□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第091号 2004.2.9. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【報告】 第3回乙女高原フォーラム・高橋佳孝さんのお話 その1     2.【募集】 2004年3月14日 総会と座談会     3.【募集】 第2期乙女高原案内人養成講座 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@1月31日,やまなし環境財団による「西宮賞」の表彰式に出てきました。西宮賞 とは,「優れた環境活動を継続して行っている個人や民間団体」を表彰するもので, 「西宮賞」という名称は,財団の設立に多大な協力をした西宮さんの名前を記念した ものだそうです。今回(今年度),乙女高原ファンクラブも含めて9団体が表彰され ました。 ●A2月7日,ファンクラブ有志で,乙女高原までスノーシュー・ハイキングに行って きました。スノーシューは「西洋かんじき」のこと。長靴にこれをつけると,深い雪 でももぐることなく,快適に雪原を歩けます。動物の足跡を観察したり,ブナのじい さんに会いに行ったり・・・。 ●B第2期乙女高原案内人の要項がホームページにもアップされました(先日,お知 らせしたページよりバージョンアップされています)。よろしければ,この話,いろ んな方にお伝えください。このメールをそのまま転載・転送されて構いません。でき るだけ多くの方に知っていただきたいと思います。  http://www.otomekougen.npo-jp.net/2004_interpreter.html ●C(再掲)乙女高原ファンクラブの次回世話人会は2月18日(水)の午後7時30 分から牧丘町総合会館2階です。来年度の事業計画,ファンクラブ総会について話し 合います。 ●D(再掲)市民山梨学講座「山梨の山」の講座の一つとして,植原が乙女高原での 保全活動について話をします。3月6日(土)午後1時半から3時半。会場は甲府市の県 生涯学習推進センターセミナー室です。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【報告】  ●第3回乙女高原フォーラム・高橋佳孝さんのお話 その1●  1月25日,牧丘町民文化ホール「花かげホール」を会場に,3回目となる乙女高 原フォーラムを行いました。今年のゲストは,なんと遠く島根県からおいでくださっ た高橋佳孝さんでした。第1部では高橋さんに『教えて! なんで草原を守るの?』 と題した講演をしていただき,第2部では乙女高原の将来を考えるパネルディスカッ ションを行いました。  高橋さんのお話を何回かに分けて,報告します。  植原のメモをもとに書いて行きますので,もしかしたら高橋さんの言いたいことと 違ったことを書いてしまうかもしれません。そんなときは,皆さん,ぜひ,ご指摘く ださい。   ◆高橋さんのお話のもくじ(概要)◆  テーマ:草原の復活に向けて −草原の多面的価値と新しい活用の方向− ●1.草原は里山の自然である・・・・・今回のお話  2.草原は文化的遺産である  3.草原は豊かな空間である  4.草原は失われつつある  5.草原の価値が見直される  6.人畜一体総力戦で草原再生へ  草原は,日本のような湿潤な気候のところでは基本的に成立しません(高山,海岸 など例外もありますが)。それなのに,なぜ草原がこんなにもあるのか?ということ を考えていくと,草原を引き継ぐ必要性が見えてきます。そんな話をしていきます。  昔の里山での生活では,自然の資源をフル活用して生活していました。その中の一 つにシバ山(ススキを主とする草原)があります。瀬戸内地方だと過度の利用によっ てハゲ山になってしまったところもあるのですが,ほとんどのところではシバ山はシ バ山が未来永劫ずっと続くように上手に管理されてきました。  シバ山は入会地だったのですが,その利用については,刈る時期,刈る目的,刈る 種類など,厳しい規律が決められていました。どうしてかというと,草はみんなが欲 しがる大切なものだったからです。特に中山間地では土地が痩せているので,肥料源 としてススキなどの草が欠かせないものでした。  里山は,シバ山のほかにマツ山と広葉樹から成り立っていました。  広葉樹は何年かに一回,伐採し,おもに炭焼きに利用されましたが,切り株から芽 が出て,また成長することができます。ですから,里山には「木を切ったばかりの草 原状のところ」「切り株からの芽が少し大きくなってきたところ」から「もう木を 切っていいくらいに大きく成長した木の林」まで何段階もの林がモザイク状にあり, 里山に多様な生態系をもたらしていました。  今は山も畑も放置されてしまい,「すごく大きく育った木の林」と「開発の手が入 り,まったく木が切られてしまったところ」の2極分化してしまい,その中間層がな くなっているんですよね。つまり,多様な生態系も失われつつあるということです。  中国山地に位置する比婆山の1940年代の土地利用を見てみましょう。  中国山地といえば,「もののけ姫」の舞台でもあります。たたら製鉄が盛んだった ため,鉄鉱石を掘り出すために森を切り,製鉄で使う炭を焼くためにまた森を切りま した。草地ができる素地がここにあったわけです。そして,炭や鉄の運搬のために牛 が使われたのですが,その牛は夏の間,放牧されていました。1・2頭ならともか く,牛の頭数が多くなると牛舎で飼うより放牧のほうがずっと効率的なのです。ここ でもまた草原が必要とされます。  比婆では,里山の水田のまわりに草地が広がっています。これは,草をそのまま田 に敷き入れるためです。  そして,奥山には放牧のためにやはり広い草地がありました。  総じて,かなりの草地面積がありました。  なお,牛舎には「落とし厩」という独特の構造があって,牛の糞尿や敷き藁が牛舎 の下に落下し,そこで発酵し,良質の堆肥が作られるようになっていました。  次に,三瓶山について見てみましょう。三瓶山は国立公園に指定されていますが, その指定根拠は牧野景観です。今はかなりの面積が森林化してしまいしたが,昭和30 年代には草山だったのです。  昔の人は決して資源が枯渇するような利用の仕方はしていませんでした。例えば, 去年,草を刈ったところは今年は刈らないでおきました。つまり,2年に一度,ススキ が回復してから刈るようにしていたのです。  干草用の採草地は,背の高い草の草原で,牛一頭につき50アール必要でした。  夏用の放牧地は,牛一頭につき1から2ヘクタール必要でした。  このように,草は牛を飼う農家にとって,たいへん重要なものだったのです。  ですから,草地をめぐって人殺しや集落間の争いも絶えなかったと聞いています。   (その1 終わり) ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【募集】  ●2004年3月14日 総会と座談会●  座談会では,乙女高原にもっとも近い集落・柳平にお住まいの水上さんから話題提 供していただいた後,参加者全員で,乙女高原について話し合います。 ●日時 2004年3月14日(日) 午後2時から5時まで ●会場 牧丘町総合会館 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)   0553-35-3111(内141)   ファックス0553-35-3733   E-mail otome@town.makioka.yamanashi.jp  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     3.【募集】  ●第2期乙女高原案内人養成講座●  概略の紹介です。 〇主催:乙女高原ファンクラブ 〇期日と会場  第1回 4月18日(日) 牧丘町総合会館 牧丘町窪平(文化ホールの近く)  第2回 5月23日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原)  第3回 6月6日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原) 〇定員:30名で,先着順。 申し込みの受け付けは3月1日午前10時から始めます。 〇費用:講習会費用は3回分合計で1000円。 登録する際にはさらに登録料2,000円が必要。 〇講師(予定・あいうえお順) ・今井 信五さん 長野県在住。(財)日本自然保護協会参与および自然観察指導員講 習会講師。しろうま自然の会事務局長。著書に『「ボランティア参加による自然解説 活動」のためのコーディネーター・ガイドブック』など。 ・植原 彰さん 乙女高原ファンクラブ代表世話人。自然観察指導員山梨県連絡会 (ノラやまなし)世話人。著書に『ぼくらの自然観察会』『いつでもどこでも自然観 察』など。 ・奥山 永雄さん 乙女高原ファンクラブ代表世話人。富士山自然解説員。 ・北垣 憲仁さん 都留文科大学社会学科非常勤講師(動物行動学)。著書に『カワネ ズミの谷』『小学館の図鑑NEO動物』(分担執筆)など。 ・小松澤 靖さん 森林インストラクター。NPO法人やまぼうし自然学校。CONEト レーナー1種。 ・時田 恵さん 身延高校教諭(理科)。自然観察指導員山梨県連絡会(ノラやまなし) 世話人。 ・古屋 利雄さん 乙女高原ファンクラブ代表世話人。前北奥仙丈他二山恩賜県有財 産保護組合長 ※くわしくは,以下のページを http://www.otomekougen.npo-jp.net/2004_interpreter.html ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・ mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,394人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。 以上。