■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 乙女高原メールマガジン 第024号 2001. 7.30.

発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住)

      Eメールアドレス  mailto:xxxxxx@j-gate.net

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

   (((植原からのメッセージ)))

 7月25日,乙女高原ファンクラブ世話人の有志と学生ボランティアの計7人で遊歩道の
メンテナンスを行いました。折れたり,曲がったりした杭を打ち直し,たるんだロープは
張り直しました。

 いよいよ乙女高原は夏本番。たくさんの花が咲き乱れています。8月5日には観察会も
あります。ぜひ,涼みに来てください。

 

========================

((((問題提起))))

   『イタドリ退治』是か非か?

========================

 

 イタドリ・・・タデ科。すかんぽとも言われ,春先はアスパラガスのような太い芽を
にょっきり出します。根元からスポッと折れ,皮を向いてシャリシャリ食べると

水っぽくてすっぱくて,野山の水筒代わりです。太い芽は他の草花に先駆けて大きくなり,
葉を広げてしまいます。日光をさえぎられてしまったまわりの植物にとっては
『恐怖の日傘』でしょう。

 夏,小さな花をたくさんつけ,秋にはたくさんの実をつけます。たねには小さな翼が
ついていて,風に乗って遠くまで運ばれます。

 このように,遠くまで莫大な数の子孫を飛ばし,しかも,ある程度大きくなると,

春先に他の植物に先駆けて成長し,葉を繁らせてしまうので,一緒に生えている他の

植物にとって大きな脅威となる,競争力の強い植物だと考えられます。

 じつはIUCN(国際自然保護連合)がこのほどまとめた『世界の外来侵入種ワースト
100』の中にクズやホテイアオイとともに取り上げられているほどの植物です

(IUCNの情報は日本自然保護協会のホームページより)。

 

 さて,以前に比べ,乙女高原の草原の中にイタドリが目立ってきました。ここ3・4年,
イタドリしか生えてないようにみえる箇所も出てきました。しかも,その面積は明らかに
年々広くなっています。

 イタドリという1種類の植物ばかりが生えているような状況は,ぼくらが打ち出した
草原エリアの保全目標とはあきらかに違います。ぼくらの保全目標は,「多種多様な植物が
モザイク状に生育している」状態です。

 では,ぼくらはどうしたらいいのでしょうか?

 今,イタドリが増えているといっても,それは一過性のもので,放っておけばやがて減少し,
ある程度のところで落ち着くものなのでしょうか?

 それとも,放っておけば,このままどんどん増えてしまい,イタドリ草原になってしまう
のでしょうか? だとしたら,イタドリだけを選択的に刈り取る必要があるのでしょうか?
 いいえ,たとえイタドリ草原になったとしても,黙って見守るべきなのでしょうか?

 

 また,もし,刈り取るとしても,刈ったイタドリはそこに放置しておくのがいいのでしょうか? 
それとも,草原から外に出してしまったほうがいいのでしょうか?

 

 そもそも,イタドリが増えているということは,何を意味するのでしょうか?

 たとえば,湖沼の富栄養化ということが問題になっていますが,イタドリが増えている
ということは草原が富栄養化の傾向を示してということなのでしょうか?

 

 富栄養化の進んだ湖沼からヨシを刈り取り,外に出してしまえば,湖沼からヨシが

吸い取った栄養を湖沼から持ち出すことになるので,結果的に湖沼の富栄養化を食い

止めることができるそうですが(もちろん,刈る時期や刈る量を考慮しなければなり

ませんが),草原のイタドリが湖沼のヨシのような役割を果たすことは考えられない

でしょうか?

 つまり,イタドリを刈り取り,それを草原から出せば,草原の栄養を外に持ち出す

ことになるので,貧栄養な草原に適応してきた植物にとって好都合になるといった・・・・

 

 メールマガジンを読んでくださっている皆さん,イタドリについて何か知っている

ことがありましたら,教えてくださいませんか? また,乙女高原のイタドリを退治

することについてのご意見もいただきたいと思います。

 できるようでしたら,一度,乙女高原の様子を見ていただき,イタドリをどうして

いったらいいのか,一緒に考えていただけると,一番ありがたいです。

========================

   8月5日(日) 乙女高原自然講座

           『夏のお花たち』

========================

○8月5日(日)9:30−12:00(小雨決行)

○乙女高原グリーンロッジ前集合

○参加費 100円

○持ち物 帽子,筆記用具,(あれば)虫めがね,植物の図鑑など

○内 容・乙女高原でお花が一番多く咲く季節です。

    ・避暑も兼ねて,乙女高原の美しい花々を観察しましょう。

    ・時間があれば,ブナの森まで足をのばそうと思います。

・連絡先・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(牧丘町役場内)

     0553−35−3111(代)

     mailto:otometown.makioka.yamanashi.jp

    (このまま,ぼくに返信してくださっても結構です)

    (県外から来られる方などで,前泊・後泊を希望される方も事務局まで

     お問い合わせください)

※『乙女高原ファンクラブ』の,この次の事業は・・・

 9月23日(日) 乙女高原自然講座『巣箱をのぞいてみよう』

 9:30−12:00(小雨決行),乙女高原グリーンロッジ前集合

※この号は245人の読者の皆さんにお届けしています

     ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

     ページTOP