□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第089号 2004.1.6. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【報告】 乙女高原でマーキングされたアサギマダラが愛知県で再捕獲 NEW! 2.【オピニオン】 なぜマルハナバチが環境教育の教材として適しているの か?    3.【募集】 2004年1月25日 第3回乙女高原フォーラム    4.【募集】 2004年3月14日 総会と座談会 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ あけましておめでとうございます。 今年も乙女高原と乙女高原ファンクラブと乙女高原メールマガジンをよろしくおねが いいたします。   0.【ニュースニュース】 ●@新年早々大ニュースです! 乙女高原でマーキングされたアサギマダラが愛知県 で最捕獲されたそうです。アサギマダラといえば,「渡り」をすることで有名なちょ うちょ。くわしくは「1.報告」を! ●A前号でも予告しましたが,明日(1月7日)のサンケイ新聞/山梨版に,乙女高原 ファンクラブを紹介する記事が載ります。 ●Bウエちゃんの乙女高原自然観察記の新作がアップされました。 〇その1 草刈りのときに見つかった巣3題   好例の草刈りの時に草原で見つかった鳥や獣の巣を後でじっくり観察した記録で す。   http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0308/0308.htm 〇その2 冬の初めの巨大な・・・   去年の12月21日,乙女高原を訪ねることになりました。そこで発見したものは・ ・・   http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0309/0309.htm ●C(再掲)乙女高原ファンクラブの次回世話人会は1月16日(金)の午後7時30 分から牧丘町総合会館2階です ●D(再掲)市民山梨学講座「山梨の山」の講座の一つとして,植原が乙女高原での 保全活動について話をします。3月6日(土)午後1時半から3時半。会場は甲府市の県 生涯学習推進センターセミナー室です。 ●E今冬は雪が少ないようですが,去年の今ごろの雪上自然観察の様子は以下のペー ジでご覧ください。  〇雪の上に刻まれた「魂」たち(2003年1月11日の観察記)    http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0301/0301.htm  〇雪の中の乙女高原(2003年2月8日の観察記)    http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0302/0302.htm ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【報告】  ●乙女高原でマーキングされたアサギマダラが愛知県で再捕獲●  1月4日,「今年初のニュース」とタイトルのついたメールが来ていました。読んで みると,静岡県三島市の谷川さんからでした。谷川さんといえば,去年の夏,乙女高 原にいらしてアサギマダラのマーキングをしていたところを,こちらから声を掛けさ せていただき,乙女高原のチョウについて,いろいろ話を伺った方です。 http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0306/0306.htmにそのときの様子が書か れていますので,興味のある方は読んでみてください。このページはアサギマダラを 観察したページです。開くとアサギマダラの画像もあります。  なんでも,アサギマダラの渡りの調査をしている藤井さんという方から,『マーキ ングされてはいる(=羽根にペンで記号がつけられている)ものの,どこでマーキン グされたかわからないアサギマダラの記号のリスト』が谷川さん宅に届き,そのうち の一頭が「昨年の8月24日に植原さんとお会いしたときに乙女高原で私がマーキン グして放した10頭のうちの1頭」だったそうです。  「再捕獲のデータは、2003年10月18日、愛知県田原市衣笠山で再捕獲者は 星野 さんです。星野さんが再マーキングして放したそうですが、その後の再捕獲は記録さ れていません。田原市は愛知県渥美半島の中央に位置しており、アサギマダラ、サシ バの渡り観察で有名な伊良湖岬へのルート上にあります。乙女高原からは直線距離で 約170kmです。」と続いていました。  乙女高原で羽根に印を付けられ,飛び立ったアサギマダラが愛知県で見つかるなん て・・・なんか聞いているだけでワクワクしますね。  そういえば,(財)日本自然保護協会の会報『自然保護』2004年1・2月号に 「遠く離れた自然観察指導員の協力で,アサギマダラの標識個体,山口県で初確認 !」という記事が載っていました。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【オピニオン】  ●なぜマルハナバチが環境教育の教材として適しているのか? 植原 彰●  乙女高原ファンクラブではマルハナバチ調査にかなりのエネルギーを注いでいま す。そのうちマルハナバチの調査を一人でもちゃんとできる人材を養成し,マルハナ バチ・マイスターとして認定・登録してもらい,調査データを集めようという壮大な 計画まであります。  たくさんいる乙女高原の動植物たちのほんの一握りにすぎないマルハナバチに,な ぜ,こんなにも着目し,肩入れしていると思います?  それは,一言で言うなら,マルハナバチが環境教育の教材として非常に優れている からです。  第一にその生態。  マルハナバチは一頭一頭が自分専門の花を決め,蜜や花粉を集めます。これは受粉 を確実に行いたい植物たちにとって,ものすごく好都合。ですから,多くの植物がマ ルハナバチだけに来てもらいたくて,花の形を複雑にする,花の大きさをマルハナバ チの体型にちょうど合うようにするなどの工夫をしています。マルハナバチの行動を 観察することで,そんな「花とハチの関係」が見えてきます。  また,野ネズミの古巣を利用して巣をつくったり,ハチクマという猛禽に食べられ たりと,花だけでなく,いろいろな生き物とつながりあいながら生きています。です から,マルハナバチの生活を調べることで,乙女高原でどんな「自然」が成り立って いるかの一部が見事に切り取られるというわけです。  しかも,例えば獣や鳥を長い時間観察したとしても,大部分は休んでいたり眠って いたりと,「働いて」いません。つまり,観察していても,その生き物が自然の中で どんな役割を担っているかが見えてこないことが多いのです。ところが,働き者のマ ルハナバチ(働き蜂)は休むということをほとんどしません。ですから,観察すれば するほど,乙女高原の自然の中で彼らがどんな役割を演じているかが見えてきます。 野外観察・生態観察・環境教育の教材としてこんなに適した生き物を,ぼくは他に知 りません。  第二に種類数。  乙女高原のマルハナバチが1種類だけだったら,比較することができませんが,乙 女高原には少なくとも5種類のマルハナバチがいます。ですから,5種類のマルハナ バチの行動を比較研究することによって,マルハナバチの生態や,乙女高原の自然の 中でどんな働きをしているかが,よりくっきりと見えてくることが期待できます。  また,1種類だけだったら,すぐに見分けかたが分かってしまい,「はい,ここで おしまい」になってしまいますが,5種類もいることで「難度」が高くなり,人の挑 戦心をゆさぶってしまうという心理的な効果もあるような気がします。  それに,同じ種類の中でも女王・働き蜂・オス蜂では形態が違います。しかも,働 き蜂と比べ女王やオス蜂は見られる時期も限られているし,絶対数も圧倒的に少な く,これらを見分けるのは至難の業です。  つまり,見分ける能力のレベルがはっきりしていて,自分の今のレベルや次に目指 すべきレベルが分かりやすいということがあります。   ・初級レベル・・・他の昆虫とマルハナバチを見分ける   ・中級レベル・・・何マルハナバチかを見分ける   ・上級レベル・・・同じ種類のマルハナバチの中で,女王・働き蜂・オス蜂を見 分ける  第3に個体数。  社会性の昆虫であるマルハナバチは個体数の密度がとても高く,しかも,種類に よって出現する時期にずれがあるため,トータルすると,長い期間,観察することが できます。 「昨日は一頭も見られなかった。今日も・・・」とハズレることがほとんどありませ ん。雨の日にだって,観察することができます。例えば,10人集めて観察会をすれ ば,ほぼいつでも10人全ての人にマルハナバチを見せることができます。  第4に安全性。  いくら環境教育に適した性質を持っていても,危険なものだったら教材としては適 しません。マルハナバチはハナバチの一種で,確かに働き蜂や女王蜂は針を持ってい て刺すことがあるそうですが,手で握り締めるなど,よほどのことをしない限り,刺 すことはないそうです。事実,ぼくは何度となくマルハナバチにちょっかいを出して いますが,攻撃されたことはありません。働くことに集中し尽くしていて,他のこと になんか興味がない!といった感じです。  第5に観察のしやすさです。  一つは大きさ(サイズ)。虫たちは子どもたちにお手ごろな遊び相手。マルハナバ チも例外ではありません。じっくり見るのに,ちょうどいい大きさだと思います。  もう一つは行動パターン。いくらちょうどいい大きさでも,例えば木のこずえばか りを飛び回っているミドリシジミ類のような昆虫だったら,非常に観察しにくいと思 いますが,マルハナバチはおもに草原の花々に訪れます。ちょうど私たちの目の前で 行動が観察できるわけですから,非常に好都合です。マルハナバチを追いかけなくて も,花の前でまちぶせることもできます。  以上のような理由で,ぼくは「環境教育の教材としてのマルハナバチ」に大いに期 待し,投資したい考えです。それがマルハナバチ・マイスター制度です。  でも,一方では,西洋で「空飛ぶぬいぐるみ」と言われるだけあって,昆虫のくせ に(あ・・・こんな言い方,昆虫に失礼か・・・)とっても愛くるしいので,気持ち 的にも大好きです。だから,「ミーちゃん」「トラちゃん」なんてニックネームで呼 んじゃうんですよね。  総じて,身も心もマルハナバチ・ファンというところですか・・・。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     3.【募集】  ●2004年1月25日 第3回乙女高原フォーラム●  毎年一回,ビッグなゲストを招いて,自然と付き合うコツや乙女高原の自然を守る ヒントをいただいている乙女高原フォーラム。今年はなんと島根県からゲストを呼び ます!  また,全国的に自治体の合併が進められている中,乙女高原をかかえる牧丘も他市 町村との合併協議を進めています。今後も乙女高原の自然や文化遺産をきちんと守っ ていけるかどうかの正念場を迎えていると言っていいでしょう。  ゲストのお話を聞いて草原を守る意義を再確認し,今後,乙女高原をどうしていく か,会場の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 ・・・・・テーマ・・・・・  教えて! なんで草原を守るの?   −地域にとって草原を保全する意義− ●日時 2004年1月25日(日) 午前10時から午後1時まで ●会場 牧丘町民文化ホール(花かげホール)     牧丘町窪平453-1 電話0553-35−4888 ●入場無料(全席自由) ●ゲスト 高橋佳孝さん(草原の保全に関しての日本の第一人者。近畿中国四国農業 研究センター主任研究官) ●内容 ・第1部 高橋義孝さんによる講演 ・第2部 パネルディスカッション「これからの乙女高原について語ろう」 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)   0553-35-3111(内141)   ファックス0553-35-3733   E-mail otome@town.makioka.yamanashi.jp  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     4.【募集】  ●2004年3月14日 総会と座談会●  座談会では,乙女高原にもっとも近い集落・柳平にお住まいの水上さんから話題提 供していただいた後,参加者全員で,乙女高原について話し合います。 ●日時 2004年3月14日(日) 午後2時から5時まで ●会場 牧丘町総合会館 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)   0553-35-3111(内141)   ファックス0553-35-3733   E-mail otome@town.makioka.yamanashi.jp  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,389人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。 以上。