□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第092号 2004.2.15. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【報告】 第3回乙女高原フォーラム・高橋佳孝さんのお話 その2 NEW! 2.【観察報告】 2月7日の乙女高原     3.【募集】 2004年3月14日 総会と座談会     4.【募集】 第2期乙女高原案内人養成講座 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@【訂正とおわび】前回のメールマガジンでご報告しました,乙女高原ファンクラ ブが表彰されたのは,「若宮賞」であり「西宮賞」ではありません。つつしんで訂正 します。若宮さん,ごめんなさい。 ●A(再掲)乙女高原ファンクラブの次回世話人会は2月18日(水)の午後7時30 分から牧丘町総合会館2階です。フォーラムの反省,来年度の事業計画,ファンクラ ブ総会について話し合います。 ●B(再掲)市民山梨学講座「山梨の山」の講座の一つとして,植原が乙女高原での 保全活動について話をします。3月6日(土)午後1時半から3時半。会場は甲府市の県 生涯学習推進センターセミナー室です。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【報告】  ●第3回乙女高原フォーラム・高橋佳孝さんのお話 その2●   ◆高橋さんのお話のもくじ(概要)◆  テーマ:草原の復活に向けて −草原の多面的価値と新しい活用の方向− 済1.草原は里山の自然である・・・(メルマ091号) ●2.草原は文化的遺産である・・・・・・・・・・・・・・・今回のお話  3.草原は豊かな空間である  4.草原は失われつつある  5.草原の価値が見直される  6.人畜一体総力戦で草原再生へ  草原にはいろいろな草花が生えていますし,いろいろな昆虫もいます。明るいとこ ろに適した草花であり,それに依存した昆虫たちなわけですが,人間がそこを草原と して維持していなかったら,そこには存在しなかったかもしれない動植物なのです。 ある意味では人間が森林を破壊して草原にしたわけですが,それを破壊行為ととらえ るのも一つの見方ですが,人間も生態系の中の一生物だと考えると,人間の生活も生 態系にとって非常に大切な要因になってきます。森林を破壊はするけれど,砂漠化さ せたり,土壌の流亡を引き起こさない程度にうまく攪乱して,草が生えるようにし て,それを利用して生活を成り立たせてきたというのは一つの文化ですよね。  そういう文化に育まれてきたのが野に咲く草花であったわけです。例えば同じオミ ナエシという草があったとしても,他の地域のオミナエシとは,当然,その背景が違 うわけです。その土地の利用形態に適応した,その土地だけのオミナエシがそこに生 えているはずなんです。それはいわば文化でもあるし,文化の証でもあるわけです。  つまり,そこに生息している草花や昆虫というのは,その土地の昔の人の生活や, その土地に適した文化を背負って生きながられてきたと言っていいのです。  そういう意味からも,「草原は文化的遺産である」と言えます。  文化的な建造物として,かやぶきの古い建造物があり,保存運動も行われています よね。かやぶき屋根用のかやを供給するためには茅場が必要です。  京都の美山(みやま)町は「かやぶきの里」というのをキャッチフレーズにしてい ます。昔のかや屋根を大事にしようということで,茅場を復活させています。それか ら,かやぶき職人が育っています。しかも,若い職人さんが。20代ですよ。  すなわち,カヤというものは産業として大きなお金を生み出すわけではないけれ ど,地域のつながりを持たせる,それから,技術の伝承という形で世代間の交流も生 み出しています。それから,カヤなどの地域資源を利用するという形態は,農業にも 影響を与えます。有機農業に近い形で資源を使いながらやっています。できた農産物 をかやぶきの里で販売するなど,都市の人といろいろ交流しながら,その農産物も消 費してもらっています。そんな様々な形で,今,活動が発展しています。  阿蘇では昔から「草泊まり」という風習がありました。ピラミッドみたいな(ネイ ティブアメリカンのティピーみたいに見えました:植原)簡易なテントを草で作りま す。阿蘇では,外輪山といって,集落から離れたところに草刈り場がありまして,家 族総出で2週間くらい寝泊りしながら草を刈るわけです。そこで草刈りをたくさんし て牛に持ち帰らせる,あるいは,そこに草小積みとしておいておく。そういう作業を 秋にずっとやるわけです。  こういうのが祭りの文化になったり,風景として残ったりしています。  草を利用するときには,放牧地と越冬用の飼料あるいは肥料として草を生産する場 所とをきちんと区切る必要がありました。そこで,阿蘇では土を高く盛り上げたもの を垣根のようにはりめぐらしていました。土塁といいます。中国山地や隠岐では石塁 というものを作りました。土塁や石塁の両側では使い方が違うわけですから,植生も はっきりと違っています。  盆花という風物詩があります。いわゆる秋の七草です。秋の七草が生えるような場 所は長草型と呼ばれる,採草地のようなところです(乙女高原も長草型の草原です: 植原)。お盆の時には盆花をそなえるんですが,その代表格はオミナエシです。  今でも阿蘇地方に行きますと,盆花を採りに行っている人が30%くらいいます。 昔はほとんどの人が採りに行ってました。もともと盆花を採りに行くという習慣がな い人は15%しかいません。  昔の農村の人たちは,こういう形で暮らしの中に草原の恵みを取り入れていたとい うことです。  (その2 終わり) ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【観察報告】  ●2004年2月7日の乙女高原●  乙女高原ファンクラブ有志で,雪の乙女高原へ行ってきました。  いいだしっぺは甲府の小林さん。牧丘の道の駅に10時半に集合し,計6人で乙女を 目指しました。この時期には珍しく,道にはほとんど雪がありません。それでも途中 で車を置き,あとは林道を歩きました。ウサギやテンらしき足跡も見つかりました が,なにせ雪が降ってからだいぶ日数がたっているらしく,足跡も新鮮ではありませ ん。また,ひなたでは,雪の表面が一度融けて,また凍ったらしく,なんだか堅く て,しかもテカテカしていました。  いよいよ乙女に通じる遊歩道に入ったところで,長靴をはいたままスノーシューを 付けました。これで深い雪でも足がもぐることなく快適に歩くことができます。例年 だと1メートル近く積もるところが,今年は深いところで40センチ。とはいえ,や はり,この「西洋かんじき」は便利です。  夏だと草が多くて入り込めないような湿地も,今は雪がすべてを覆い尽くしていま す。スノーシューでお邪魔すると,水が凍っているところと凍ってないところがあり ました。じっと見ていると,氷の下をときどき気泡がかすかな音を立てて流れ落ちま す。気泡の形がまるでアメーバみたいに変幻自在に変わるのが面白くて,しばらく見 つめ続けけました。  乙女の草原に着きました。見慣れているこの風景も,やっぱり真っ白になると違っ て見えます。確かにここはスキー場です(でした)。新雪に新しい足跡をつけなが ら,ゆっくり歩いていきました。よく見ると,雪に模様がついています。この模様は きっと風が描いたに違いありません。天井の木目模様のような風紋です。  ロッジ前のベンチでお昼を食べました。気温を測ったらマイナス4.6度(午後1 時)でした。風が強く,包み紙が飛ばされそうです。  午後からブナじいを目指して歩いて行きました。斜面を登るのにもスノーシューは いいなーと実感。ときどき写真を撮るためにサングラスを外したのですが,まぶしい ことまぶしいこと。皆さん,雪の乙女にはサングラスは必携ですよ。  ブナじいは,いつものようにいつものところに静かに立っていました。  雲がすごいことに気付いたのは,加藤さんでした。風が強く,小さな雲が次々に現 れ,空を横切っていくのですが,雲のところどころが輝いているのです。それも一色 ではありません。緑のところがあったり,ピンクのところがあったり,青いところが あったり・・・。しかも,雲が動くにつれて,その色が変わったり,輝く場所が移っ たりしています。  思わず「スゲー!」という大きな声が出てしまいます。  雲の水蒸気や氷のつぶがプリズムの働きをして,太陽の光を7色に分解して見せて くれているのでしょうか。虹みたいです。そういえば,雲が太陽の右斜め下に近づい てきたときに,よく現れるような気がします。  ぼくは,雲が太陽の右斜め下に近づいてくるのをねらってデジカメのシャッターを 何回となく押しました。下手な鉄砲も・・・の心境です。で,とれた一枚をファンク ラブのホームページにアップしましたので,見てみてください。 http://www.otomefc.net/album/img-box/img20040214224756.jpg  虹色の雲を双眼鏡で見て,またびっくり。青一色と思っていたところも,双眼鏡で 見てみると,青いところもあり,赤いところもあり,緑のところもあり,・・・とま るでモザイクのようです。またまた「スッゲー!」と大声を出してしまいした。  加藤さんのアドバイスもあり,家に帰ってから調べてみると,これは「彩雲」とい い,風の強い日によく現れるのだそうです。大山行男さんの写真集『富士』(毎日新 聞社)の表紙の写真が富士山の頂上に現れた巨大な彩雲です。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     3.【募集】  ●2004年3月14日 総会と座談会●  座談会では,乙女高原にもっとも近い集落・柳平にお住まいの水上さんから話題提 供していただいた後,参加者全員で,乙女高原について話し合います。 ●日時 2004年3月14日(日) 午後2時から5時まで ●会場 牧丘町総合会館 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)   0553-35-3111(内141)   ファックス0553-35-3733   E-mail otome@town.makioka.yamanashi.jp  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     4.【募集】  ●第2期乙女高原案内人養成講座●  以下は概略の紹介です。詳しくは http://www.otomekougen.npo-jp.net/2004_interpreter.html 〇主催:乙女高原ファンクラブ 〇期日と会場  第1回 4月18日(日) 牧丘町総合会館 牧丘町窪平(文化ホールの近く)  第2回 5月23日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原)  第3回 6月6日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原) 〇定員:30名で,先着順。   申し込みの受け付けは3月1日午前10時から始めます。 〇費用:講習会費用は3回分合計で1000円。  登録する際にはさらに登録料2,000円が必要。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・   http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,396人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。 以上。