file No. 0302
Date 2003/02/08
タイトル 雪の中の乙女高原 〜2003年2月8日の観察記〜


「乙女高原メールマガジン 第064号」で,2月8日の乙女高原の自然観察をリポートしましたが,そのビジュアル版です。 ぜひ,メルマを読みながら,ご覧ください。


林道はこんな感じです。最後に雪が降った後,乙女高原に入った車はありません。だって,わだちがないのですから・・・。


途中,ウサギの足跡がくっきりついていたので,ぼくの手と比べっこをしてみました。体重で比べてみると,ぼくが65キロ, ノウサギが2.5キロほどですから,1/26なのに,こんなに大きい足跡なんですよ。
「雪国仕様・・・かんじきを履いている動物」だけあって,接地面積がモロ広いです。どうりで雪の中にズボッともぐらないワケです。


乙女高原の草原の中を,クロスカントリースキーで登っていきました。草原には誰の足跡もありません。バージンスノーです。 雪原の表面には,風の力で描かれたであろう「風紋」がついていました。



ここにも不思議な模様がついていますが,これはどうも鳥のしわざのようです。レンゲツツジの実か蕾をついばんだ鳥(ウソ?) が地上に降りて,チョンチョンとホッピングした跡です。



雪原からの富士山です。



乙女高原の裏山のブナのじいさんです。すごく大きいので,近くから写そうと思っても全体が入りません。そこで斜面を 下って写真を撮ろうと思ったら,滑り落ちてしまいました。・・・といってもお尻で「そり」をして滑り降りちゃったので, すこぶる気分爽快でした。



これが「ウサギの赤ション」らしきものの痕跡です。山梨県森林環境部のKさんからは,これについて,こんなメールを いただいています。
「メルマガにあった、うさぎの赤いおしっこについては、既にどなたかから説明があったかもしれませんが・・・私も、 何度が樹海や本栖湖畔で見たことがあります。それは赤というよりオレンジでした。発情期に入ったメスがするもので、 独特の香りがします。私はファンタオレンジだと思いますが。今度ぜひ香りをかいでみてどんな香りか教えてください。 富士山と乙女では違かったりして。あの香りを嗅いだオスが、クラっとくるのか、ブルブルっと興奮するのか、嗅いだオスの 姿を見てみたいものです。」
今度見つけたら,絶対に臭いをかいでみるぞー。



こんな面白い光景も見ました。木の枝が下を向いて,しかも,雪の中にはまり込んでいます。ここにウサギの足跡が ついていましたが,この「茂み」の中は,彼(彼女?)の絶好の隠れ家だったのでしょう。 どうしてこんなことが起きたのかわかりますか?
雪が木の枝に降り,だんだん積もります。そのうち,雪の重みで枝が下向きになるのと,まわりにも雪が積もるのとで, 枝全体がまわりの雪で見えなくなるほどになります。
降った直後はフワフワだった雪も次第に自身の重みでしまっていきます。そうして,だんだん雪が下がっていくのですが, そのとき,一緒に枝も押し下げてしまいます。それで,木がこんな姿になっているのです。
 雪国である長野や新潟に行くと,雪の重みで枝が折れてしまったモミやカラマツを見ることがあります。また, 「地上何センチまでのの枝が下向きに曲がったり,折れているのか」を見ると,その土地の冬の雪の深さが分かります。



シカによって,皮をかじり取られてしまったモミの若木です。乙女高原のまわりの森では,春先にこのような光景を よく目にします。きっと冬の間,食べるものがなくて,かじって食べるのでしょう。
こんなものばかり食べているためか,糞まで「木っかす」を固めたような感じになります。



ボランティアの皆さんで毎年初夏に整備している草原内の遊歩道。作業の際,ロープを結わえ付けるために, 高さ1メートルほどの杭を打ち込むのですが,それがすっぽり雪の中に隠れていました。
まだまだ雪深い乙女高原でした。

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