file No. 0308
Date 2003/11/23
タイトル 草刈りの時に見つかった巣 3題


乙女高原の草原を守るための草刈りに,今年も約200人もの方が来てくださいました。

草刈りイベントを実行するためには,いろいろなスタッフが必要です。写真係になって くださったお一人が,乙女高原で自然の写真を取り続けられていらっしゃる高橋さんでした。 ぼくは,高橋さんに「草原の中で,何か巣を発見したら,ぜひ教えてください」とお願いして おきました。
さすが,高橋さん,巣を3種類4個も見つけてくださいました。ぼくは,それを自宅に 持ち帰り,後日,ゆっくり観察しました。巣もじっくり見ると,面白いですね。

巣その1

・巣の大きさ

外径 長いところで13センチ,短いところで11センチ
厚さ 12センチ
窪みの直径 6センチ
窪みの深さ 2.5センチ

・コメント

巣全体が厚いなあというか,高い感じがする。巣の一番外側には小枝が多く使われている。よく見ると,コケやシダの芽についていた(と思われる)「茶髪」の毛があるのが分かる。サクラの皮やビニールも混じっている。大きさからいって,モズっぽいが,モズにしては窪み(産座)が浅すぎるし,巣のつくりが大雑把すぎる気がする。

巣その2

・巣の大きさ

外径 長いところで13センチ,短いところで12センチ
厚さ 10センチ
窪みの直径 6−7センチ
窪みの深さ 5センチ

・コメント

「巣その1」とほぼ同じ大きさだが,材料がだいぶ違う。1は外側に小枝が目立ったが, 2は,巣全体がイネ科植物の茎や葉で作られている感じだ。ちょうどペットショップで 売っているセキセイインコの巣をもっとフワフワにした感じ。
巣の窪みには,それとは別の草の葉が入っている。風かなにかで自然に入ったというより, なんかわざとらしい感じがする。「これはクサいぞ」と思って,巣の中をよく見たら, 糞のようなものが見つかった。

使い古しの鳥の巣を何十と見てきたが,中に糞が入っている巣は見たことがない。雛が 出した糞は親鳥が片付けてしまい,巣の中をできるだけ清潔に保っているためだ。なのに, この巣の中に糞があったり,わざとらしく葉っぱがあったりしたことから,この巣は 鳥の巣として作られ・使われた後に,例えばネズミのような動物によって,草の葉で リフォームされ,再利用されたのではないかと推測している。
なお,巣の中から獣のものと思われる10センチほどの長さの毛が出てきた。かなりの 剛毛で,しかも,すごい枝毛! シカかイノシシではないかとにらんでいる。形といい, 産座の深さといいモズの巣だと思うのだが,こんなに草ばかりのモズの巣というのは 見たことがない。ぼくが観察したモズの巣では,必ず小枝を使っていたのだが・・・。

巣その3(二つ)

・巣の大きさ

大きい方は,たて9センチ,よこ13センチ,あつみが10センチ
小さい方は,たて6センチ,よこ9センチ,あつみが7センチ
の卵型の巣。

・コメント

前の二つと違って,今度のは,作者が,お皿を作ろうとしたのではなく,お団子を 作ろうとしてできたものという感じ。見た目ではわからないが,さわってみると,外壁に なっている部分と,出入り口の部分は,あきからに手触りが違っていて,大きいのも 小さいのも,ちょうどお団子の芯の部分に居住スペースがあるって感じだ。
材料はシバのようにとても細い草の葉のようだ。これだけ細いとなると,葉をさらに 割いている可能性がありそうだ。 鳥ではないと思う。ハタネズミあたりかなという気がする。

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