□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第084号 2003.10.27. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【活動報告】 10月26日 土の横顔を見てみよう!     2.【募集】 11月23日 第4回 乙女高原の草原を守る! NEW! 3.【募集】 12月13日 意見交換会ならびに交流会      NEW! 4.【募集】 12月14日 救急法講習会  ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●県民コミュニティカレッジの一環としてシンポジウム「人のつながりをどうつくる か」が11月8日(土)14:45〜16:15,県立女子短期大学新館大講義室で行われま す。パネラーの一人として植原が登壇し,乙女高原ファンクラブにおける人のネット ワークづくりについて実践報告します。 ●11月11日午後2時より,牧丘第一小学校5年生の「親子学習会」で,植原が乙女高原 の自然保護活動についてをテーマにお話をさせていただくことになりました。 ●乙女高原ファンクラブの次回世話人会は11月12日(火)の午後7時30分から牧丘町 総合会館2階 談話室です。ぜひ,おいでください。 ●自然観察指導員講習会の締め切りがいよいよ間近です。申し込まれた方は,ぜひ, 植原までお知らせくださいね。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【活動報告】  ●10月26日 土の横顔を見てみよう!・・・土の断面は土地の履歴書だ● ●筑波大学の東照雄研究者グループと乙女高原ファンクラブ共催の『土壌の観察会』 が行われました。  前日,観察会の準備を行いました。約束の時間よりだいぶ前に乙女に行ったのです が,筑波大の皆さんはそれよりずっと前に乙女高原に着いていらしたようでした。あ いさつを簡単に済ませて,さっそく現地の下見。  ここで登場したのが『検土杖』という土壌観察グッズ。するどい竹やりのような金 属の棒を地面に突き刺し,グルグルと回転させて,地面からゆっくり抜き取ると,竹 やりの先の空洞の部分に土が入ってきます。それを見れば,大きな穴をあけないでも 地下の土の様子がわかるというスグレモノです。  何箇所かでこの杖を刺してみて,土壌観察の場所を決めました。  一箇所は草原の中。そして,もう一箇所はそこから10メートルほど離れたシラカバ 林の中です。草原サイトは毎年,草刈りをしている場所ですが,シラカバ林内は草刈 りの手が入っていない場所です。 ●場所を決めたら,シャベルで地面を掘り始めました。地表15センチくらいまでの土 は広辞苑2冊分くらいの大きさのブロック状にして,地面に敷いたビニールシートの 上に並べました。この部分は草の根がびっしりです。観察会の最後にはこの土を元通 りにするために,こうしているわけです。  60センチも掘ったところで,急に土の色が変わりました。それまでずっと黒っぽ い褐色だったのに黄土色になったのです。びっくりしました。  さらに掘っていくと,せっかく(?)黄土色になったのに,また元の黒褐色にな り,また,黄土色が出てきました。  これはどういうこと? ●約1メートル掘り進み,土壌断面をきれいな平面にする作業に入りました。ここで 使われた土壌観察グッズにも感激! 一見すると,100円コーナーでも売っていそう な『移植ごて』なんですが,とても硬く,歯も鋭くなっています。「このこてでない と,こんなにきれいに『整形』できません」とおっしゃっていました。  整形作業が終わってみると,さっきの『黄土色からまた黒褐色に変わった謎』が, なんとなく解けた気になりました。  黄土色の層の中に黒褐色の部分が「ゆがんだソーセージ」って感じで入っていま す。どうもモグラが開けた穴に上部の土が崩れ込んできたらしいのです。  へー,土の横顔の観察っておもしろい!と思いました。  黒褐色と黄土色の層の境目が直線状ではなく,とてもでこぼこしています。これも 不思議でした。どうして? ●今回,2箇所で穴を掘りましたが,これは正解だったと思いました。だって,その 2つを比べてみると,違いがよく分かるからです。  例えば,黒褐色の層は草原部のほうが厚かったです。また,草原部を1メートル 掘っても,石はほとんど出てきませんでしたが,シラカバ林の中は,すぐに大きな石 がごろごろと出てきました。  深い知識を持っているわけではないので,因果関係などはよく分かりませんが,土 を掘って観察できるこういう事実の一つ一つが,その土地の歴史を物語っているんだ ろうなあということは,おぼろげながら理解できます。  土の断面は,土地の履歴書なんですね。そして,土壌観察会は,この履歴書をどの ように読むか?がテーマなんだと思いました。 ●またまた『土壌観察グッズ』が出てきました。ただのろ紙のように見えますが,こ れに細工がしてあります。ろ紙に土をこすりつけ,上から魔法の液体をかけると・・ ・みるみる液の色が濃いピンクになりました。これは,土が火山灰由来のものかどう かを見分ける試験だそうです。  火山灰には活性アルミニウムが多く含まれているのだそうです。これにフッ化ナト リウム溶液をかけるとアルカリ性になるので,ろ紙に染み込ませていたフェノールフ タレイン溶液が赤くなるのだそうです。 ●土の色を判定する『色見本帳』も土壌観察グッズの一つです。「スッゲー」と 思ったのは,この色見本には『土色帖』という,れっきとした名前があり,しかも, この土色帖,国際標準なんだそうです(!)。 ●なんか下見と準備の話だけで盛り上がってしまい,なかなか観察会までいきません ね・・・。このように,前日は穴掘りと調査をし,観察会についての簡単な打ち合わ せをして終わりました。12時前から始めたのに,終わったのは5時半ころでした。 ●翌日はいい天気。紅葉のクライマックスを迎えた山々がとてもきれいでした。秋の 日曜日というと何かと行事があるらしく,町内の小中学校にはすべてちらしを配った し,マスコミにも告知をお願いしたのですが,事前の申し込みは14人だけでした。と ころが,ふたを開けてみると,20人を超える参加者があり,参加者の募集を担当して いたファンクラブのスタッスとしては,ちょっぴりほっとしました。  参加者はステキな土壌観察のためのパンフレットをもらい,土の観察に出発しまし た。 ●午前中の観察は,前日の準備で,ぼくが経験したような内容でした。  お昼を食べて,午後からは実験のオンパレードでした。  まずは,ペットボトルを改造した簡単な道具を使った実験です。ペットボトルを1 箇所輪切りにして,上部を逆さまにして「じょうご」のようにし,下部に乗せます。 そこに1枚紙を敷き,土を入れます。これに青インクを混ぜた水を少しずつ加え,何 杯目で下から水が出てくるのか,出てきた水はどんな様子かを観察します。  浅いところの土と深いところからとった土で比べたところ,浅い土では,なかなか 水が染み出してきませんでした。それだけ,水を蓄える力が強いんでしょうね。  出てきた水を見てみると,明らかに元の青よりずっと薄い色をしています。インク の成分が土によって奪われてしまったということでしょうか。土のろ過する働きがよ く分かる実験でした。 ●次に「土は呼吸しているか?」実験です(正確には,呼吸しているのは土の中の微 生物たち)。  二酸化炭素に反応してピンクが透明になる試薬をつけたろ紙を,土の入った試験管 に入れ,ゴム栓でしっかりふたをします。  しばらくすると,ろ紙の色がピンクから白に変わりました。土も呼吸しているので す。 ●最後に,土のpH(酸性・アルカリ性の度合い)を測る実験をしました。土を水に まぜ,ユニバーサル試験紙やデジタルpH計でpHを測りました。さらに,酸性雨の かわりに塩酸を少しずつ混ぜ,pHがどのように変化するかを観察しました。塩酸を 少しずつ混ぜても,急に酸性度が高くなるわけではなく,土があることによって,変 化の度合いが小さくなっていることがわかりました。 ●このように,ほんとに密度の濃い二日間を過ごすことができました。遠く筑波から 来てくださった五人の若く,情熱あふれる研究者の皆さんに心から感謝したいと思い ます。  この観察会は「〇〇の自然を守ろう」と活動している人たちにとって,とても有意 義な観察会になる可能性があります。ありがとう!  最後に,この観察会を開催するに当たって,山梨県知事から「乙女高原の地面を 掘ってもいいよ」という許可証を交付してもらっていたことを付け加えておきます。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【募集】  ●11月23日 第4回 乙女高原の草原を守る!●  全国からボランティアを募集しての草原の草刈りも,今回で4回目です。  みんなで草刈りをして,乙女高原の草原を守り,育てていきましょう。  草刈り以外にも活動メニューがあります。ご友人を誘って,あるいは,ご家族で, ぜひ,おいでください。 ●実施日 11月23日(日・勤労感謝の日)少雨決行 ●午前9時半から昼食をはさんで午後2時ころまでを予定しています。 ●集合は乙女高原グリーンロッジ。 ●活動メニュー  ・草原の草取り  ・遊歩道のロープ回収  ・草原内のごみ拾い  ・湿地のごみあげ(昔捨てられたごみが,湿地にたまっています)  ・キッズ・ボランティア(子どもたち,集まれ!) ●持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,ぼうし,防寒具   (お持ちの方は)かま,なたなどの道具 ●参加費 一人100円 ●キッズ・ボランティアについて  乙女高原「裏山」の「ブナのじいさん」は,山の尾根に生えているため,土が流れ やすく,根が浮いてきてしまっています。ただでさえ高齢で,枯れかけてキノコが生 えている大枝まであるほどですから,根が浮いてしまうダメージはとても大きなもの だと考えられます。ブナじいに少しでも元気になってもらうために,じいの根本に落 ち葉を集めます。  この作業をボランティアでしてくれる子どもたちを募集します。対象は一応,小中 学生ですが,保護者の方が付き添っていただけるなら,それより小さなお子さんの参 加も大歓迎します。 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原の草刈りイベント係  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)     電話 0553-35-3111(内線141 )ファックス 0553-35-3733    E-mail  otome@town.makioka.yamanashi.jp   ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     3.【募集】  ●12月13日 意見交換会ならびに交流会● ・日時 2003年12月13日(土)午後3時−14日(日)午前9時   ※部分参加も可能。 会場 民宿あらい 牧丘町倉科4475 電話0553−35−2809 会費 8000円程度(1泊2食で6500円。これに飲み物代がプラスされます)  意見交換会だけという方は無料。宿泊なしで交流会だけという方は飲食代の実費を いただきます。 予定 午後2:30−3:00  受け付け      3:00−5:00  意見交換会      6:00−      夕食・交流会(忘年会を兼ねて)   翌朝・・・朝食後,9時ころ解散予定(引き続き,ぜひ救急法講習会へ!) ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     4.【募集】  ●12月14日 救急法講習会● 日時 2003年12月14日(日) 会場 牧丘町B&G海洋センター 牧丘町窪平442-1 電話0553-35−4411 会費 無 料 予定 午前9:00−9:30 受け付け      9:30−12:00 救急法講習会 持ち物 上履き,筆記用具 服装 簡単な運動ができ,しかも,寒くない服装を。 講師 駒谷治克(こまや はるよし)さん ※日本赤十字社の救急法指導員ならびに蘇生法指導員  野外活動では救急法の習得が欠かせません。その中でも,命にかかわる心肺蘇生法 がもっとも大切です。今回は,心肺蘇生法(人工呼吸や心臓マッサージ)を体で覚えて いただきます! ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)   0553-35-3111(内141)   ファックス0553-35-3733   E-mail otome@town.makioka.yamanashi.jp  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,366人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。 以上。