□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第074号 2003.6.11. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ○○○急告! マルハナバチ調べ隊2003 第1日目 中止○○○       ■2003年6月15日(日)に予定していた・・・■  今週,マルハナバチ調べ隊の講師(隊長?)国武さんが乙女高原に下見に来てくだ さいました。マルハナバチがどれくらい飛んでいるかを見ていただいたのですが・・ ・,いない! 肝心のマルハナバチがいないのでは,調査の実習はできません。  そんなわけで,第1回目の調査イベントは中止です。  次回,7月27日(日)は予定どおり行いますので,この日を楽しみにしていてくだ さい。ちなみに,午前10時から午後2時までの予定です。  マルハナバチを楽しみにしていた皆さん,ごめんなさい。 ところで,マルハナバチ調べ隊の隊長・国武さんから,乙女高原での彼女の研究を手 伝っていただけないか?というメールが届きました。大学の生態学の研究に興味のあ る方,お手伝いしてみませんか? もちろんボランティアです。 ・・・・・以下,国武さんからのメールの抜粋です・・・・・ 去年は後輩にたくさん手伝ってもらっての調査だったのですが,今年は時間がうまく 合わず,ほとんど一人で調査をしなくてはなりません。 ちょうど7月の後半から8月の上旬が勝負で,20日はちょうど乙女高原での調査初 日の予定でおりました。 もし,もしできたらなのですけど,どなたかに,オオバギボウシの調査を手伝ってい ただくことは可能でしょうか? とってもとってもずうずうしいお願いですいませんが,お手伝いいただけるようであ ればとっても助かります。 調査することは,今年花が咲きそうなオオバギボウシの個体識別(テープをつける) をして,個体の基礎データを取ることです。 とるデータは@個体間の距離A花茎の直径Bつぼみの数で,場所は前植原さんにお手 伝いいただいた6ヶ所です。 このデータをもとに秋の結実時期にまた調査をして,種子生産の結果を解析するため です。 ・・・・・以上,国武さんからのメールの抜粋でした・・・・・ ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ○○○乙女高原ファンクラブ 活動レポート○○○    乙女高原自然案内人養成講座2003 第3日目(最終日)       ■2003年6月8日(日)■  結局,乙女高原案内人養成講座の3日間の中で,雨に降られたのは今井さんに来て いただいた1日目だけ(!)。今回もとてもおだやかな天気で,エゾハルゼミのせみ 時雨に迎えられての講座最終日でした。 ●まず,グリーンロッジで古屋利雄さんによる「乙女高原の歴史」の講義です。  乙女高原で案内人(インタープリター)の活動をするためには,自然の知識だけで はだめです。この地が地元の人々にどのように利用されてきたのか,その歴史を知る ことによって,今の乙女高原の環境が出来上がった「背景」が理解できます。ですか ら,この講義はこの養成講座にとって,とても重要な意味を持ちます。  いろいろな話をしていただきましたが,ダイジェストを・・・・。 ・山梨の山林面積35万ヘクタールのうち,45パーセント・15万ヘクタールが恩賜 県有財産(いわゆる県有林)。明治初期,政府の財政を豊かにするために「官民有林 区分」が行われ,山林の利用が著しく制限されたので,それに反発した市民が,盗伐 などを行い,山が荒れた。その結果が明治40・43年の大水害。それを反省し, (天皇が)県に山林を「下賜」した。県は地元に保護組合を作らせ,管理をさせるよ うにした。そこで生まれる収益の25パーセントを組合に支払うようにし,それで森 林の保護育成を図った。 (うーん,これって,官と民のパートナーシップと言えないかなあ・・・植原) ・乙女高原は,大窪山(新しい遊歩道ができた。遊歩道の入り口は,成城大学の生物 部山小屋のすぐ北)やセンダンビラ(馬1000匹分もの草が取れたので)と同じく 採草地で,ナガシロ(長代)と呼ばれた。名前の由来は,母母峠(ボボとうげ)から ずっと長く湿地が続いているから。  農作業の合間に草原に入り,鎌を入れておいた。これが「縄張り宣言」となり,秋 の農作業終了後,本格的に草を刈り,天日で一週間ほど干してから里に下ろした。 ・戦後はスキー場として使われるようになった。昭和27年に県営スキー場としてオー プン(このとき,乙女高原と命名される)し,昭和59年ころまで県大会,郡大会,中 学生大会などが開催されていた。 ・スキー場オープンとともに,手塚小屋が建設された。といっても,まだ林道が開通 していたわけではないので,丸太を担いで登った。青年団でも伐採許可をもらって木 を切り,ログハウス風の小屋を作った。昭和28年から35年ころまで営業していた。  メニューはカレー。簡単に作れるし,「芯米(完全に煮えてない米)」をごまかす には,カレーをかけるのが手っ取り早かった。豚肉・牛肉はとても尊く,もっぱら鯨 肉だった。缶の中に入れて,雪を掘って,埋めておいた。天然冷蔵庫。 ・昭和34年に山梨高校の寮。36年に成城大学の山小屋。47年に「自然を活用する地 区」として県から指定され,自然を保全しながら(自然環境保全地域),上手に利用 していく場所となった。昭和53年にグリーンロッジができ,森林文化の森の一つとし ても指定された。 ●野外実習その1は奥山永雄さんによる「インタープリテーション実習」。  いろいろな花や草の芽を観察しながら草原内を歩いていき,途中から「では,皆さ んもインタープリターをやってみましょう」と皆さんに促しました。  やっぱり「解説型」というか,とにかく親切に親切に,端から説明してくれちゃう のは,参加しているほうが苦痛になりますね。  いろいろ「促して」くれるのがおもしろいです。「ここ,見てみましょうよ」「さ わってみましょう」みたいに。そして,話の最後に「?」がつくような会話がいいで すね。「どうして葉っぱがこんなにくっついているんでしょう?」「虫でも入ってい るのかなあ?」・・・。会話に「?」があると,どんどん会話のキャッチボールがで きて,話が広がったり,深まったり,思わぬところにワープしたり・・・。 ●野外実習その2は石原 誠さんによる「動物の観察」。  乙女高原で自然観察というと,なんか77パーセントが植物,22パーセントが 鳥,残りの1パーセントがその他・・・って感じがします。花ばかりに向いている皆 さんの目をもっと広げることができれば,乙女高原の自然をもっと違う理解をしても らえるはずだと思っています。それには「石原さんの目」が必要でした。  案の定,石原さんは「花ばかりに向いている皆さんの『花の目』を『動物の目』に したいと思います」と切り出してくださいました。  「まず何も言わずに森の中の遊歩道を歩きますから,動物の痕跡を見つけてくださ い」そして,上の草原で足跡観察。2つのひづめを持つ動物であることはわかります が,イノシシ,シカ,カモシカの中のどれかは特定できないとのこと。そのへんに石 原さんの,簡単に決め付けない真摯な態度(自然を観察する者として,基本的に持っ ていてほしい態度)を見ることができました。  ブナの森の中では,シカが木の幹につけた3種類のサインを見つけ,そこでシカが どんなこことをしていたかを教えてくださいました。  帰り道には,皆さん,完全に『動物の目』になって,まわりを見ていました。 ●案内人,小学校の自然教室でデビュー!  今回は,牧丘第一小学校の自然教室担当の先生も「乙女高原の勉強をしたい」と参 加してくださいました。熱心な先生で,とても好感が持てます。  先生から自然教室への手伝いをリクエストされたのですが,なんと,案内人の中か ら7人もの方々が立候補してくださいました。  記念すべき乙女高原案内人の「デビュー戦」です。  今までは,自然教室の手伝いをリクエストされても,乙女高原ファンクラブからな かなかスタッフを送り込むことができなかったのですが,ほんと,今年,大きな無理 をしてでも案内人養成講座を開催して,本当によかったなあと思います。  7月1日から2日,雨が降らないことを祈ります。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■マルハナバチ調べ隊の活動は,7月27日が第1日目になってしまいました。この日は 一般参加の観察会も兼ねての調査です。  一週間前の20日が下見で,このとき,観察会スタッフでじっくりマルハナバチ (と,この時期に咲いているお花たちの)研修をします。よろしければ,この下見に 参加して,じっくり勉強してください。ただし,勉強したら,一週間後はスタッフだ よ。 くわしくは,乙女高原メールマガジン068号か,以下のホームページを http://www.otomekougen.npo-jp.net/team_maruhana.pdf ■6月8日,焼山峠でレンゲツツジが5分咲き,乙女高原では2分咲き程度でした。 今度の週末は,きっと美しいオレンジ色で草原が染まっていると思います。 そうなると,観光客もぐっと多くなりますけどね。 ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,352人にお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は希望する 方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら,アドレス とお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。