を渡ろうとしたら,目の前を一羽のシギが横切 りました。キジバトよりちょっと小さめ,でも,ツグミより大きく(太って)見えま した。くちばしが細くて,異様に長い。玉子に楊枝を差して,翼を付けたって感じで す。目の前を一直線に飛んでいきました。 そういえば,以前にも一度,同じ場所でシギに出会っています。メールマガジンにも 書いた覚えがあるので,調べてみたら,去年のまさに同じ時期だったので,ドキッと しました(メルマ133号(2005.3.30.)で,シギを見たのは2005年つまり去年の3月 21日でした)。  こんな季節(冬の終わり)に,こんな場所(標高1700メートルの山の中の湿 地)で見られるシギって,いったい??? 個人的にはタシギではないかと思ってい るのですが,どなたか教えてください。全体的に薄茶色っぽい色でした。 --------------------------------------------------    3.【参加者募集】 ●2005年度 乙女高原ファンクラブ 総会● ■月 日 2006年3月19日(日) ■時 間 午後2時 〜 4時(予定・・・座談会も含めて) ■会 場 牧丘町総合会館 山梨市牧丘町・・・花かげの湯の下 ●乙女高原ファンクラブ 座談会● ■総会終了後 ■話題提供者 宮原孝男さん ■参加費 無 料 ※普通会員の方は出欠ハガキをお早めにご投函ください。 --------------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ●ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  xxxxx@kougen.otomefc.net  (このメールに直接返信でもいいです) ●バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ ●乙女高原ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ ●「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したい ので,あえて自動配信のメールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。ウ イルスが怖いので,最低週に1回はウイルスソフトの更新をしています。   以上。