file No. 0202
Date 2002/6/29
タイトル アヤメの花のどこに虫が来る


超有名なレンゲツツジが咲き終り,かといって,お花畑のようになる真夏のシーズン まではまだ早い・・・という時期に草原をところどころ美しい青色で染めてくれるの がアヤメです。

きれいなアヤメの花をスケッチしながら,じっくりながめていたら,「?」が浮かび ました。
こんなきれいな花なんだから,虫が来ると思うのだけど,来た虫はいったいこの花の どこに止るんだろう?

アサガオだったら,ラッパの口から入っていくし,ヒマワリだったら,虫にとっては グランドみたいに平べったい花の表面に止りますよね。 だったら,アヤメの場合,どこに止るんだろう??

みなさんはどう思われますか?

アヤメの花をよく観ると,真ん中に立っている花びらが3枚見えます(@)。この間に虫が 降り立つのかなあ?
でも,それじゃあ,一番目立つ,大きな,まるで人がアッカンベーしているように 見える花びら(A)は,なんの役をしているんだろう?
この花びらには「綾目」模様がついていますよね。花の中心から外側にむけて, この花びらも3枚あります。
この花びらの根本には,この花びらのカバーみたいに上についている花びら(B)もあります。

気になって仕方ないので,虫が来ているアヤメはないか,草原じゅうを見つけ まわりました。


おっ,ハチがやってきました。一番大きな花びらの,ちょうどアッカンベーと下向き に垂れているあたりにしがみつきましたよ。

次に,その花びらをよじ登り,上についているカバーを押し上げるようにして,奥の ほうに入っていきました。きっと蜜を吸っているんでしょうね,口が長く伸びている ように見えました。
(写真をクリックすると拡大できます、その後は「戻る」を使ってね)

花から出てきたハチの背中には,白い粉が付いていました。花粉に違いありません。 なんだかハチは,かゆそうなポーズをとっていました。花粉って,かゆいのかなあ?

ハチが飛び去った後,「上カバー花びら」をそっと持ち上げてみると,下におしべが 隠されていました。
きっと「上カバー花びら」は,普段はおしべを守りながら,ハチが来た時には確実に その背中に花粉を付ける役目をしているのでしょうね。

アヤメの花にハチが入っていくところを見ていると,ほんとうにアヤメにとってこの虫は お得意さんなんだろうなと思います。だって,あまりにも,もぐりこんでいるハチの形と 大きさがアヤメの花にジャストフィットしているんだもの。アヤメはきっとこのハチにだけに 来てらもいたいと考えているに違いない!と思いました。
他の花も,自分のお得意さんの虫がいるのかなあ?

ウエちゃんの乙女高原自然観察記の一覧へ戻る


「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」を読んだご意見・ご感想をお寄せください。

Copyright(c)2001 OtomekougenFunclub. All rights reserved