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 乙女高原メールマガジン 第025号 2001. 8. 5.

発行者:植原 彰 (乙女高原のある町・牧丘町在住)

      Eメールアドレス  xxxxxx@j-gate.net

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   (((植原からのメッセージ)))

 乙女高原周辺や林道沿いにいくつかの赤いビニールテープのようなものが見つかります。
よく見ると何か数字が書いてあり,必ずオオバギボウシに付けられています。

 これは東京大学の大学院生の方が調査のために付けているタグだそうです。今日,調査の
内容をお聞きしました。オオバギボウシにはポリネーター(花粉の配達人)として
マルハナバチの仲間が多く訪れているそうなのですが,そのオオバギボウシとマルハナバチの
関係(オオバギボウシが実をつけるのに,どれくらいハチが貢献しているのか)を研究
しているのだそうです。

 

 この話を聞いて,ぼくはすぐに鷲谷いづみさんの『サクラソウの目−保全生態学とは何か−』
(地人書館)という本を思い出しました。サクラソウの受粉にもマルハナバチが一役
買っているそうです。興味のある方は読んでみてください。

 

 乙女高原周辺で赤いビニールテープのようなタグのついているオオバギボウシを見つけても,
取らないでくださいね。

 

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 夏の観察会に,60人以上の参加者!

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 8月5日,乙女高原で夏の観察会を行いました。電話による申し込みが15人。
このメルマガの返信の形でいただいた申し込みがやはり15人。合計30人か。ちょうどいい
人数だなと思っていたのですが,ふたをあけてみたら,その倍以上の参加者数でした。

 

 前日,なんとなく予感がありまして,コンビニのカラーコピーでお花のカードを作り,
ラミネートして遊歩道のロープのところどころにつるしておいたのですが,大正解でした。
この人数では列が長くなりすぎてしまい,遊歩道での説明は,まず無理です。

 『乙女高原フィールドガイド』のお花の一覧表(たて5列,よこ5列)をビンゴのように
使いながら,このお花の札も手がかりに,セルフガイドでお花の観察をしてもらいました。

 

 

 参加者全員を対象にして観察したのは5点だけです。

 まず,道路沿いのシシウドの花を観察してもらいました。多くの虫を引きつけているのは
なんでしょう? 匂いではないかと予想し,実際に匂いをかいでいただきました。

 つぎに,草原に入ってすぐのところでコウゾリナの茎にさわってもらいました。

「さわった感じがお父さんの何に似ている?」と子どもたちに聞いたら,すぐに「髭!」
という答が返ってきましたので,ひげそり→かみそり→こうぞり→コウゾリナと

流れるように説明することができました。

 

 お花を全員で観察したのはこの2つだけです。

 いずれも「見るだけでなく五感を使って観察しましょう」というメッセージを込めたつもりです。

 

 3つ目は,枯れたシラカバです。この木には今年アカゲラが巣穴を彫り,子育てをしていました
メルマガ018号を見てください)。その様子を写真で紹介し,「枯れた木にも役目があるんですね」
というメッセージを伝えようと思っていたら,なんと参加者のお一人・山中湖村の半場さんが
この穴に2匹のヘビが入っているのを発見され,大騒ぎになりました。半場さんはさっそく
野鳥観察用の望遠鏡まで持ってきてくださり,じっくりヘビの顔を見ることができました。

 

 4つ目は「乙女高原が草原の姿を保っていられるヒミツ」です。草原は荒れ地が森へと
変わっていく(遷移する)途中の状態です。放っておけば森になります。森になるのを止めて,
草原の姿に保っているのが、草刈りです。乙女の草原は「自然」ではないのです。
今まではスキー場として管理するために草刈りをし,結果的に草原が守られていたのですが,
昨年からボランティアを募って,乙女の草原を守るための草刈り作業を始めたという話をしました。

 

 5つ目は遊歩道の付け替えの話です。「乙女高原フィールドガイド」に載っている遊歩道の地図と
今年の遊歩道では位置が違います。まず,それに気づいていただき,どうして遊歩道を変えたのか,
その理由を説明しました(詳しくはメルマガ16171819号をご覧ください)。

 

 お気づきですか? 自然観察会といいながら,その実態はお花を見る・虫を見る・鳥を見る・・・
(ばかり)ではなく,「人と自然との関わり」に目を向けてもらう・・・そんな願いを実現するための
観察会だったのです。

 

 大人数だったので,行くのはやめようと思っていた「ブナ爺さんの森」ですが(少人数を
案内するならともかく,大人数では森の土を踏み固めてしまったり,踏み荒らしによる森床の
植物へのダメージが心配でした),皆さんのご希望が強く,遊歩道からはみでないように歩くと
いう約束を守っていただいた上で,ブナ爺さんに会いに行くことにしました。途中,
森の妖精がかぶるとちょうどお似合いのソバナの花がきれいに咲き始めていました。
ブナ爺さんと一緒に記念撮影をしている人が何人もいました。

 

 乙女高原は,これからタムラソウ,シラヤマギク,キオン,ハンゴンソウ,マツムシソウ,
ゴマナなどが咲き始め,キンバイソウやカラマツソウなどにとってかわります。

 また,少し草原の色が変わってきます。

 ぜひ一度,そんな乙女高原にいらしてください。

 

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  9月23日(日) 乙女高原自然講座

        『巣箱をのぞいてみよう』

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○9月23日(日)9:30−12:00(小雨決行)

○乙女高原グリーンロッジ前集合

○参加費 100円

○持ち物 帽子,筆記用具,(あれば)虫めがねなど

○内 容・乙女高原のまわりの森にはたくさんの巣箱が架けっぱなし。

    ・中には壊れかけているものもあります。

    ・それらをはずしながら,中を見てみようという観察会です。

・連絡先・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(牧丘町役場内)

     0553−35−3111(代)

     mailto:otometown.makioka.yamanashi.jp

    (このまま,ぼくに返信してくださっても結構です)

    (県外から来られる方などで,前泊・後泊を希望される方も事務局まで

     お問い合わせください)

※この号は246人の読者の皆さんにお届けしています

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