file No. 0309
Date 2003/12/21
タイトル 冬の初めの巨大な・・・2003年12月21日


今年,乙女高原案内人養成講座というのをやりました。そして,講座に集った人たちで 観察会などいろいろなイベントをやってきました。来年も第2期の案内人養成講座を行う 予定です。で,来年の講座には地学の講師として時田さんをお願いしました。
電話でお話したところ,早急に一度,乙女高原に行って,現地でプログラムを考えたい とのことでした。そこで,急遽,12月21日に乙女高原に行ってきました。

そしたら,林道を進んでいくうちに,みるみるまわりの景色が白くなり,ついには道路が 真っ白になってしまいました。降りて歩くと,キュッキュッと,鉄腕アトムが歩くときの ような音がします。
途中,ノーマルタイヤの品川ナンバーの車がスリップして身動きが取れなくなっていました。

草原も雪の原となっていました。それにしても,見てください。影の長さ!
ほとんど冬至ですからね。

さて,今回の乙女高原行でおもしろかったのが,なんといってもコレ。霜柱!!
こんなので驚いていちゃいけません。

15センチもの霜柱です。まるで高層住宅のように何段かになっているように見えます。 一度できた霜柱が昼間も融けず,また夜になると霜柱ができて・・・というのを 繰り返していくうちに,こんな立派な霜柱になってしまったのでしょう。

ぼくは,乙女高原は里に比べて温度が低いので,こんな大きな霜柱ができるのだろう・・・と 単純に考えていたのですが,さすがに時田さんは地学の専門家。
「こんな立派な霜柱ができるのは,低温ばかりではなく,土が問題なんです。ここは よほど霜柱ができやすい土なんでしょうね」と答えてくれました。
そういえば,朝から歩いたコースを思い出してみても,霜柱なんてなかったもんなあ。

草原の中の遊歩道を歩き詰めると,見晴らしのよい高台に出ますが,そこを歩いている 途中(マツの木の下です),まるで床板を踏み抜いてしまったような,落とし穴に はまったような感じになって,体のバランスを失ってしまいました。
そうです。そこは霜柱の巣窟になっていました。こんなに美しい霜柱を踏み抜いてしまう なんて・・・なんだかもったいない気がしました。この霜柱は6段重ね,なんと 20センチもの高さがありました。

この霜柱はそんなに高くありませんが,でも段段になっているのがよく分かりますよね。 右の写真は,その霜柱を「下から」見ているところです。霜柱を下から見た写真なんて, 本邦初公開だと思いますよ。これが霜柱の根元なんですね。

家に帰ってから,本箱を探してみたら,「しもばしら」(福音館書店の月刊誌 「かがくのとも」の2002年12月号)という絵本がありました。その本の解説ページに 「霜柱を作るコツは,1に土,2に土,3に土,・・・」とありました。 要約すると,「砂では霜柱はできないし,粘土でも・・・できない。粒に粘り気があって, しかも,粒の大きさが砂と粘土の中間で,水を吸い上げる力のある土でないとできない」 とのことでした。

乙女の土はよっぽど霜柱と相性のいい土みたいですよ。

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