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 乙女高原メールマガジン 第5号・・2000.12.27.
発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住)
Eメールアドレス  xxxxxx@j-gate.net
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    草 刈 り 論 争 その2
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 農水省農業環境技術研究所にお勤めの守山 守さんの『むらの自然を生かす』
(岩波書店,1997)に,草の持ち出しについての記述がありました。以下,引用します。

 日本では第4紀になると造山活動や火山活動が活発になり,火山のすそ野には草原
が発達した。氷河期に日本と大陸が陸続きになると,このような環境に多くの草原性
生物が大陸から南下して棲みついた。火山活動が落ち着くと草原は樹林地に遷移する。
草原性生物は森林には棲めない。だからそこの草原性生物を守ろうとするなら,
草刈りや火入れによって樹木の侵入を抑えなければならない。
 火山性草原を刈り払いだけで維持しようとすると,別の問題が生じる。刈った草を
その場に放置しておくと,堆肥を施したのと同様の効果で土壌は年々よくなっていく。
すると肥料の効いた,畑のような土を好む植物が入り込んでくる。困ったことに
こうした植物のほとんどが外来植物(帰化雑草)なのである。それは,外国には雨量が
制限要因になって成立する草原があり,そこには雨が降ったときに急いで葉を広げ、
花を咲かせる植物がたくさん存在するからである。しかも,こうした植物が帰化
雑草として,すでに多数,日本に入り込んでいる。
 これらの帰化雑草は豊富な養分を吸収し,短時間のうちに地面を覆ってしまう。
その結果,在来の草原性植物を維持するためには,樹木の侵入を抑えると同時に,草原
を貧栄養的な状態に保つことが必要になる。火山性草原の植物は貧栄養状態で生活する
ことができるので,この状態が保たれれば帰化雑草との競争に勝つことができる。
 帰化雑草の侵入は河川敷や都市近郊などの草地で深刻な事態をひきおこしている。
 日本では採草地から草を刈り取ってきて舎飼いした牛馬に踏ませていた。肥料を取
るためである。また牛馬を通さずに,直接肥料にすることも多かった。だから,採草
地は貧栄養的状態で保たれていた。放牧地でも,そこで育った牛馬は境外に持ち出さ
れていたので,草地を貧栄養的状態で保つ働きをしていた。人間は飼料や肥料の採集
を通じ,草地の遷移をくい止めると同時に,貧栄養的状態を保ってきたのである。
(78ページ)

 乙女高原がこの『火山性草原』に当たるかどうかはわかりませんが,参考になる
お話だと思いました。

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     乙女高原のスキーの歌があった!
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 11月23日,乙女高原の草刈りボランティア作業の際,作業に参加された塩山市在住
のHさんからおもしろい話を聞きました。Hさんが松里小学校の六年生の時に(今から38年前),
学校の校外学習として乙女高原にスキーをしに行ったというのです。
 そのころは,まだスキー用具は高価なものだったので,スキーに行く前に,学校で
子どもたちみんなでスキーを作ったそうです。竹を切り出してきて身長を合わせて切り、
先端を火であぶって柔らかくなったところで曲げ,お湯と水につけてスキー独特
の先端のカーブを作りました。この竹スキーに長靴を準備して,六年生総勢120人
が乙女高原スキー教室に出発したそうです。
 塩山から塩平までは路線バスを利用し,そこからはスキーなど一式を背負って,
乙女高原まで歩いて登りました。宿泊は手塚小屋を利用したそうです。
 で,竹スキーを作りながら,乙女高原ですべりながら,先生の手作りの『スキーの歌』を
歌ったそうです。「覚えていない歌詞もあるけど・・・」とおっしゃいながら,
Hさんは歌ってくれました。本当は3番まであるんだそうです。

 竹でつくった このスキー
 竹でつくった ストック持って
 行こうよ 乙女のスキー場
 ・・(この部分は覚えてないそうです)・・
 また来るまで シーハイルハイル

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)))乙女高原ファンクラブ 第4回設立準備会(((
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○日時 2001年1月19日(金) 午後7時半〜9時半
○場所 牧丘町役場
 役場正面玄関からでなく,東側の出入り口からお入りください。
○話し合う内容
 ・ファンクラブの設立総会について
 ・ファンクラブの活動内容について 他

 どうぞ,来てください。当日参加できなくても,メールにご自分の思いやアイデア
を託すという方法もあります。準備会メンバーへのメッセージでもかまいません。
ぜひ,メールでお届けください。

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  『乙女高原メールマガジン』とは? (再録)
         植原 彰
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 乙女高原は,わが町・牧丘町にある標高1700メートル・亜高山帯の草原です。
まわりは森なのに,ここだけは約3.4ヘクタールの広さの草原です。初夏のレンゲ
ツツジや夏のお花畑のような景観が有名です。
 ぼくは,この乙女高原に魅せられ,20年間に渡って通い,自然観察を続けています。
今では自分にとってかけがえのない場所になってしまい,乙女高原の自然を守る
ために自分にできることは何でもやっておきたいと思っています。このメールマガジンも,
ぼくにとっては,乙女高原の自然を守るための一つの手段です。

 このメールマガジンでは,ぼくの目を通しての季節ごとの乙女高原の様子や,ぼくが
知っている範囲での乙女高原に関する様々な取り組みについて紹介します。
 お名前とメールアドレスを教えていただければ,希望者に無料で配信します。
また,ご迷惑でしたら,ご一報くだされば,配信を停止します。できましたら,お友達
等にも紹介してください。できるだけ多くの人に乙女高原のことを知ってもらいたいし,
乙女高原の自然を守っていくために多くの人からアドバイスをいただきたいと考えています。
 皆さんからのご感想,ご投稿を楽しみに待っています。

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