□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□    乙女高原ファンクラブ 公認  乙女高原メールマガジン 第094号 2004.3.11. 発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・   ▲▼ も く じ ▼▲ NEW! 0.【ニュースニュース】 NEW! 1.【報告】 第3回乙女高原フォーラム           高橋佳孝さんのお話 その4     2.【募集】 2004年3月14日 総会と座談会     3.【募集】 第2期乙女高原案内人養成講座 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■   0.【ニュースニュース】 ●@いよいよ今週の日曜日(14日)が乙女高原ファンクラブの総会ならびに座談会で す。会場が町総合会館から中牧多目的集会施設に変更になりました。ここは第1回目 の座談会を行った,思い出深いところでもあります。詳しくは以下の「2」の項目を ご覧ください。 ●A3月1日から,第2期乙女高原案内人養成講座の応募が始まりました。すでに何人 もの方が応募しています。先着順ですので,申し込むおつもりがあるのにまだの方は お急ぎください。 ●B乙女高原ファンクラブの次回世話人会は4月7日(水)の午後7時30分から牧丘 町総合会館2階です。乙女高原案内人養成講座等について話し合います。 ●C3月6日(土),甲府市の県生涯学習推進センターセミナー室(県庁の南のビル。 旧西武)で,市民山梨学講座「山梨の山」の講座の一つとして,植原が乙女高原での 保全活動についてたっぷり2時間話をしてきました。会場にあふれんばかりでとても 盛会でした。さっそく何人もの方がファンクラブに入会してくださいました。ありが たいことです。 ●D3月7日(日)は,長野県諏訪市の合同庁舎で,霧が峰自然保護センターを中核に したボランティア活動を立ち上げるべく,乙女高原ファンクラブの活動を事例紹介し てきました。この活動の仕掛け人は,センター職員の三井さん。乙女高原ファンクラ ブ会員でもあります。たくさんの霧が峰ファンの方々があつまり,結局,ボランティ アに登録してくださった方が60人を超えたとか。ここも今,目が離せません。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     1.【報告】  ●第3回乙女高原フォーラム・高橋佳孝さんのお話 その4●   ◆高橋さんのお話のもくじ(概要)◆   テーマ:草原の復活に向けて −草原の多面的価値と新しい活用の方向− 済1.草原は里山の自然である・・・(メルマ091号) 済2.草原は文化的遺産である・・・(メルマ092号) 済3.草原は豊かな空間である・・・(メルマ093号) ●4.草原は失われつつある・・・・・・・・・・・・・・・今回のお話  5.草原の価値が見直される  6.人畜一体総力戦で草原再生へ  草原は,失われつつあります。  例えば,広島県比和地方では,水田のまわりにあった採草地に,どんどん植林が行 われています。肥料革命・燃料革命によって化学肥料や耕運機が使われるようにな り,草を肥料として利用することがなくなり,運搬や作業に牛や馬を利用する必要が なくなったのです。  ですから,水田のまわりに草地がある必要がなくなり,植林したほうがお金が儲か る時代になったのです。・・・今は,ダメで,お金にはとてもならないんですが,当 時は木を植えるだけで補助金も出ましたし,将来的な経済目標を立てたときに,その ほうがいい時代があったわけです。  したがって,草地が植林地に変わっていく,あるいはナラ林に変わっていきまし た。ナラ林に変わるというのは,利用しなくて,植生が自然に遷移していった結果 だったのです。  入りあい牧野のような放牧地も同様で,やっぱり針葉樹の植林が行われました。  土地利用がこのように変わっていったことは,あちこちの日本の草地の特徴的な変 化の構図です。  岡山県の剣山系の茅場の推移を見て見ますと,畑だったところが耕作放棄されて, そこが茅場になって,畑のすぐ近くに茅場が出現するという現象が起きています。こ れを何に使うかというと,畑の肥料に使ったり,マルチとして土壌の流亡を防ぐため に使われています。新しく出現した茅場が,かろうじて残っている耕作地の役に立っ ているという事例です。  一方,この辺には昔からの茅刈り山があったんです。屋根ふき用の茅をとったとこ ろです。そこはもう使われなくなったわけですね。そうすると,植生がどのように変 わってきたかというと,もともとススキが優先していた場所が,どんどん笹優先の場 所になってきました。  笹が優先すると,皆さんご存知のように,他の植物はほとんど生えなくなってき て,生物多様性は落ちてくるし,笹自体も利用価値がないという状況があります。冬 場の牛のえさくらいにしかならないんですね。  じつは,草原の多くは自然公園の中に位置しています。全国レベルでみると,国土 の3パーセントが草原と言われるところです。それには北海道の改良草地やゴルフ場 も含まれています。ですから,実際には1パーセントぐらいだろうと言われていま す。  ところが,国立公園,国定公園の中に占める草原の割合は,むしろ,それよりも高 いくらいで,草原域を含んだ里山が積極的に自然公園の中に取り込まれています。  自然公園である以上,指定された景観を,生物多様性を保全するために管理をしな ければならないわけで,自然公園管理として少なくとも日本の草原の20パーセント は守られることになります。  昔は2次草地の割合が10から11パーセントの割合でありました。それは,生活 や農耕に不可欠であったからです。例えば,1ヘクタールの水田を維持するのに,草 地が5ヘクタールくらい必要だったんです。というわけで,じつは水田の面積よりも 広い草地が全国に あったわけです。  最近,脚光を浴びているのが,生物多様性の面から見て,里山もちゃんと維持管理 しなければならないという考えです。1989年に我が国で初めて出されたレッド データブックは日本自然保護協会による植物版(植物群落)だったのですが,これを 見ると,里山や草原,それから湿地の植物たちが絶滅に瀕していることがわかりま す。  実感としてはあまり感じていなかったのですが,よく見ると,当たり前に身近に あった花々,たとえば秋の七草なんかが,いつのまにかなくなっているという現実が あります。  草原に生えるもので絶滅危惧種に指定されているものとして,阿蘇・久住に特徴的 に見られる大陸系の依存種でヒゴタイなど。短い丈のものでは,センブリの仲間で あったり,キスミレであったり,オキナグサもあります。湿地ではサクラソウの仲間 などがあります。  結構,たくさんのものがリストアップされました。  一番象徴的なのは,キキョウがレッドデータブックに掲載されてしまったというこ とです。フジバカマはすでに載っていましたから,100年後には秋の七草は,秋の 五草になるということでしょうか。日本人がずっと万葉の時代から親しんできた生活 文化が100年後にはなくなるかもしれないということです。 (その4 終わり) ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     2.【募集】  ●2004年3月14日 総会と座談会●  座談会では,乙女高原にもっとも近い集落・柳平にお住まいの水上さんから話題提 供していただいた後,参加者全員で,乙女高原について話し合います。 ●日時 2004年3月14日(日) 午後2時から5時まで ●会場 牧丘町中牧多目的集会施設 ■問い合わせ・申し込みは・・・乙女高原ファンクラブ事務局  牧丘町役場地域活性課内   〒404-8550 (山梨県東山梨郡牧丘町窪平350)   0553-35-3111(内141)   ファックス0553-35-3733   E-mail otome@town.makioka.yamanashi.jp  ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐     3.【募集】  ●第2期乙女高原案内人養成講座●  以下は概略の紹介です。詳しくは http://www.otomekougen.npo-jp.net/2004_interpreter.html 〇主催:乙女高原ファンクラブ 〇期日と会場  第1回 4月18日(日) 牧丘町総合会館 牧丘町窪平(文化ホールの近く)  第2回 5月23日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原)  第3回 6月6日(日) 乙女高原グリーンロッジ 牧丘町北原(乙女高原) 〇定員:30名で,先着順。   申し込みの受け付けは3月1日午前10時から始めます。 〇費用:講習会費用は3回分合計で1000円。  登録する際にはさらに登録料2,000円が必要。 ------------------------‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ご意見/ご感想/情報はこちらに・・・  mailto:xxxxxx@j-gate.net バックナンバーをご覧になりたかったら・・・・  http://www.otomekougen.npo-jp.net/mail_mag/ 乙女高原.ファンクラブのホームページは・・・・・   http://www.otomekougen.npo-jp.net/ 「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」は・・・ http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/observ_top.htm ※この号は,397人にBCCでお送りしています。「乙女高原メールマガジン」は 希望する方に無料で配信しています。まわりにご希望の方がいらっしゃいましたら, アドレスとお名前を「返信」してくだされば,メール配信のリストに加えます。  お互いに顔の見えるような関係の中でメール配信したいので,あえて自動配信の メールマガジン用ホームページ等は利用しておりません。 以上。