□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第167号 2006.6.13. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】案内人勉強会(第2回)6月10日 NEW! 2.【観察報告】6月13日の乙女高原    3.【参加者募集】イタドリ刈り 6月17日(土)    4.【参加者募集】マルハナバチ調べ隊 6月25日(日) ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@いよいよ今週の土曜日(6月17日)午後3時から4時までの予定でイタドリ刈り を行います。乙女高原ではイタドリたちがまるで鎌首を持ち上げるように生長してい ます。イタドリだらけの草原にならないように,イタドリに少し遠慮してもらいま す。もちろん,草原の自然へのダメージを最小限にしながら。 大雨でもない限り,予定通り実施します。できるだけ多くの方の参加をお待ちしてい ます。多くの方が参加してくだされば,それだけ早く終わるし,また,一人当たりの 仕事量も少なくて済みます。参加してくださった方には参加記念のカードを差し上げ ます。→3 ●A6月12日,塩平から焼山に通じる焼山林道の通行止めが解除されていたので, 試しに通ってみました。途中,未舗装区間があり,狭いし,でこぼこでした。できれ ば杣口林道を使った方がいいかなと思いました。 ●B今,林道途中のトチノキが満開です。この花を見ると,宮崎駿のアニメ映画『も ののけ姫』の『こだま』を連想します。こだまは森の精で,シシ神が出てくるときに 木の梢に集まってカタカタと音を立てます。その様子が,トチノキの花の咲いている 様にそっくりなのです。トチノキの下に立つと,上らかヒラヒラと小さなちょうちょ のようなものが落ちてきます。遠くからみて,ぼくらが「トチノキの花」とみえるの は,じつは小さなトチノキの花の集合体です。その一つ一つの花が落ちてきていると いうわけです。手の上に乗せてじっくり見ると,お人形さんのスカートみたいにヒラ ヒラしていて,全体が薄いクリーム色で,中央にピンクの模様がついています。ま た,静かにしているとブーンというおなじみの」羽音が聞こえます。大きな葉っぱに 隠れてしまって見えないのですが,きっとマルハナバチが蜜を吸いに来ているのだと 思いまず。 ●C次回世話人会は6月21日(水)午後7時半から山梨市牧丘町総合会館です(確定 です)。イタドリ刈りの反省やマルハナバチ調べ隊の打ち合わせをします。どなたで も参加できます。ぜひ,ご参加ください。 --------------------------------------------------  1.【活動報告】 ●参加者21人!! 案内人勉強会(第2回)● 6月10日  「毎月,案内人の自主勉強会を開こう」ということが決まり,5月から勉強会が始 まりました。5月の第1回では雨にも関わらず18人も集まり感動的でしたが,第2回6月 10日はそれを上回る21人の案内人が参加し,乙女の自然をじっくり楽しみまし た。  まずは幹事のIさんの進行で全員自己紹介とグループ分けを行いました。前回は全 員で同じコースを歩いたため,列が長くなってしまって,せっかくの話が聞けないと いう状況になってしまったからです。 ●乙女高原樹木園  次に,全員で「乙女高原樹木園」を見ました。「樹木園」とは,ぼくが勝手に名付 けたもので,ロッジと新しいバイオ・トイレの間にある小さな林です。乙女高原を代 表する木々がこの狭い林の中で全部見られるし,しかも遊歩道と違ってロープがない 分,間近で見ることができます。ですから,特に木を見たい乙女へのお客さんには, いったん,ここで木の説明をしてから,案内ハイクに出発するといいと思います。  シラカバ,ダケカンバ,ヤエガワカンバのカンバ3兄弟,ウラジロモミ,ミズナ ラ,ブナ。その日はちょうど,ウワミズザクラとミヤマザクラもきれいに咲いていま した。足元にはたくさんのマイヅルソウがかわいい花をつけていました。  じつは,前回の勉強会や遊歩道作りの頃,ここのブナに花が咲いていました。普 通,ブナの花は木の高いところに咲くので間近で見るのはとても難しいのですが,こ このブナは手に取れる位置に花が咲いていたので,それがどうなったか楽しみでし た。案の定,若いブナの実がたくさんなっていました。今後,勉強会のたびにこの実 がどうなっていくか観察していこうと思います。  全員で樹木園の観察をした後,二手に分かれて草原の中を歩きました。  1班は森のコースを通ってブナ爺まで行き,草原のコースを戻ってきたようです。  2班は普段はあまり足を運ばない湿地の方まで行きました。ぼくは2班に入ったの で,2班の様子を少し紹介します。 ●大窪山遊歩道  2班は大窪遊歩道を登っていきました。スミレの花が咲いていたので,観察しまし た。スミレはタンポポのように地面からいきなり花柄が出てくる“地上茎のない”タ イプと,茎から枝分かれして花柄が出てくる“地上茎のある”タイプの二つに大別さ れます。そんな解説も交えながら見ていきました。  いろいろなものが見つかりましたよ。シラカバの葉をまるで春巻きのように巻いた オトシブミのゆりかご,まるで木の枝につばがはきかけてあるように見えるアワフキ ムシの巣,動物の糞,…。自然ばかりではありません。大木にワイヤー・ロープが巻 かれている跡。これは,昔,山から山にワイヤーを渡して,ロープウェーにして材木 を運び出した跡です。ちょっと見ると,たくさんのゴミが放置れているようで見苦し いのですが,見方を変えれば産業遺産でもあります。ある意味,「見せ方」の問題か なと思います。 ●湿地の遊歩道  これらを見ながら,途中から右に曲がり,湿地の遊歩道に向かいました。ここでは たくさんのサンリンソウ,シロバナノヘビイチゴ,ヤマハタザオの花に出迎えられま した。サンリンソウは乙女の湿地に春を告げる代表選手です。ゴールデンウィークの 頃から咲いていて,かなり花期の長い花です。シロバナノヘビイチゴには,木いちご ではなく,ほんとのいちごのミニミニ版の実がなります。いちごミルクの味がして, おいしいんですよ。ヤマハタザオはほんとにヒョロヒョロした草です。  そんなものをじっくり観察しながら,ゆっくりロッジまで帰ってきました。  見たものを分かち合ったり,事務連絡を聞いたりして解散しました。  1班の中には,終了後にわざわざ湿地に見に行った人もいるくらい,皆さんとても 熱心でした。  次回の勉強会がとても楽しみです。  --------------------------------------------------  2.【観察報告】 ●6月13日の乙女高原●植原 彰 ●林道の違い  杣口林道を通ったことのある方ならわかると思いますが,最初のうちは道幅が狭 く,途中から2車線の国道並の道路になります。このうち,ぼくは最初のうちの狭い 道が好きで,通るときはいつもキョロキョロしながら車を運転しています。いろいろ な植物が道に張り出しているので,「オッ」と思ったところで車を止めて観察しま す。おもしろいことに,こうやってあるものを観察していると,他の「オッ」と思え るものに出会えるんですよね。今回も,ウツギの花が咲いていたのでカメラと図鑑を 持って車を降り,名前を調べたり,写真に撮ったりしていたら,近くのウツギにマル ハナバチの姿を見つけました。いちいちこんなことをやっているので,いつも乙女高 原に着くのが遅くなってしまいます。  でも,道幅が広くなると,道脇の崖もコンクリートに固められ,なんか自然が遠ざ かっているようで魅力が感じられません。ここはもう素通りしてしまいます。  狭い道は両側から植物が張り出し,上を見ると,木のトンネルのようです。ヒトが 自然を壊して作るのが道路ですが,この程度だったら,自然は自ら癒すことができる し,ぎりぎり自然からゆるしてもらえるかなーという感じがします。一方,広い道路 になると,もう自然をやたらめったら傷つけていて,これではいくら自然ががんばっ ても,傷跡は癒せないよなあと思えます。  「道は狭いよりは広い方がいい」という暗黙の了解がありますが,この常識を疑っ てみる必要があると思います。これ以上広くなくてもいいのではないか? ところど ころ,すれ違いのできるスペースがあれば,それで十分ではないか? 広くなると車 のスピードが上がるので,かえって危険ではないか? 広い道路には,車のブレーキ 跡がたくさん付いているところがある。ローリング族が来ているのではない か?・・・。 ●糞のサンプリング,スタート  さて,今日の目的は,糞のサンプリングです。糞のサンプリングのために4つの コースを設定しています。今日のサンプリングが終われば,4つのコースで2回ずつ サンプリングをしたことになります。  焼山峠に車を置いて,歩き始めました。レンゲツツジが真っ赤に咲き始めていまし た。  カラマツの落ち葉がなだらかな山のようになっているところがありました。よく見 ると,そこには赤っぽいアリがたくさんいます。これはエゾヤマアカアリのあり塚で す。すごく攻撃的なアリで,以前,このアリの写真を撮ろうと近づいただけでひどい 目にあいました。くわばらくわばら。  登っていく途中では,エイザンスミレの大きな葉を見ました。スミレは小さくてか わいらしいというイメージがありますが,じつは,夏になると「夏葉(かよう)」と いう大きな夏用の葉を出して光合成にいそしみます。  ヤマツツジがきれいに咲いていて,写真を撮っていたら,ブーンという羽音に気づ きました。2頭のコマルハナバチの女王が花を訪れていました。双眼鏡で確かめてみ ると,蜜を吸うだけでなく,花粉も集めています。花粉を集めているということは, おそらく幼虫が生まれていて,その世話をしているということです。もし,女王一人 だけなら,食物は蜜(エネルギー)だけで済みますが,育ち盛りの幼虫にはタンパク 質が必要です。ですから花粉も集める必要があるのです。カメラを構えましたが,マ ルハナバチは本当に働き者でまめまめしく動き通しです。ピントを合わせることがで きず,写真は撮れませんでした。  でも,近くのツクバネウツギの花にも別のコマルハナバチ女王が来ていて,こちら はラッキーなことに道のすぐ脇だったし,1つの花に止まっている時間も長かったの で,バッチリ,カメラに収めることができました。  焼山から乙女に通じる林道と平行して南側に走っている遊歩道を歩いて,木道のと ころに出ました。今度は林道を渡って木道ぞいに湿地を下り,途中から林道を歩いて 焼山に戻りました。  途中,カラマツのまさにてっぺんで囀っているオオルリを見ました。ほこらしげに 歌を歌っていました。双眼鏡でオオルリをじっくり見て,さて,歩き始めたら,足元 から白いちょうちょが飛び立ちました。モンシロチョウにしてはゆったりとした羽ば たきです。「もしや」と思い,足元を探したら,案の定,ムラサキケマンがありまし た。このちょうはウスバシロチョウで,ムラサキケマンはその幼虫の食草です。双眼 鏡でじっくり羽ばたいている様子を見ました。こころなしか羽根が透き通っているよ うに見えました。 --------------------------------------------------    3.【参加者募集】 乙女高原ボランティア 第2弾 ●イタドリ刈り● ■月 日 2006年6月17日(土) 小雨決行。荒天の場合,18日に延期。 ■時 間 午後3時〜4時 ■会 場 乙女高原 ■主 催 山梨市・山梨県・乙女高原ファンクラブ ■参加費 無 料 ■内 容 イタドリだけ選択的に刈り,重さを量る。 ■持ち物 軍手,(ある方は)鎌,ロープなどの道具。 ■服 装 作業ができる服装。雨具が必要だと思います。天気が悪いとかなり寒いで す。 ■申し込み  申込先は山梨市観光課(0553-39-2121(代)ですが,このメールに返信でも結構で す。 --------------------------------------------------    4.【参加者募集】 今年もやります!! ●マルハナバチ調べ隊2006● ■月 日  第1回 2006年6月25日(日) ・・・【今回】  第2回 2006年8月 6日(日)   第1回 2006年9月 9日(日)    いずれも雨天中止(雨が降ったら,ハチはほとんど飛びません) ■時 間 午前10時〜午後2時30分 ■会 場 乙女高原 ■主 催 乙女高原ファンクラブ ■参加費 無 料 ■内 容 マルハナバチのおさんぽ調査(ラインセンサス)      マルハナバチ待ち伏せ調査 など ■募集人数 小学校4年生以上 20人(申し込み順)  ただし,保護者と一緒なら,それより小さい子も参加できます。 ■持ち物 筆記用具,弁当,雨具。(ある方は)双眼鏡,ルーペ,図鑑など。 ■服 装 活動のできる服装。帽子は必ずご用意ください。日差しが強いので,肌が 隠れる衣服がお勧めです。標高1700メートルですから,太陽が見えないと,夏でも寒 いくらいです。 ■申し込み  乙女高原ファンクラブ事務局まで。このメールに返信で結構です。 --------------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ●ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  xxxxx@kougen.otomefc.net (このメールに直接返信でもいいです) ●バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ ●乙女高原ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ ●「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したい ので,あえて自動配信のメールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。ウ イルスが怖いので,最低週に1回はウイルスソフトの更新をしています。   以上。