file No. 0403
Date 2004/07
タイトル イタドリにいたむし


イタドリは乙女高原でごく普通に見られる植物のひとつです。以前から「イタドリにはいろんな虫が 来ているなあ」と気になっていました。今年は,できるだけそれらをデジカメで記録するようにしました。 「イタドリに来る虫だけの図鑑ができないかなあ」 「葉の食べ跡から,食べた虫の種類までわかったらすごいなあ。虫の食べ跡図鑑なんて作ったら, きっと日本で初めてだぞ」と夢が膨らんでいます。

まず,わかりやすいのから。こんなふうに葉が根元から切れていたら,それはヒゲナガオトシブミのしわざです。
葉の根元は残っているけど,葉の先はどこに行ったかって?
ここです。地面の上に落ちていることが多いのですが,たまたまこのときは,下の葉っぱの上に 落ちていました。クルクルと,まるで春巻きのようにまかれています。
「虫のゆりかご」とか「落とし文」とか呼ばれます。この中には親虫が産んだ卵が入っています。
巻かれる直前の葉がこれです。葉の中央に通っている一番太い筋に傷をつけ,葉がしなしなになった ところで,葉先から器用に巻いていきます。
巻いた張本人・ヒゲナガオトシブミのメスの写真です。なかなか筋肉マッチョな虫でしょ?
この腕力で葉を折ったり巻いたりしていきます。
ヒゲナガオトシブミほど広い面積を使わずに落とし文を巻いてしまうオトシブミもいます。 ルリオトシブミです。
これはちょうどルリオトシブミが葉を切っている最中の写真です。とっても小さな虫が,こんな精緻な 作業をするなんて,すごいです。
小さな小さな落とし文をつくったルリオトシブミです。
枝先の若い葉と芽をいっしょに巻いてしまってあるものもよく見ます。
やはりオトシブミの仲間のドロハマキチョッキリが,まず枝を折って,その先をしなしなさせてから 葉を巻く作業に入ります。
これがドロハマキチョッキリの写真。おもしろいことに,この虫の食べ跡はとても特徴的。葉の表面だけ 食べているって感じです。
葉がボロボロになるまで食べているのはマメコガネです。
このテントウムシのようなデザインの虫は,その名もイタドリハムシ。イタドリの葉を食べる甲虫です。 この虫は成虫で冬を越すので,5月,イタドリの芽が出てきたころ,いち早く姿を見かけることができます。
この虫もイタドリの葉を食べていました。名前不明。
いもむし・けむしの仲間もいました。

あとは,なにか必然性があってイタドリにいたのか,それともたまたまイタドリにいたのかわからない 虫たちです。

オオアオゾウムシ
ウマオイの仲間
ツノゼミの仲間
カメムシの仲間
じつは,イタドリの花にもいろいろな虫が来ます。主にハエやアブの仲間です。

ウエちゃんの乙女高原自然観察記の一覧へ戻る


「ウエちゃんの乙女高原自然観察記」を読んだご意見・ご感想をお寄せください。

Copyright(c)2001 OtomekougenFunclub. All rights reserved