file No. 0207
Date 2002/8/24,25
タイトル マルハナバチを見分けよう


東京大学大学院の国武陽子さんからマルハナバチと乙女高原のお花の関係をいろいろ うかがったり,実際に一緒にマルハナバチを見たりして,いつの間にかマルハナバチの 大ファンになってしまいました。「乙女高原ファンクラブの次はマルハナバチ・ファン クラブだな」とマジに思っています。

ずんぐりむっくりしてて,毛むくじゃらで,まさにクマのぬいぐるみのようなマルハナバチ。 いつも働くのに夢中で,いくらぼくらが顔を近づけても,見向きもしません。試しに指で そっとつついても,ちょっと足をあげて,イヤイヤをする程度です。よっぽどのこと でもない限り、刺すなんてことはありません。プールにおぼれているのを助けようとした だけなのに刺してきたミツバチとはえらい違いです。

そんな友好的(?)で,観察しやすいマルハナバチを,あなたも観察してみませんか?

まず,マルハナバチと他の虫を見分けましょう。
乙女高原にたくさんいて,マルハナバチとだいたい大きさが同じで間違えそうなのは, ハナアブです。


左がハナアブで,右がマルハナバチ(ミヤママルハナバチ)です。マルハナバチとちがって, ハナアブは背中が毛深くないでしょ?それに背中の模様も違いますよね。
マルハナバチは全部横縞なのに(この写真では縞模様が見えないほど毛深いですが・・・)、 ではハナアブにはカタカナの「エ」の字模様がついています。

顔つきも違っています。やはり左はハナアブで右がマルハナバチですが,ずんぐりむっくり しているとはいえ,ハチはハチなので,なんとなく精悍な顔つきがします。

また,よく見ると行動も違っていて,ハナアブは自分の食いぶちだけを稼げばいいので, のんびりしていますが,マルハナバチはおなかをすかせた子どもたちが巣で待っているので(?), とにかく働きどうしです。飛んでいるか,蜜を集めているか,花粉を集めているか。 とにかく一生懸命働いています。

では,ここから,乙女高原でこの時期見られるマルハナバチを紹介しましょう。

堂々としていて,胸のオレンジ色とお尻の黒のコントラストがはっきりしている トラマルハナバチ(通称トラちゃん)です。

乙女高原ではノハラアザミに一番来ていました。他にはタムラソウやヤマハギにも来ます。 マツムシソウにも来ますが,このときは掃除機の先が畳の上をすべるような感じで花粉を 集めています。

トラちゃんより一回り小さくて,全体的にレモン色のミヤママルハナバチ(ミーちゃん)です。

乙女でのミーちゃんの行きつけの店・・・じゃない花と言えば,なんといってもヤマハギ。 ヤマハギといえばミーちゃん,ミーちゃんといえばヤマハギって感じです。タムラソウや ノハラアザミ,ツリガネニンジンにも来ていました。タチフウロに来たときは、花粉を 集めるようです。

トラちゃんよりずっと大きくて,お腹が上から白・黒・黄色の3色になっている オオマルハナバチ(オーちゃん)です。

オーちゃんは八方美人で,いわゆる行きつけの花なんてないように見えます。タチフウロ, ノハラアザミ,ワレモコウ,マツムシソウ,ヤマハギ,シオガマギク,ヤマギラン,・・・ いろんな店(花)に出入りしています。ノダケとイタドリに来たときには,花粉を集めて いる様子がよく分かりました。

ナガマルハナバチ(ナーちゃん)は,胸が黄色くて,横一文字にオレンジ色の筋があります。 ナーちゃんは,これら4種類のマルハナバチの中で一番舌が長く,筒の長い花の蜜を吸うのが 得意です。今,乙女の草原では筒の長い花があまり咲いておらず,一方,林道脇にはたくさんの 筒の長いツリフネソウが咲いているので,ツリフネソウばかりに来ているようです。

さて,マルハナバチの見分け方が分かったところで,マルハナバチの調査をしてみましょう。 それは次回の自然観察記で・・・・


※「乙女高原メールマガジン054号」にマルハナバチの観察会のことを書きました。 よろしかったら,お読みください。


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