乙女高原メールマガジン創刊準備号   2000.10.25

 

404-0013 山梨県東山梨郡牧丘町窪平1110
発行人  植原 彰
                   TEL & FAX 0553−35−3682
                    Eメール uehara@j-gate.net

 いよいよ明晩は,『乙女高原ファンクラブ(仮称)』第2回の設立準備会です。役場の
加々美修さんからの通知の通り,実際にこの会をどんな会にしていくかを話し合う大切な
話し合いになります。よろしくお願いします。

  10月26日(木) 午後7時30分より 牧丘町役場  2階 会議室

(加々美光男さんへ)都合が悪くて欠席とのこと。了解しました。次回以降,また,
お願いします。もし,この準備会に声を掛けた方がいいという方がいらっしゃいまし
たら,教えてください。

(土橋進一さんへ)尾瀬の情報,ありがとうございました。乙女高原の草原を『保全』
していくために,どんな方策が必要か,尾瀬での湿原回復の取り組みを参考にし
たいと思いますので,また,資料や人材等の情報提供,よろしくお願いします。

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        〜さて,乙女高原にまつわるニュースをいくつか…〜
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       遠足で小学生が数人,へぼに刺された              
  
 ぼく(植原)の仕事は小学校の教員です。ウチの学校(塩山北小学校)の高学年の
秋の遠足を乙女高原に『誘致』しました。10月17日。1日,曇り空でした。
 塩平まではバスを利用し,それから徒歩です。
 途中まで林道をあるき,いよいよ自然観察路に入りました。
 自然観察路は,ぼくが本隊より少し早めに歩き(要するに、斥候のようなもので
す),子どもたちに見せたいものがあったら荷札にメモを書き,子どもたちにはそれ
を探しながら登ってくるように指示しておきました(『追跡ハイキング』形式の自然観察会)。
 山道で隊列が長くなってしまう場合,この方法はとても有効だなと思いました。

 グリーンロッジの庭でお弁当を広げたのですが,子どもたちが寒がること寒がること。
いつも持っている温度計を取り出してみると,なんと9度。寒いはずです。水筒の中に
氷まで入れている子が多かったというのに・・・・
 ポテトチップスの袋が気圧の変化からか,パンパンに膨らんでいました。

 さて,事件は帰りに起こりました。手塚小屋のちょっと下あたりの自然観察路を歩いて
いた時のこと,子どもが数人,へぼ(クロスズメバチ)に刺されてしまいました。
顔の前に飛んできたので手で払ってしまったという子もいましたが,多くの子は
何の覚えもないと言います。一番かわいそうだったのは,どういうわけか服の中に
へぼが入り込んでしまったという子。
 救急用に用意した車で病院に搬送しました。へぼなのでたいしたことはないと予想
しましたが,万が一,ハチ毒の症状が出たとしても,ここからもよりの病院までは30分は
かかります。それでは手遅れになってしまうので,大事を取りました。
 それにしても,この時期(10月中旬)にへぼなんて,乙女にいましたっけ?
 そういえば,ロッジ前のモミの木にたくさんのへぼが止まっていたのは,お弁当の
時に見かけました。
 これも『温暖化』の影響でしょうか!?

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   植物生態学者に乙女高原の保全について助言をいただく

 10月21日,東京・神田で日本自然保護協会が開催した自然保護セミナー『植物群落の
生態学的管理』というのを聞きに行き,講師の方に乙女の現状を写真を見せながら説明し,
助言を求めました。

 第1に,ロッジ前から入って,そのまま草原の中を進んでいくコース(この前の観察会で
歩いたコースです)については,一番谷になっている部分が遊歩道になっているので,
これは非常にまずく,遊歩道を谷からはずした方がいいだろうという意見を
いただきました。ただでさえ,谷なので土が削られるのに,その上,人にまで踏まれるの
ですから,このままでは自然回復は無理だろうということです。

 第2に,下の駐車場から西に向かって斜面を登っていくコースについてですが,こちらは
回復可能なのではないかと言われました。遊歩道のコースはできれば変えた方がいいが,
道に『すのこ』状に丸太を横に敷きつめれば,これ以上,土が流れることはなく,
人が歩く場所と歩いてはいけない場所の区切りもつくだろうということでした。

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  提言書の手渡しセレモニーならびにプレスリリースについて

 先日の準備会でも話題にしました『乙女高原の森の保全および活用に関する提言』
を県に提出するセレモニーと記者会見を10月24日,牧丘町役場で行ないました。
 10月25日付けの山日新聞にはこの記事が載っていました。
 以下は,マスコミに宛てた,このセレモニーの取材依頼のファックスです。

      (((((ファックスの内容))))))

          乙女高原の自然を守る『憲法』ができた!
〜行政・市民・専門家が協力して,地域の自然を守るための枠組みを作り,県に提案〜

 『どこそこの自然を守る』と一言で言っても,簡単ではありません。自然に手を加えないことが
自然を守ることとは限らないからです。例えば,夏になるとそれこそ一面お花畑のようになる
牧丘町の乙女高原は,人が草刈りという手を加えなければ,森へと飲み込まれてまう自然です。
 『自然を守る』というからには,今の自然の状況を的確に把握し,それをもとにどんな
自然の姿に保つことが望ましいのかを多くの知恵を出し合って決め,そのために,
何をしなければならないかを考えなくてはなりません。これはとても地味で時間
のかかる作業ですが,このような基本的な枠組みを決めた上で,具体的な活動を始め
なければ,本当に自然を守ることにはならないでしょう。

 私たち『乙女高原の森』連絡会議では,乙女高原の自然に関わってきた地元住民や
地元の市町村である牧丘町の担当者,県有林課の職員(乙女高原は県有林です),
専門家が議論を重ね,このたび,乙女高原の自然を守るための最も基本となる枠組みである
        『乙女高原の森』の保全および活用に関する提言
をまとめ,山梨県(塩山林務事務所長)に提出(手渡し)することとなりました。
言ってみれば,乙女高原の自然を守るための『憲法』ができたわけで,これを基本原則として,
乙女高原の自然を守るための様々な具体的活動を行政と市民が共働で始める予定です。

 つきましては,提言書の提出(手渡し)の様子を取材していただきたいと思います。
提出の前にはマスコミの皆様にご説明する時間も取りました。日程が詰まっていて
申し訳ありませんが,乙女高原の自然を守っていきたいと願っている私たちにぜひ
協力してください。よろしくお願いします。

追伸:今後の乙女高原の自然を守る活動については,次のようなことを計画しています。
よろしければ,今後も取材をお願いします。
1.乙女高原の草原を守るため,ボランティアを募集しての草刈りイベントを開催します。
11月23日(祝)。別紙参照。
2.乙女高原を愛する人・乙女高原に関わる人のゆるやかなネットワーク組織である
『乙女高原ファンクラブ(仮称)』を立ち上げようと考えています。乙女高原に関わる様々な活動を,
行政と密接な連携を計りながら進めます。
 ただいま,設立準備会を組織し,設立のための準備を進めています。

    (((((ファックス終了))))))

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     11月23日の草刈りイベントについて

 役場の加々美修さん,久保川恵里さんのご努力で,とてもステキなちらしができあがりました。
明晩,渡していただけると思います。ご期待ください。配れる人や場所がありましたら,どんどんお配りください。
 また,この草刈りイベントは乙女高原ファンクラブにとってもとても重要な事業になると思います。
ぜひ,ご参加をお願いします。

 草刈りばかりでは,例えば小さな子やお年寄りは参加困難になります。そこで,いろいろな仕事メニューを
用意し,いろいろな人が参加しやすい形にしたらと思っています。
草を運ぶ,ロープをはずす,ごみを拾う・・・・というのを考えましたが,ほかにも,こんな仕事を
するといいよというアイデアがありましたら,ぜひ,教えてください。

 なお,仕事の一つとして,植生調査用のコドラート(方形枠)を設置したらどうかと思います。
ぼくも設置の仕方がよく分かっているわけではないのですが(知っている方,
実際にやってみたことがある方は,ぜひ,教えてください),基本的には1メートル四方のわくを
作ればいいわけですので,先日の測量で余ったくい4本とひも4メートルがあれば
一つのコドラートは設置できます。何箇所か設置して,年ごとに植生がどう変化していくのか調べてみたいと思います。
 特に気になるのが帰化植物がこのまま増えてしまうのか? とか,イタドリにこのまま乗っ取られてしまうのか?
 といったことです。これらは科学的にデータを取らない限り,「多くなってきた気がする」程度の推論にしかなりません。
 また,草刈りの仕方を変えるとしたら,それぞれの区域の自然がどのように推移していくかもちゃんと調べる必要が
あります(モニタリング)。そのためにも,コドラートを設置する必要があると考えます。
 いかがでしょうか?

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 以上です。明晩,お会いできるのを楽しみにしています。 

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