□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第168号 2006.6.26. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】イタドリ刈り2006 6月17日 NEW! 2.【活動報告】マルハナバチ調べ隊2006第1回 6月25日    3.【参加者募集】スゲ類の分類観察研修会 7月2日(日)    4.【参加者募集】乙女高原案内人勉強会第3日目 7月8日(土)    5.【参加者募集】乙女高原案内人キャンプ 7月29日(土)〜30日(日) ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@乙女に行き着くまでの林道で,モミジイチゴが食べ頃です。まるで宝石のような 黄金色の木イチゴです。とっても甘くて,ぼくは野山で食べられるスウィーツの王女 様と思っていますが(ちなみに王様は秋のサルナシ),でも,注意しなければならな いのは,食べ頃の木イチゴほど虫が入っている可能性が高いことです。1こ1こ,よ く確かめてから食しましょう。 ●Aレンゲツツジが咲き終わりに近づきました。今年は6月18日から24日までの1週間 が一番の見頃だったようです。とはいえ,アヤメやキンポウゲはこれからが見頃。露 に濡れたアヤメの花なんて,とっても色っぽいですよ。 ●B今年も(株)田丸グリーン基金より活動協力費をいただきました。田丸というの は,ともがんばっているリサイクル業者で,3年前に社員と会社が協働で田丸グリー ン基金を立ち上げました。社員の皆さんが給料から,会社が売り上げからお金を出し 合い,この基金を運営し,環境活動をしている団体に寄付したりしています。グリー ン基金の皆さんは,乙女の遊歩道づくりや草刈りボランティアにも積極的に参加して くださっています。とてもありがたく,また,他の会社にも見習ってもらいたい活動 だと思います。「いかなる企業も地球や自然の恩恵を受けて経済活動していられるの だから,それに恩返しするのは当たり前!!」ということが社会の常識になると,自然 が守れるだけでなく,どの人も生き甲斐を持って,暮らしやすい世の中になるような 気がするのですが。 ●Cこのところ,毎週末,乙女高原でなにかしらのイベントを行っていて,びっくり です。6月10日は案内人の勉強会,17日はイタドリ刈り(→1),25日はマルハナバ チ調べ隊(→2),そして,7月2日はスゲ類の分類研修会(→3),8日は案内人の勉 強会(→4),・・・。7月29〜30日にはキャンプもあることだし(→5),皆さ ん,乙女高原で,また,お会いしましょう!! ●D事務局からのお願いです。イタドリ刈りにしても,マルハナバチ調べ隊にして も,事前に申し込まれないで,当日飛び入り参加の方がたくさんいらっしゃいまし た。もちろん,イベント準備の手間は人数が少なくても多くてもほとんど変わらない し,できるだけ大勢の方に参加してもらいたいなあとは思います。ですが,基本的に 事前申し込みの人数をもとに準備をしていますので,用意した資料が足りなくな る・・・といった状況が生じて,参加した皆さんにご迷惑をおかけしています。参加 する意志のある方は,できるだけ事前申し込み(できればイベントの前々日までに) をお願いします。 ●E次回世話人会は7月19日(水)午後7時半から山梨市牧丘町総合会館です。どな たでも参加できます。ぜひ,ご参加ください。 --------------------------------------------------  1.【活動報告】 ●イタドリ刈り2006● 6月17日  もう口が酸っぱくなるほど言ってきましたが(あ・・・メールだと酸っぱくはなら ないか・・・),イタドリが嫌いなわけでも,イタドリ無用説を唱えているわけでも ありません。イタドリも昔からの乙女高原の仲間の1人です。ただ,このままだと乙 女がイタドリ天国になってしまいそうだし,それは,ぼくらの知っている乙女高原の 姿ではないのです。ですから,ここのところ,急速な増加傾向にあるイタドリに少し だけ遠慮してもらおうというのが,この「イタドリ刈り」という作業です。  イタドリに少しだけ遠慮してもらおうという方向性は決まりましたが,そのやり方 については試行錯誤が続きました。やっと今年,「実験」を離れて,実験区以外のイ タドリ駆逐も行えるようになりました。  当日は朝からいい天気。午前中から乙女へ向かうとエゾハルゼミの大合唱の中,レ ンゲツツジも大きくて真っ赤な花をたくさん付けていました。乙女高原では,大勢の カメラマンがレンゲツツジにレンズを向けて,盛んにシャッターを押していました。 皆さん,ロープの中に入ることはなく,マナーを守って,写真撮影をしてくれていま した。  林の中には透明マントを羽織った怪しげなギンリョウソウがたくさん咲いていまし た。ほんとに透明なんですよ。画像は以下のアドレス。 http://www.otomefc.net/album/img-box/img20060617232846.jpg  笹に花が咲いているな,レンゲツツジにコマルハナバチが来ているな・・・と観察 していたら,ファンクラブの人たちが次々に登場。皆さん,「どうせイタドリ刈りを するなら」と早くから乙女高原に来てくださったんですね。  さて,予定の3時の10分前にはもう30人もの方が集まっていたので,イタドリ刈り を始めてしまいました。県の方々が事前に下見をし,刈り取りの範囲をポールで示し てあります。ファンクラブ代表世話人のFさんとOさんが大きな秤を用意してくれた ので,計量はとてもスムーズ。市で大きなトラックを用意してくれたので,イタドリ を運ぶのも,とても効率的でした。3者協働で乙女高原の自然を守っている具体的な 姿が,まさにここにあるなと思いました。  去年までイタドリの刈り取りは「実験」として行ってきました。「草原のコース」 遊歩道の上下2カ所を刈り取り実験区として,刈り取ったイタドリの重量を計ってい ました。今年も同じように計量しました。その結果は以下の通りです。  年月日 人数  重量(上区画)  重量(下区画)   重量(合計) 2004.6.12. 22 297.8   181.0 478.8 2005.6.11. 28 97.5  73.5 172.0 2006.6.17. 29 63.2     85.0 148.2  なお,イタドリ重量の単位はs。刈り取り面積は,上区画1796u,下区画1165u, 計2961u。重量はいずれも「生の」重量です。1年目に「生」のイタドリを持ち帰 り,十分乾燥させてから計量した結果,イタドリは乾燥重量(つまりは「正味の」重 量)にすると,「生」重量の32%になることが分かっています。  重量(合計)を見ただけでも,1年目の1/3以下になっていることが分かりま す。イタドリ刈りの成果が十分に出ている証拠でしょう。  また,昨年までの「実験」で,この時期(6月中旬)に,このような方法(鎌で1本 1本,根元から刈り取る)で行えば,イタドリのダメージを大きくでき(根に蓄えら れた養分を使って威勢良く成長してきた時期をねらって刈り取ってしまう),まわり の植物にとっても都合がよく(イタドリが成長して,他の植物の上に「傘」となって しまう前に刈り取る),しかも,草原へのダメージも小さくできる(イタドリを根こ そぎ取らないので,他の植物の根を傷つけない)ことが分かったので,今回は,実験 区外のイタドリもできるだけ刈り取りました。刈った場所が夏から秋にかけてどうな るか見守りながら,来年の作戦を練ることにしました。  始めてからちょうど1時間で終了しました。参加した皆さん,本当にご苦労様でし た。 --------------------------------------------------  2.【活動報告】 ●マルハナバチ調べ隊2006 第1回●6月25日  乙女高原の自然の最大の特徴は,なんといっても夏のお花畑のような景観でしょ う。たくさんの花が,まさに咲き乱れます。この花たちと,おそらくは一番密接な関 係を持っていて,しかも,観察しやすい生き物と言えば,ダントツ,マルハナバチで す。なにしろ,自分たちの食べ物は花の蜜,子育ての栄養は花の花粉と,命のすべて を花に依存している生き物です。しかも,花たちの中には「共進化」の果てにマルハ ナバチだけに来てもらいたい花の向きや形にしてきた「マルハナバチ媒花」と呼ばれ る花たちがあるくらいです。  ですから,マルハナバチを調べることが乙女高原の花たちの状況を知ることに通じ てきます。例えば,マルハナバチの数が減ってきていたとしたら,たとえ,見た目に はいつもと同じ「お花畑」であっても,乙女高原に黄色信号が点っていることかもし れません。マルハナバチを調べることが乙女高原の健康診断をしていることにもなる のではないか,定期的に行うことで定期健康診断になりはしないか,そんな思いでマ ルハナバチ調べ隊を始めて今年で3年になります。  しかも,「花」を「マルハナバチの目」で見ることによって,乙女高原の自然が, とっても具体的な姿で豊かに見えてくるような気がしてなりません。マルハナバチた ちは,乙女高原の自然をぼくらに教えてくれる最高のインタープリターでもありま す。  ですから,年3回のマルハナバチ調べ隊は,第1に,マルハナバチの目を通した乙女 高原の定期健康診断の機会です。  第2は,マルハナバチの目を通した乙女高原の健康診断のできる人をつくっていく 人材養成の場です。年3回だけの調査では,とても「マルハナバチの目を通した乙女 高原の全体像」はわかりません。よりきめ細かい調査をするためには,調査できる人 を増やして,より多くのデータを取り,それを集積,解釈する必要があります。  また,マルハナバチたちが乙女高原きってのインタープリターであることから,そ のマルハナバチを観察するプログラムはすぐれた環境教育でもあります。第3に,環 境教育の場とも言えるのです。  今回は,田丸グリーン基金ほか皆さんから多くの寄付が寄せられているので, ちょっとぜいたくをしてカラー刷りの資料を用意しました。今までは白黒コピーだっ たので,マルハナバチの毛並みの色が分からなくて,カラーの資料を用意したいなあ と,かねがね思っていたのです。  マルハナバチ調べ隊のプログラムは悪く言えばマンネリです。でも,同じ時期に同 じことを調べて,それがどう変わっていくのかを見ることが大切です。また,毎回, 初参加者がいらっしゃるので,プログラムを省略するわけにもいきません。ま,それ が他の皆さんにもいい復習の機会にもなるんですけどね。  まずは大判紙芝居で,マルハナバチの概要,乙女にいるマルハナバチの種類,暮ら しぶり,花とマルハナバチの関係等について説明しました。  次に遊歩道をゆっくり歩きながら,なんの花にどんなマルハナバチが来て,何をし ているかを記録しました。ラインセンサス調査です。同じルートを使わないとデータ を比較することができないので,歩くルートは決めてあります。これを1時間かけて 歩きます。時間も決めているのです。  途中,小雨が降ってきたので,一応,午前中で終了ということにし,午後からのプ ログラムはあくまでオプションとしました。午後からは待ち伏せ調査を行いました。 1人1人が花を決めて,目の前に陣取り,どんなハチが何頭くるかを記録するのです。 1単位時間は15分。これを2単位時間行いました。ですから,例えば同じアヤメの前 で30分粘ってもいいし,最初の15分はこっちのアヤメ,次の15分はあっちのアヤメと 場所を変えてもいいし,最初はアヤメ,次はレンゲツツジと花の種類をかえても構わ ないわけです。  それぞれ調査用紙があるので,それに書き込んでもらいました。最後に調査結果を 発表しあい,集計用紙にまとめました。  では,その調査結果を去年,一昨年のデータと比べてみましょう。 ●ラインセンサス調査 ・2004.6.27.晴れ時々曇り 計11   トラ5(アヤメ),   ミヤマ5(アヤメ3,アザミ2),   不明1  ・2005.6.26.晴れ時々曇り 計14   トラ11(アヤメ),   ミヤマ1(アヤメ),   オオ2(飛んでいた) ・2006.6.25.曇り時々小雨 11時の気温17度 計31   トラ10(レンゲツツジ8,アヤメ2),   ミヤマ4(レンゲツツジ。うち1頭は女王),   コマル17(レンゲツツジ。うち1頭は女王) ●待ち伏せ調査 ・2004 (2004年6月の調査では,午後の調査をラインセンサスと待ち伏せに分けて 行っていた。つまり,全員が待ち伏せをやってない)    アヤメ のべ観察時間180分 トラ18,ミヤマ5,不明4          (1時簡あたり トラ6,ミヤマ1.7,不明1.3)    ノアザミ のべ観察時間40分 ミヤマ1 (1時簡あたり ミヤマ1.5) ・2005 アヤメ のべ観察時間350分 トラ35,ミヤマ3,不明4          (1時簡あたり トラ6,ミヤマ0.5,不明0.7)    レンゲツツジ のべ観察時間44分 0(1時簡あたり 0) ・2006 アヤメ のべ観察時間135分 トラ6,ミヤマ1,コマル1          (1時簡あたり トラ2.7,ミヤマ0.4,コマル0.4)    レンゲツツジ のべ観察時間150分 トラ2,オオ1,ミヤマ5,コマル9        (1時簡あたり トラ0.8,オオ0.4,ミヤマ2,コマル3. 6)  ラインセンサスについては今までで最高記録でした。反面,待ち伏せ調査は最低で した。これは,午前中はうっすら明るく暖かくなる時間もあったのに,午後から冷た い小雨が降っていたという天候によるものかなと思いました。  ですか,年によって,カレンダー的にはだいたい同じ日に行っているのに,自然の 季節の移ろいは違っていて,それが調査結果に反映しているような気がします。調べ 隊でレンゲツツジにマルハナバチが来ているのを見たのは今回が初めてだし,女王が 見られたのも初めてだし,コマルが見られたのも初めてでした。 --------------------------------------------------    3.【参加者募集】 ●スゲ類の分類観察研修会● ■月 日 2006年7月2日(日) 雨天決行。 ■時 間 午前10時〜 ■会 場 乙女高原 ■主 催 乙女高原ファンクラブ ■参加費 無 料 ■内 容 乙女高原に生えている植物の全リストを作る作業を進めている林さんを講 師に,地味〜な草,スゲ類の分類研修会をします。ちなみに,乙女の湿地で谷地坊主 を作るのもスゲの仲間だし,菅傘の材料になるのもスゲです。 ■持ち物 筆記用具,べんとう,(ある方は)植物図鑑。とくに,勝山輝男「日本の スゲ」(文一総合出版)をお持ちの方,あるいは図書館等で借りられる方はぜひご持 参ください。 ■申し込み  このメールに返信で結構です。資料を用意する都合上,できるだけ事前にお申し込 みください。 --------------------------------------------------    4.【参加者募集】 ●乙女高原案内人勉強会 3日目● ■月 日 2006年7月8日(土) 雨天結構 ■時 間 午後1時〜 ■会 場 乙女高原 ■主 催 乙女高原ファンクラブ乙女高原案内人の会 ■参加費 無 料 ■内 容 乙女高原の自然の様子をみんなでゆっくり勉強      インタープリテーションのやり方をじっくり勉強 ■申し込み  乙女高原案内人事務局まで。  このメールに返信で結構ですよ。案内人事務局に転送します。 --------------------------------------------------    5.【参加者募集】 ●乙女高原案内人キャンプ● ■月 日 2006年7月29日(土)〜30日(日)  ■時 間 午後3時集合,翌午前9時解散予定 ■会 場 乙女高原 ■主 催 乙女高原ファンクラブ乙女高原案内人の会 ■参加費 実費 ■内 容 今年1月の乙女高原フーォラムでお話を聞いた北垣さんと一緒に夜の森, 夜の動物,夜の自然を観察しましょう。もちろん,それだけでなく,普段,十分にお 話する時間のない「乙女高原サポーター」の皆さんとじっくり交流しましょう。 ■申し込み  乙女高原案内人事務局まで。  案内人,ファンクラブ会員とそのお連れなら,どなたでも参加できます。子どもた ちの参加も大いに歓迎します。  このメールに返信で結構ですよ。案内人事務局に転送します。 --------------------------------------------------   【乙女高原ファンクラブ事務局】 植原 彰(方) 〒404-0013 山梨市牧丘町窪平1110-3       電話とファックス 0553(35)3682  ◎寄付用の郵便振替口座    口座番号 0220−8−71093    加入者名 乙女高原ファンクラブ ●ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  xxxxx@kougen.otomefc.net (このメールに直接返信でもいいです) ●バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ ●乙女高原ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ ●「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※「乙女高原メールマガジン」は希望する方に無料で配信しています。まわりにご希 望の方がいらっしゃいましたら,アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メー ル配信のリストに加えます。お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したい ので,あえて自動配信のメールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。ウ イルスが怖いので,最低週に1回はウイルスソフトの更新をしています。   以上。